講師(宗夜)ブログ

2025-03-31 11:54:00

●背中を鍛える座り方

正座している時に猫背になってしまう方をよくお見かけします。

『背中が丸くなってますよー』と注意すると背筋が伸びるのですが、ややもするとまた丸くなってしまいます。

 

この時に手の位置を工夫すると、自然に背筋が伸びるのでお勧めです。

 

手を太腿の上から1cm浮かせます。

右手が上、左手が下のまま、太腿から1cm浮かせます。

それでいて肩の力は抜きます。

 

するとアンダーバストに力が入り、肋骨がキューっと縮む感じになります。

同時に胸が開いて背筋が伸びてきます。

 

座っていても各所の力を抜かないようにしますと、隙(すき)のない美しさが生まれます。

茶道は武家から生まれた文化ですので隙があると美しく見えないのです。

 

ガチガチに武装する状態は良くありませんが、隙のない美しさを身につけることは老齢を迎える自分を守る力に繋がります。

 

見方や捉え方を変えれば、茶道の可能性は無限に広がりそうです。せっかくですから武家の子女になりきってお稽古してみてはいかがでしょう。

新たなご自身に出会えるかもしれません。

2025-03-31 11:05:00

●脚を鍛える座り方

正座から立ち上がる時、どうしたらすんなりと立てるのか、生徒さんから質問を受けました。

 

まずは脚を鍛えることが大事だと思います。

 

例えば、正座も講師二人にとっては格好のトレーニングの時間。

何となく座っているのではなく、実は脚の力を抜かずに正座を続けています。

 

《脚を鍛える座り方》。。。

・踵(かかと)からお尻を1cmほど浮かせます。

・そうすると1分ほどで膝の辺りがパンパンに力が入って痛みが出ます。

・膝の痛みが出たら、踵にお尻をつけてOK🙆‍♀️!

・ただしお尻を極度に緊張させてカチンコチンに固めた上で踵に付けます。工藤はこの時にお尻と踵がボクシングしているイメージを持っています。

(エイドリア〜ン🥊)

・膝の痛みが少し治ったら1cmから1mm引いた9mmを踵からお尻を浮かせることにします。

・膝の痛みが出たらまた、お尻をカチンコチンに緊張させて踵に付けます。

これを繰り返して1mmずつ距離を縮めて行き、一巡したらまた1cmに戻す。

。。。。。。。。。。。

 

このようなことを皆さんのお点前を拝見しつつ行っております。

 

これを継続していくと膝が痛くなる時間が少なくなってきます。

ただ、膝にも腰にもかなり負荷が掛かりますのでお勧めしているわけではありません。

単に工藤はこのトレーニングが好きで、自分で編み出した自分一人の密かな楽しみです。

 

でも私自身はこの習慣のおかげで脚が鍛えられたように思います。

 

最初は膝が痛いのですが、この痛みを無理矢理にでも『気持ちいい』と思い込みますと、本当に気持ちよく感じるようになってくるのであります。

 

エビデンスはありません。

私の思い込みです。

思い込みではありますけれども、人間とは思い込みの強い動物ですのであながち遠からずと感じております。

 

1日に作られる血液の量は大体みんな同じくらいに決まっています。

ところが生活習慣によって血液がどの部位に割り当てられるかは人によって異なります。

それが積み重なり、外見も含めて『人となり』を形成するものと思われます。

 

身体を鍛えたいと思って行動すれば、各所に必要な量の血液が流れていってその部位を強くしてくれるでしょう。

 

この方法でなくても良いので、すんなりと真っ直ぐ美しく立てるようになるために…

皆さまも是非ご自身の合う方法で脚を鍛えてみてください😊🤲

2025-03-14 20:57:00

●抽象世界の心地よさ

先日NHKの日曜美術館で坂本龍一さんの特集が組まれていました。

 

『世界の坂本』と呼ばれた御仁。

忙しく飛び回っていらして、自分のやりたいことはどんどん実現されているイメージでした。

 

けれども近しい人からの言葉では

『評価されすぎて窮屈そうだった』

とのこと。

『本当にやりたいことは音楽だけでなくて、空間や時間にも波及する芸術の創造だったはず』

そんな言葉が飛び出しました。

 

坂本氏には間違いなく才能があって、世の中から十分に認められていたけれど、本当にやりたいことと評価との間に少しずつズレが生じていったようです。

 

晩年の坂本氏は、自然の音に敏感になられて、調整された人工的な音には距離を置くようになられたそう。

 

そう言えば10年前くらいに買ったCDの曲はとても抽象的で掴みどころがなかったのを覚えています。

 

。。。。。。。。。。

年齢を重ねれば重ねるほど、抽象的で無秩序のものに惹かれていくんだ。

だけど世間からは

『戦メリ』とか

『energy flow』とかを

求められちゃうんだよね。

まぁ、ありがたいんだけどね…

。。。。。。。。。。

 

大半の人はどうしても分かりやすいものを好みます。

分かりやすいから一般ウケする訳で、本物の芸術家はこういうところのズレで悩むのだろうなぁと想像しました。

 

抽象的と言えば、有名な作曲家の武満徹さんが浮かびます。

欧米の芸術家たちから高く評価されたそうですが、私には難解で何度聴いても味わうところまで行きません。

 

ただ、最近になって

『抽象的である』

というところに自分も強く惹かれるようになりました。

 

年齢を重ねると若い頃のままの感覚では生きづらくなります。

まず第一に自分の体が変わってきます。

体の声を聞きつつ柔軟に生活や考え方を変えていかないと生きていけなくなります。

『体の声を聞く』というところに、それまで得ていた感覚とは違う次元に足を踏み入れたような気がしました。

 

それまで外に向いていた眼が自分の内側に向いてきました。

だけれども掴みどころがない。

無秩序で判然としない自分という存在が抽象そのものなのかもしれません。

 

この抽象的な感じは、書道の『和様仮名』に似ている気がします。

右に左にふらふらと揺れる和様仮名。

書は大陸から伝わってきたから技術も最初は大陸風です。

楷書も行書も草書も中国書法から来ている。

だのに途中から独自の文化が色濃くなり、実際に書いてみると明らかに技法が違う。

『和様仮名』はものすごく抽象的な感じがする。

これはもしかしたら霊感が基盤にあるのではないか…

そんな印象を受けました。

 

ふと…

古今和歌集を始めとする勅撰和歌集には、何か隠された意味があるのではないか?

と思うようになりました。

 

恋や愛のうたが多く収められていますが、あれは本当に色恋を詠んでいるのだろうか?

 

普通に考えてみて、色恋の歌を集めるために何度も国家予算を投入するだろうか?

これほどの多くの人員と時間を充てるだろうか?

 

本当はは色恋の歌ではないのではないか?

ただの文化保護事業ではないのではないか?

もしかしたら日本独自の感覚に基づいた、国を守る策なのかもしれない。

そんな風に思いました。

眼に見えている世界とは別の、裏側の世界から国家安寧を祈るような壮大な構想を何となく感じるのでした。

 

色んなものが混じった抽象世界にはたくさんの可能性があります。

そのような文化を持つ地に生まれて、皆さんと共に味わえるひと時に幸せと永遠を感じるのでした。

2025-03-14 20:43:00

●茶会記の書き方例(三月)

文字のシルエットを整える方法を茶会記にて説明いたします。

下記は茶会記の抜粋例です。

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指の爪ほどの小さな字ですが、それぞれの文字の形や大きさに変化を持たせています。

 

①一列目はこのような感じ

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茶:大きめの菱形

会:小さめの菱形

記:大きめの横なが長方形

 

②列目はこのような感じ

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三:小さめ正三角形

月:細め小さめ縦なが長方形

弥:中くらい正方形

生:やや縦なが・やや小さめ逆三角形

 

③3列目はこのような感じ

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釣:やや大きめフラッグ形

り:小さめ縦なが楕円形

釜:大きめ正方形

 

最初の『茶』と

最後の『釜』を

大体同じ大きさにしています。

バラエティに富みながらも統一感を演出できるように工夫しました。

 

この中で強調したいのが

『釣り釜』

 

そうかぁ、もう釣り釜の季節かぁ

3月だもんね…

春一番がそろそろね🌸🌀

という歓談が聞こえてきそう。

皆さんのお話が弾むような茶会記にしたいと思って、一字一字をデザインしています。

 

字を綺麗に書くにはイメージを持つことが大切です。

具象化できて初めて上手になります。

お相手に文をしたたためるときには、一度書き出して隣り合う字と形が重ならないようにデザインするとよろしいでしょう。

 

そして

『良いお茶事になりますように』

 

という願いを込めることもどうぞ忘れずに😊

何度も何度も練習するうちに字は上手になるし、実際に良いお席になるような気がしています。

2025-03-02 16:01:00

●第一印象が大切なのは字も同じ

パッと見て『ああ綺麗な人❣️』と思われる女性は素敵です。

同性でも惹かれてしまいます。

 

綺麗の基には日ごろの行いの裏付けがあるからです。

美しくあろうとする気持ちには自己と他者に対する優しさが込められています。

 

字も同じ

 

『ああ綺麗な字❣️』と思われる字には日ごろの練習の裏付けと優しさが込められています。

 

字を見てくださる目に対する優しさだったり、

字そのものへの愛情だったり、

筆や紙に対する思いやりだったりします。

 

簡易な筆ペンでも訓練次第ではかなりの技が使えます。

早く書いて掠れさせたり、

軽く持ち上げて接触面を少なくして墨色を薄く見せたり、

少し押し付けて濃く見せたりと、

できることは色々あります。

 

そしてそれらを統括して美しく見せるためのテクニックが

『文字のバランス』

です。

 

お月謝袋への宗嘉先生の記名で例を挙げてみます。

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上記の立川宗嘉という文字は、いま読んでいただいているこのブログの文字とは違い、一字一字のシルエットを変えています。

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立:やや大きめの長方形

川:小さめの丸形

宗:やや小さめの逆三角形

嘉:やや大きめの三角形

 

私はシルエットをこんな風にデザインして字のバランスを取っています。

 

シルエットを多彩にすることで印象が良くなり音読しやすくなります。

 

パッと見て『綺麗❣️』の裏にはこのようなテクニックが潜んでいるのです。

 

ここまで気を配ることができるのは、人生の経験を積んだ大人だから。

 

『書道なんて子ども時代から習ってないと絶対無理』

果たして本当にそうでしょうか?

 

子どもの頃に綺麗だと思っていた字と、大人になってから美しいと思う字は根本的に違います。

年齢によって人格が別人級に異なるからです。

 

そして大人になると無駄なことはしなくなります。

効率よく動くから最短距離で行きたいところに行けるようになります。

 

恥を忍んで告白します。

 

私の3年前の文字がこちら

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今の文字がこちら

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3年前は生徒さんのご記名など、とても引き受けられず、生徒さんご自身でお月謝袋にお書きいただいていました。

その情けないことと言ったら…

 

訓練して、訓練して、ようやくここまで来ました。

 

最初は筆ペンを持つ手が硬くて力を抜くことが出来ませんでした。

今は力を抜いてゆるゆるで持つことが出来ます。

 

この力の抜き方は茶道にも直接に影響します。

茶道の柄杓を持つ手の動きと、

筆ペンでの筆を持つ手の動きは、

とても似ているのです。

 

おそらく私は書道の腕が上がるのと同時に、茶道の腕も上がっていったはずです。

 

『一芸は多芸に通ず』

身を以て知った諺の真意

 

これかぁ!

と膝を打ちたくなるような心地。

ああ、いよいよ面白くなってきた私の人生。

ぜひに皆さまも😊🤲