講師(宗夜)ブログ
●腰紐の位置
着付けにおいて、腰紐の位置はとても重要です。
この位置により、印象がガラリと変わってしまうからです。
腰紐の位置はその方に合わせてアドバイスしていますが、大きく分けて2種類です。
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《腰紐の起点》
★30代くらいの生徒さま:寛骨よりも3㎝上
★50代くらいの生徒さま:寛骨の真上
《帯の上線》
★30代くらいの生徒さま:みぞおちより2㎝下
★50代くらいの生徒さま:みぞおちより5㎝下
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年齢によって変えている理由は、お顔の表情も含め全体のバランスを整えるため。
40代が抜けていますけれど、これは近い方の年代に合わせます。
40代前半なら30代寄り、後半なら50代寄りといった具合です。
腰紐の位置が変わるということは、帯の位置も変わるということになります。
たった3㎝の差なのに、印象の違いは明らかです。
帯の位置によって醸し出すオーラが変わります。
30代は着物姿にも若さをを出したい年代。
この帯の位置で出るオーラは『生徒オーラ』です。
20代ほどではないにしろまだ弾ける若さを30代は持っています。
弾けていて良いと思うんです。
大人の文化の入り口に立った年代です。
社会的にも、主戦力として認められてくる年代でしょう。
でもちょっと生意気(かもね💦) 生意気でも良い、それが許される年代だから。
様々なことをどんどん吸収して自分の核となるものをしっかりと作っていってほしいです。
50代はグッと落ち着きたい年代。 帯は下気味に締めます。
50代で未だ生意気なままでは困ります。
もうそれは40代で10年かけて卒業したい感じ。
ところが生意気を卒業するのは簡単ではありません。
40代が『不惑』なんてウソウソ👋 大いに惑います。
惑って惑った末に何となく気持ちが落ち着いてくるような感じです。
そんな50代の皆さまには『先生オーラ』を醸し出してほしいと私たちは思っています。
たとえ先生でなくとも、まだ惑っている最中だとしても『先生オーラ』を出して欲しいのです。
おへそを覆うようにしっかりと下気味に帯を締めると、気持ちも引き締まり『先生オーラ』が出てきます。帯の下線が丹田というツボの真上に来るからかもしれません。
この下気味に締める帯の位置。
実は少し苦しいんです。
だから無理強いはしておりません。
この位置は体の動きがかなり制限されます。
垂直に立って、垂直に座る所作が出来ないと、動くたびに呼吸が苦しくなります。
苦しいのと引き換えにオーラが上がります。
そして歩き方が綺麗になり貫禄が出てきます。
重心が自然と背中心で取れるようになり、同時に下腹も引き締めることが出来るからだと思われます。
着物って不思議だなぁと思います。
精神とこんなに強く結びついた衣装があるでしょうか?
少々めんどくさい民族衣装だと思います。
ルールがあるようで無いようなところもあるし。
めんどくさいんだけど、面白い。
ついつい考えちゃう。
ん?なにこの感じ…。
恋⁉️