講師(宗夜)ブログ
●ウルトラの母
『形がウルトラの母に似てますよね?』
貴人清次のお点前のときの千鳥茶巾の話です。
私は生徒さまに畳み方をお教えするときに、いつもこのように言います。
『そ……うですね。何…となく…』
にわかに同意しかねるが、ここは講師の顔を立てておこうという大人のご配慮。
皆さま非常にお優しい。
それが!ついに!
平成女子来たる。
『ウルトラの母って何ですか?』
『え⁉️』たじろぐ私。
『ウルトラの母をご存じない?』
『分かりません』
(しょうがないなぁ…)
『ウルトラの母は、ウルトラマンファミリーのお母さんです。地球の平和を守っていた偉大なるファミリーのお母さんなんですよ。』
『はぁ…』
『では畳みましょう』
畳み方は宗嘉先生の動画をご覧ください↓
https://www.youtube.com/watch?v=eIAMadKsK28
『ほらね、ウルトラの母。って知らないのか💧』
『ワンコ🐶みたいですね』
『あー、確かに』
『私にはクレヨンしんちゃんの犬のシロに見えます』
それを言うなら…
〈うちのタマ知りませんか?〉の隣の家のポチでしょう、とツッコミを入れたいところでしたが、これはもっと分かってもらえないと思って断念。
お稽古前の水屋での会話です。
茶道とは何の関係もないように思われますが、このような会話をしていると生徒さまの覚えがとても良くなるのです。
ウルトラの母でも、ワンコ🐶のシロでも、どちらでも良いけれど、楽しく会話をしてお稽古をすると記憶の結びつきが強くなるように思います。
無機質な情報に、楽しいという色が入ることで、記憶を引き出すキーワードがひとつ増えるからだと思われます。
一見どうでも良い、関係のない話だからこそ、意外性が発揮され、更に笑い合うことでキーワードの効果が強くなるのかも知れません。
子どもに勉強を教えていた時、人間の脳や、身体の能力は本当に興味深いなぁと思いました。
当時は悩んで悩んで…。
鬼ババみたいに怒って怒鳴って…。
でも一緒に勉強して結構楽しい時もあって。
ん?青春?
あ、これ青春かも。
『いやー、あれは役に立った。今でも役に立ってる。』
大学生になった時にポロリと子どもから出た言葉でした。
あの時は訳が分からなかったけど、じわじわ後から効いてきたと言っていました。
詰め込み教育はダメだとか、色々な情報が飛び交うけれど、楽しいという気持ちが所々にあれば、それも立派な教育法ではないかと思います。
『なかなか覚えられない』
という生徒さまもいらっしゃるのですが、
まぁまぁそう言わず。
どんなことでも良いので、何か楽しいキーワードを見つけていただければグッと面白くなると思います😊