講師(宗夜)ブログ
●3/26(日)源氏物語茶事ご報告
3/26(日)源氏物語茶事が開催されました。
総勢8名さま。
この度初めて顔を合わせる方々も多く、待合での自己紹介は大いに盛り上がりました。今回が初めての茶事経験となる方々も多かったのでした。
お点前は経験豊富な生徒さまにお願いしておりました。
『久しぶりの続きお薄で、あまり自信がなくて。どうか皆さまのお力添えをお願いしたく…』
と仰ったところで
『た、助けられない…』
と、入門されて1年未満の生徒さまが仰ってドッと笑いが起き、この一言でみんな心から安堵した様子でした。
(私だけじゃなかった。良かったー🤭)
『みんなで助け合って楽しみましょう😊』
と結束しました。
みんなで頂く茶懐石料理の味は最高でした✨
《茶懐石料理のメニュー》
向附・・あじのみどり酢和え
煮物椀・・粟麩のオランダ煮 ほたるいか ふき
預鉢・・海老とうどのアボカド和え
焼物・・鰆の木の芽焼き
汁・・とろろ昆布の吸い物
菓子・・道明寺桜もち
特に皆さまからご好評いただいたのが、鰆の木の芽焼きです。
ふっくらと柔らかい鰆は、ほんのり塩味。
木の芽の香りが口いっぱいに広がります。
そして和菓子は桜道明寺🌸
桜あんを中に納めた道明寺です。
道明寺粉のつぶつぶの大きさが絶妙でした!
つぶにより生まれる食感のリズム。
桜あんと相まって春のハーモニーを奏でます。
その後に千鳥の盃。
茶懐石のハイライトと言えましょう。
よし庵ではお酒を供することはいたしておりません。形だけとさせていただき、作法の説明と共に宗嘉先生が燗鍋を持って回ります。
その後、しつらいの拝見を経て腰掛け待合に下がり、炭手前、続きお薄のお点前となりました。
よし庵ではお膳をゆっくり召し上がっていただきたいという配慮から、炭手前は続きお薄の直前とさせていただいております。
この会では炭手前の立候補がございませんでしたため、宗夜がいたしました。
そしていよいよ、生徒さまによる続きお薄のお点前となりました。
お正客もお次客も、茶事が初めての生徒さまでした。お二方とも、とても緊張なさったとのことですが誠実なお人柄が滲み出ていて、茶室全体が優しい雰囲気に包まれました。
生徒さま同士が教え合って助け合って温かい茶事となりました。
初級の生徒さまのお隣にいらした中級の生徒さまが、
『ここで干菓子を召し上がると良いですよ』
とアドバイスくださり、お菓子を取る作法も同時に教えてくださっていました。
宗夜はどうしても水屋から離れるわけにいかなかったため本当に助かりました。
お点前を終え、送りつけのご挨拶にて…
皆さま口を揃えて、先輩生徒様の続きお薄のお点前の素晴らしさを述べられておられました。
『あんな風に自分もお点前をしたい…』
先輩の美しい所作と優しさ溢れるお点前に心打たれたとのこと。
先輩の方も、後輩生徒さまの心の清らかさに触れ、同じように感動されたご様子でした。
しつらいの拝見を終えて、もう一度広間にお集まりいただき、宗嘉先生の源氏物語のお話を楽しみました。
平安時代のお茶と、平安時代の和菓子。
光源氏、夕顔、六条の御息所、葵の上、若紫…
(ああ、私にも似たようなところあるかも…)
宗嘉先生が本当に伝えたいのは、男女の恋愛を超えた、女性としての美しい生き方。
反省してほしいわけではなく、ガツガツと前のめりになってほしいわけでもなく、もちろん無気力になってほしいわけでもなく…
1000年前の女性のモデルを解説することで外側から自分を見つめられたら、それでもう悩みは半分解決したようなものだと言います。
湘南藤沢、弥生の末の昼下がり。
午前中はしっとりと雨模様で始まったお茶事も、午後には晴れ間が差して参りました。
皆さまのお顔も晴れやかで、共に時間を過ごせたことに幸せな気持ちでいっぱいになりました。
皆さまご参加ありがとうございました。