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2023 / 07 / 27  05:00

【インボイス制度】免税事業者から課税事業者になった場合、消費税の計算期間はいつから?計算方法は?適格請求書発行事業者の登録申請について税理士に聞いてみた

 

 

 

インボイス制度の影響を受け、免税事業者から課税事業者になると、今までなかった「消費税の申告・納付」が必要になります。では、いつからいつまでが消費税の計算期間なのか。それは「いつ課税事業者になったか」によって異なります。

インボイス制度が及ぼす影響、適格請求書発行事業者の登録申請をしたらいつから課税事業者になるのか、消費税の計算方法などを、未来会計FAMZ 代表の岡崎 純也さんに伺いました。

インボイス制度の影響を受け、免税事業者から課税事業者になった場合、いつからいつまでの消費税を計算・申告納付する必要があるのでしょうか。

2023101日から課税事業者となるなら、個人事業主の2023年分の消費税は2023101日~1231日の3か月分が計算期間になります。2024331日までにその3か月分の消費税の申告と納付をします。2024年以降は所得税と同じく消費税も11日~1231日が計算期間になります。法人は2023101日から期末までが計算期間です。期末の翌日から2か月以内に申告・納付を行います。

2023101日より後に課税事業者になる際は、通常どおり消費税課税事業者選択届出書を提出する必要があります。このケースでは翌期から消費税が発生します。

2023930日までに登録申請すれば、消費税課税事業者選択届出書を提出しなくても2023101日から課税事業者になることができるのですが、逆に、この登録期間中に消費税課税事業者選択届出書を出すと、翌期から課税事業者となり消費税が発生します。

インボイス制度の適用を受けるために課税事業者になりたいが、できるだけ消費税の免税期間を長くしたいという方は、登録申請期間中に消費税課税事業者選択届出書を提出しないよう、注意してください。

消費税の課税方法には原則課税と簡易課税がありますが、新たに課税事業者になったらどちらで計算すればよいのでしょうか。

原則課税と簡易課税はどちらの選択をするかによって税額が変わるので、有利な税額になる方を選択するとよいです。これは実際に計算して、どちらが有利かを判断するしかありません。

原則課税は、預かった消費税と支払った消費税の差額を納付する方法なので、例えば1,100円が預かった消費税で600円が支払った消費税であれば、差額の500円を納付することになります。取引量が多くなればなるほど、計算量も多くなり手間がかかります。

簡易課税は、小規模な事業者(基準期間の課税売上高が5,000万円以下の事業者)が「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出することで、適用できます。業種ごとに仕入税額控除ができる割合が決まっていて、売上金額にその割合をかけて計算します。支払い分の消費税を計算しなくてもよいという点で簡易的な方法といえます。

ただし、仕入税額控除できる割合が業種ごとに区分されているといっても1つの会社について1つの業種と決まっているのではなく、1つの会社のこの取引は1の区分の業種、別の取引は3の区分の業種というように、取引ごとに業種が決まります。

例えば、中古車販売の会社があるとすると、車を購入して売ることになるわけですが、売る相手先が業者なのか個人なのかで区分が違います。さらに、自動車保険の代理店をやっていて手数料収入があるとなると、売る相手先により手数料収入も区分する必要があります。

このように取引の相手にさまざまな区分の業種があると、原則課税より簡易課税を選択する方が複雑になる可能性もあります。

通常は、消費税簡易課税制度選択届出書は、課税期間の始まる前日までに提出する必要があり、消費税の申告時に提出すると原則課税のままになってしまいますが、インボイス制度の開始時には特例があります。免税事業者が登録期間内に登録して課税事業者となる場合は、消費税簡易課税制度選択届出書をその課税期間中、つまり20231231日までに提出すれば、簡易課税制度を適用することができます。

初めて消費税の計算を行うのは大変そうですが、消費税計算のポイントや消費税申告の際の注意点を教えてください。

まず、会計ソフトを利用していない場合には、計算やチェックに非常に手間がかかりますので、おすすめできません。

そのうえで会計ソフトの入力時の注意点ですが、消費税の計算では仕訳の入力時に、消費税の対象かどうかを自分で判断しなければなりません。例えば接待交際費は、店で飲食をすると消費税の対象になりますが、お祝い金を現金で払うと消費税の対象にはなりません。消費税の対象となるかどうかの判断は、会計ソフトの勘定科目にひも付けられた自動入力だけでは完結しないので、自分で必ず確認しましょう

次に、消費税の納税についての注意点です。免税事業者が課税事業者になると、新たに消費税の納税義務が生じ、今までは必要なかった納税資金が必要になります。このことを念頭におかないと、いざ納税するときにお金が足りなくて困る、ということになりかねません。

例えば55万円の売上があったとして、今までは55万円の全額を収入として考えることができたわけですが、課税事業者になると5万円は預かった消費税のため、仮に仕入税額控除できる割合が50%だとすると、25,000円については納税資金と考える必要があります。この25,000円は、納税資金用の口座を作り預けるなどの方法で、消費税の納税に備えるとよいでしょう。

消費税の納税が遅れると、延滞税などのペナルティがかかります。どうしても遅れそうな場合には、事前に税理士に相談していただければ、税務署との交渉の場に付き添うことが可能です。

一度登録事業者になったものの、やはり消費税の納税が大変なので登録を取り消したいと思ったら、どうすればよいのでしょうか。

適格請求書発行事業者の登録を取り消す際は、「適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書」を税務署に提出することで、提出した日の翌課税期間から、登録事業者でなくなります。課税事業者から免税事業者になるためには「消費税の納税義務者でなくなった旨の届出書」の提出も必要です。

ただ、課税事業者のまま単に適格請求書の発行をしたくないだけであれば、その発行を行わなければよいだけなので、あえて登録を取り消す必要はないかと考えられますが、あまり想定されないパターンですね。

所得税の確定申告は自力で行い、消費税の申告だけ税理士に依頼することは可能でしょうか。

クラウドで会計ソフトを共有していたり、同じ会計ソフトを使っていてデータを見られる場合は、消費税コードのチェックや訂正などをすることはできます。しかし、所得税の計算は、消費税の計算があった上でのものです。既に所得税の計算が終わった後で消費税のチェックと訂正をすることはできず、消費税の集計だけを行うことは厳しいでしょう

2024.05.02 Thursday