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2023 / 07 / 29  05:00

中小企業が従業員満足度を向上させる方法について教えてください。

 

 

「優秀な人材がなかなか定着せず、従業員の生産性も上がりません。中小企業が従業員満足度を向上させる方法について教えてください」

回答

従業員満足度が高い企業(職場)には、次の五つの特徴が共通するといわれています

「企業のビジョン・経営理念への共感度が高い」

「人事制度・評価制度に対する信頼感がある」

「自身の仕事が与える影響が可視化されている」

「人間関係にストレスがない職場環境の整備に努めている」

「業務内容に応じた就業規則や福利厚生が整備されている」

まずはこの五つについて、自社の現状を把握することから始めてみてはいかがでしょうか。

従業員満足度向上への取り組みは、業績面にも好影響

ご存知の通り、近年、日本の労働力人口は減少傾向にあり、かつてのように「辞めたらまた雇えばいい」という考え方は通用しなくなりました。中でも各企業の推進力となるような優秀な人材の価値は日に日に高まっています。そのような人材が集まり、また長く定着してくれる企業になるには、従業員が満足できる職場環境を整えていく必要があるでしょう。従業員満足度が高い企業は、生産性や顧客対応への意欲も高いという傾向があり、業績面にもプラスに働くことがわかってきています。つまり、従業員満足度向上へ向けた取り組みは、人材面に課題を抱える企業だけでなく、どんな企業にとっても有効といえるでしょう。

そんな従業員満足度の高い企業に共通するのが、先に挙げた五つの特徴になります。の「企業のビジョン・経営理念への共感度」が高いほど、自分の仕事と自社に対する誇りや信頼度が高まり、能動的に行動する社員が育ちやすくなります。そのためには、経営層がビジョンや理念をわかりやすい言葉で発信し続けることが大切です。「人事制度・評価制度に対する信頼感」が高いと、「この会社で働いても大丈夫だ」という会社に対する信頼の獲得に直結します。役職と権限が適正に貸与され、自身の行動や成果に対する評価が納得できる制度は、従業員の労働意欲を高めるために必要な要素といえます。

「自身の仕事が与える影響の可視化」に関しては、会社に対する貢献度に加え、社会への影響などまで実感できるようになると、さらに従業員のモチベーションは高まります。また、「人間関係にストレスのない職場環境の整備」に努めることは、昨今の離職理由の一因として問題視されているハラスメントの抑止につながり、「業務内容に応じた就業規則や福利厚生の整備」が適切になされていることで、ワークライフバランスが達成しやすくなり、従業員の離職率低下、定着率向上が期待できるわけです。

繰り返しになりますが、まずはこのの現状を把握することが、従業員満足度の高い企業へのファーストステップとなるでしょう。

 

「報連相」「役職と職務」「責任と権限」の適正化を

当然、五つの現状を把握する中で見つかった課題に対処していくのが次のステップです。ただ、その課題解決に投入できる予算が限られている場合、新たな施策を追加するのではなく、従業員満足度を低下させている要因を排除することを考えるといいと思います。そのプロセスにおいて「報連相」「役職と職務」「責任と権限」という3点の適正化が欠かせません。

日本のビジネスシーンでよく耳にする「報連相」ですが、そもそもは、どんな社員でも容易に報告・連絡・相談が行える風通しの良い職場環境を作るための手段として考えられたものです。しかし現代の企業においては、このような本来の目的を離れ、部下を自分に従わせるための手段として使われているケースが目立つように思います。誤った方法での報連相の推進は、従業員満足度を低下させる要因になりかねません。そのような場合、本来の目的を達成する方法を再検討するか、あるいは「報連相」のルール自体の廃止も検討するべきでしょう。

また、役職が上だから、職歴が長いからといって、職務以外のことに干渉するのはハラスメントの温床になります。そのようなリスクを未然に防ぐためにも、役職と職務の責任を明確に定義した上で、適切な権限(裁量権)を与えることが大切です。権限は限定的なのに責任だけ重いようだと就業意欲は低下しますから、権限と責任のバランスの適正化に努めましょう。

まずはこのように施策の「追加ではなく排除」という対策からはじめ、その効果を確認しながら次の施策を検討していくのが効果的かもしれません。

情報取得が容易な時代に、従業員に選ばれる企業になるには

ここまで説明したようなステップを踏み、実際に従業員満足度の向上につなげた企業は多数あります。例えば、戦後まもなく創業したあるビル施設管理会社では、昭和の雰囲気を強く残す古き良き企業として500人ほどの社員数を抱えながらも、近年は「離職率の高さ」と「新卒・中途採用社員の定着率の悪さ」に悩まされていました。この状況を改善するため、社内の従業員満足度を低下させている要因を調査した結果、「社歴の長いベテラン社員の発言権が強いこと」「役職と職務、責任と権限が曖昧になっていること」「新卒・中途採用社員とベテランの間に業務感覚のズレが生じていること」といった課題が見つかりました。この課題解決に向け「交通費および少額経費精算をワークフロー化する」という具体的な施策を打ち出し、その承認ルートを整備するために「役職と職務」「責任と権限」を適正化したほか、それまでの「報連相」に代わってワークフローシステムに業務報告機能を追加しました。このような対策により、離職率は早くも低下傾向を見せ始めているといいます。今後はこのワークフローシステムに情報発信機能も追加し、企業のビジョンや経営理念も発信していくことで、さらなる従業員満足度の向上を図っていくとしています。

各種SNSや動画配信サイトなどによる情報発信が盛んな今の時代、従業員も手軽に多くの情報を取得できるようになり、他社と比較することも容易になりました。同業種・業態の中では、給与面に大きな差がないことについて従業員側も把握しています。そのような中で従業員に選ばれ続けるためには、「労働環境の充実による従業員満足度の向上」への取り組みは不可欠といえるでしょう。自社の業種・業態や業務構造、収益構造、取引先や顧客などの関係を正しく捉えた上で、まずはどんな企業でも取り組みやすい「従業員満足度を低下させている要因の排除」から始めてみる。そのようにして従業員満足度を高めていけば、離職率の低下や定着率の向上はもちろん、業績アップや企業価値の向上も期待できるのではないでしょうか。

2024.05.28 Tuesday