講師(宗夜)ブログ
●着付けと骨格の関係
一時期、着崩れに悩んでいました。
一番の悩みが襟合わせ。
着ている時間が長くなると、どうしても襟元がブカブカしてきました。
教えていただいた通りに着ているつもりでも、どうも上手くいきませんでした。
もしかして、キーポイントは
『骨』では?
そんな風に思って骨格標本を買って、日々眺めていました。
私は鎖骨のところで襟が浮いてしまいます。
その下の窪みがあり、段差によってプカプカ浮くようでした。
段差を埋めるようにしっかりと補正をしましたら、ようやく上手くいきました!
先日、プロの方に骨格診断をしていただいたら、私の骨は平均よりも大きいとのことでした。
鎖骨も、肩甲骨も大きいそうで、腰の位置が高いとのことでした。
足が長いのではなくて、胴が長いようです(かなしー😭)
ああ、それで!
帯を上に結んでしまうと、動きにくいのでした。
ようやく納得しました。
着崩れが起きやすいのは、骨が大きいことで動きがダイレクトに長着に伝わってしまうことが原因のようです。
このような特徴の私には、しっかり目の補正が合っています。
着崩れでお悩みの方は、ぜひご自身の骨格に注目してみてくださいませ😊🤲
●ひとつの道が見えてきたら、もうひとつの道を覗いてみる
『慢心:まんしん』
おごり高ぶること
歴史を勉強しているといつも思います。
偉人が斜陽を迎えるのはいつもこの『慢心』がきっかけであると。
歴史に名を残す偉人ともなると、度を超えた激務の日々。
上にも下にも周囲全体に気を遣い、武に秀で、書を嗜み、情報網を張り、人の心理にも鋭く、
そんな日々が数十年と続きます。
ある程度の地位を築いたところで
『ああ、しんど…』
と気が抜けることも、そりゃあるだろう人間だものと想像します。
不思議ですが
ある程度の地位を築いた人に対して世は人間であることを許してくれないようです。
今で言えば炎上
昔も、今ほどで無いにしろ炎上の状態があったみたいです。
『慢心』の響き。いかにもその人物に欠陥がありそうな。
でも本当にそうなのだろうかと疑問を持つようになりました。
人間だから、生きてるから、
体調も気持ちも天気と同じで、一定を保つことはとても難しい。
この炎上という状態は、一体なんだろう?と思ったら…
もしかして世論という大きな集団心理は『神』を求めているのではないかと感じました。
万能であれ、と。
。。。。。。。。。。
🟦そうなんだよね。
だけどその、相手に全智を求めてしまうというのも、欠陥を持つ人間だからなんだよね。
🔴自分にも欠陥があるけれども、自覚もしているけれども、他人の欠陥は許せない、と。
🟦そう。それが人間の本質。
🔴ということは、この集団心理はずっと続くと?
🟦続くんだよね。根本にあるものだから。
だから成功しようと思ったら『神』を目指すしかないんだよね。厳しいけど。
🔴神を目指す…って簡単じゃないですけれども。何か具体的な方法でもあるのですか?
🟦ある。まずは一つの道で結果を出す。出したら、今度はまた別の道に踏み込んで初心者の気持ちを味わうこと。
🔴その心は?
🟦苦労は買ってでもする。それをずっと続けていく。
苦労を味わって楽しむ。
。。。。。。。。。。。
苦労を味わって楽しむ…
え?楽しい、ソレ?
つい心の中でつぶやきました。
でも、もしかしてこの状態かな?と思い当たることがありました。
趣味、書道。
ちょっとスランプ。
ああ……⤵️
級がどんどん上がっていた頃はすごく楽しかったのです。
段に入っても楽しかったです。
でもしばらくすると、自分の居る位置が動かなくなりました。
そりゃあそうです。
難しくて当たり前です。
どれほど長い歴史を経て文化・教養となったことか。
分かっていたつもりですが、現実を知るとガクーンと来ました。
私のような人は、お教室に沢山おられるらしく、先生が全体に呼びかけました。
。。。。。。。。。
昇級とか、昇段とかも、確かに大事なんですけどね…
書家としては、もっと大きな情熱を胸に抱いて欲しいんですよね。
書きたい!
書きたくてたまらない!
書かずにはいられない!
そんな純粋な情熱を持って欲しいんですよね。
そういう気持ちが持てたら、その結果、不思議と腕がついてくるんです。
。。。。。。。。。
ああ、素晴らしいことを仰る。
だからこの先生について行きたいと思ったのでした。
ついつい目先の評価ばかりに捉われていました。
趣味の世界は模擬社会と言えます。
実社会とは少し距離があるかもしれません。
だからこそ、お客さんの立場だからこそ、余裕を持って姿勢を整えることが出来ます。
趣味に真剣な人は、自分に真剣な人です。仕事にも生活にも真剣であります。
年齢と共に趣味を持つ意味が変わってきました。
ひとつ形を作れたら、自分の目標にある程度達成したら、もうひとつチャレンジを広げてみても良いかもしれません。
新鮮な風を自分の中に取り込めるように思います。
新たな気持ちで呼吸して、またひとつ自分を大きく育てていく良い機会となりましょう。
よし庵も、これから新たなプログラムを立ち上げる予定です。
皆さまと共に豊かな時間を持てますよう、準備を進めております。
どうぞお楽しみにお待ちくださいませ😊
●名古屋帯・テーブル着付けvol.1
私の帯結びはテーブルを使うので
『テーブル着付け』
と名づけました。
テーブルの上で帯を作って、
テーブルを使って帯を結んでいきます。
今日は帯を作るところまで説明します。
でもその前に…
前回のブログで説明した『秘密の紐』の補足を2ついたします。
❶短冊状に切ったA4ファイルは、全ての角を切り落として丸くしておきます。
ファイルの角は鋭いので、紐の布を突き破って帯を傷付ける可能性があります。
残らず全部丸くしてから紐に入れて作れば安心です。
❷秘密の紐は二本作ります。
二本の紐の長さを変えておきます。二本それぞれに用途が異なりますため、着付け時に識別できるようにします。
紐の色を変えても良いと思います。
私は同じ色にしてしまったので、長さを変えました。
長い方は帯枕の紐と同じ長さにしておくと着付け時に便利です。
。。。。。。。。。。。。。。
では名古屋帯をテーブルで作っていきましょう💁♀️
《テーブル着付け・名古屋帯》
①名古屋帯の『たれ』を作る。
たれ先から人差し指分のところで屏風畳みにする。
この時に帯柄を確認して連続するようにし、小さめのピンチで留めておく。
②下の写真は帯布を手前にぐるっと返したところ。
③屏風畳みの中身はこのように筒状になっている。
ここに『秘密の紐・1号』を入れる。短い方を入れると着付け時にわかりやすい。
④『秘密の紐・1号』を上から見た図
⑤ここに『まどか帯止め』を噛ませる。ピンチがついているので固定出来る。
⑥『まどか帯止め』に帯枕を乗せる
⑦帯枕の上に『秘密の紐・2号』を乗せる。2号は紐の長い方。
2号の紐の長さは、帯枕の紐の長さと合わせておくと、着付け時に便利。
⑧ここに帯揚げをかぶせていく。
オムライスのように全てを包み込む。
『秘密の紐・1号』までしっかりと包み込む。
(これが見えていると完成時に悲しい思いをする😢)
⑨中身が全部できたら、手前に寄せていた帯布を向こうに返していく。オムライス帯揚げを帯布で巻き込んだら、大きめのピンチで全部止める。
イメージは『バナナオムレット』
これで帯作りは完成!
。。。。。。。。。。。。
いかがでしょう。
テーブルで落ち着いて帯を作れば柄合わせも簡単です。
一番綺麗に見える面を整えることが出来ます。
私はここまでを前日に仕上げておいて、朝に着付けをしています。
結ぶ時間は7〜8分。
結んでいる姿は動画にまとめる予定です。
以前にアップした動画もありますが、今の方が慣れていると思うので、再度作成しようと思っています。
皆さまの着付けライフに、参考にしていただけましたら嬉しいです😊🤲
●帯山の綺麗なカーブ
帯山の綺麗なカーブ
まるで芯でも入っているような…
そう、入っているんです!芯が。
ということで帯山の綺麗なカーブを作る秘密の紐をお教えします。
《秘密の紐の作り方》。。。。
A4ファイルで作ります📂
A4ファイルの横幅が、帯の幅と一致するのです。
①A4ファイルを横方向に短冊状に切ります。
お手持ちの紐の横幅よりも➖2mmに切っていきます✂️
どんな紐でも大丈夫です。
写真の真ん中の紐は、よくお店で見かける毛100%の腰ひもです。
横幅が4.5cmでした。
➖2mmということで、4.3cmに切っていきます。
②A4ファイルの縦幅は22cmでした。
22cm➗4.3cm🟰5
私の紐ですと短冊が5本取れました。
③紐の端を切り落とし、筒状にします。その中に前述の短冊状ファイルを5本重ねて入れていきます。
④紐の真ん中に短冊ファイルが来るように調整し、中身のファイルが動かないように両側を糸で縫い止めます。
これで完成!
。。。。。。。。。。
この紐を2本ご用意いただき、綺麗な帯山を作っていきます。
ところで私の帯の締め方は、まず先に形を作っていき、その後に鏡を見ながら締めていく、という方法にしています。
この方法に変えたことでじっくりと帯の柄と向かい合うことができます。
次のブログで帯の作り方を写真入りで説明します。
ちょいとお待ちを!
●帯山を高くキープ『まどか帯止』
どうも最近の位置が決まらないのよねぇ…🤔
帯位置をオトナ仕様に変えて、ややもすると悩むようになりました。
。。。。。。。。。。
私の中でのオトナ帯位置
●正面から見た時に帯の位置はやや低め
・帯の下線:おへその5cm下
下腹をカバー
●後ろから見た時の帯の位置
・帯山:みぞおちの真裏の位置
・たれの下線:お尻の山の頂上
。。。。。。。。。。
『年齢と共に帯の位置は少し下げる方がよろしい』
という感覚が世の中にあります。
若いころには検討もつかず
『そうかしら?』
と懐疑的でした。
でも自分がいざその年齢になってみると合点がいきました。
理由には
・ネガティブなもの
・ポジティブなもの
の両方が考えられます。
・・・・・・・・・・
《🔵ネガティブな理由》
体型の崩れを隠すため
《🔴ポジティブな理由》
上半身をたっぷり見せることでリッチな感じを演出するため
・・・・・・・・・・
《🔵ネガティブな理由》
体型の崩れを隠すため
体型の崩れは人さまざまですが、多くの場合は下腹のたるみ。
おへその真下あたりに楕円形状に皮下脂肪が付きやすくなります。私もそうです。
皮下脂肪さんに居心地が良いのか、何度お願いしてもお立ち退きいただけないご様子。
仕方がない。仲良くしていこう。
昨今、気持ちに折り合いをつけたところです。
しかし他人さまにボヨヨンとお見せするのはさすがに恥ずかしく、何とか帯で隠したいというのが本音です。
そのためにアラフィフから腰紐の位置を下げて、帯の下線も同時に下げるようにしました。
《🔴ポジティブな理由》
上半身を強調することでリッチな感じを演出するため
なだらかな丘のような上半身は、リッチな感じを相手に与えます。帯を下に締めることで呼吸が楽そうに見えるからでしょうか。
どうしても首周り・胸周りは脂肪が落ちやすいので、補正などを施して胸の厚みを作るとオトナの着姿を演出できます。
自信・貫禄・余裕
この3つは若い頃の自分が憧れるオトナの要素でした。
そりゃあ、若い方が肌も髪も、何もかも綺麗だけど…
そういう自然の摂理を超えた、努力でご自身を磨かれたオトナの女性に会ってみたいと、いつも心から思っていました。
いつかは自分もオトナ側に回るわけで、その時に自分の居るところが明るいところであってほしいと思っていたのでした。
・・・・・・・・・・・
ともかくも、帯位置を下に下げることとしたのであります。
しかし正面の帯位置を下げるのと同時に、後ろの帯山も連動して少し下がってしまいました。
『帯山は同じ高さに居てほしいのに💦』
よいしょ、よいしょ、と帯枕を上に押し上げてもいつの間にか下がってきてしまいます。
背面では、帯位置があまりに下がるとお尻が垂れた印象を与えるので老けてしまうのです。
正面は低く
背面は高く
この矛盾をどうにか両立出来ないものかと悩んでいました。
そんな時に見つけたのが
『まどか帯止』
でした。
帯枕の椅子のような感じです。
クリップで土台に止めて、帯枕の椅子を作るので、帯山の高い位置を確実にキープ出来ます。
ちょこんと『まどか帯止』に乗った帯枕、なんか可愛い。
この方法で着付けた姿が下記の通りです。
帯山を高くキープ出来るようになりました。
この一番の利点が…
●お尻を小さく見せる
こととなります。
。。。。。。。。。。
帯山を高くキープ
↓
たれの下線も高くキープ
↓
お尻の一番高い位置(頂上)にたれの下線が来る
↓
相対的にお尻が小さく見える
。。。。。。。。。。
たれの下線は、
●お尻の頂上がベストポジション
と考えております。
たれの下線が
・お尻の頂上よりも高い位置になると、その真下の丸いお尻がドーンと強調されてしまうし、
・お尻の頂上よりも低い位置になると、お尻はすっぽりと隠れるけれど疲れたような老け込んだような印象になります。
定規で測れば約2cmの差。
この差で印象が変わってしまうのですね。
『まどか帯止』にはクリップ有りと、クリップ無しの2種類があります。私はクリップ有りが使いやすく感じました。
皆さまの着付けライフに少しでも参考になれば幸いです😊👘