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団体客から転換 愛犬家を取り込み単価改善
中小企業向けに事業承継のための参考になる記事がありましたので掲載します。
やはりペットは今後のキーワードですね
うちにも「空室で困ったらペット付きアパート」どうですか?という提案があります
かつて1室だけ入居してもらいましたが、チワワでほんとによく吠えて、近所迷惑になり隣の部屋が退去してしまいました
それ以来ペットはお断りにしています
猫ならいいかな???
事業承継・コロナ禍の宿泊業(4)伊豆長岡温泉八の坊専務 望月敬太氏
私の実家は静岡県伊豆の国市の温泉郷である長岡で1世紀超の歴史を誇る旅館。餅つきは年始の恒例行事でした。
当時、私は大手電機メーカーの営業でしたが「何か役に立ちたい」と考えた。
そこで街の旅館や商店の後継ぎに声をかけ、餅つき大会を開催。長岡を盛り上げる「長盛隊」も組織して定期的にイベントを打ちました。
そのうち家業や長岡の振興に関わりたいと願うようになりました。ただ会社員との二足のわらじでは難しい。
そこで15年に退職して実家に戻ります。風呂洗いから調理場、フロントまで全業務を一から勉強しました。
旅館の仕事にやりがいを感じる一方、歯がゆさもありました。宿泊客は研修旅行やゼミ合宿など団体が多く、接客が機械的になりがちだったのです。
従業員もモチベーションを持ちづらい様子でした。私自身、旅行業者に名刺やパンフレットを配るだけの営業は物足りなかった。
19年に専務に就くと、旅館の将来を考えるため各部署から選抜メンバーを集めた「Runner会」を立ち上げました。
料理長やフロント係など集まった6人の従業員に、最も仕事が楽しい瞬間を聞くと「犬好きのお客様を接客している時」との声が。
犬連れ客は以前から受け入れていましたが、従業員の意見を参考に「愛犬家向けの旅館に変わろう」と決意しました。
まず手掛けたのは愛犬家に満足してもらえる部屋づくりです。ペットが走り回れるよう壁を壊して2部屋をつなげ、ひっかいたり粗相をしたりしても問題ない建材を使った大きな客室に改装しました。
ペットが入れる露天風呂も設けました。
接客品質の向上にも注力しました。食事のスピードにあわせて1品ずつ料理を提供するおもてなしを従業員に徹底してもらったのです。
団体客への対応が中心だった従業員は事前に配膳する手法に慣れており、最初はタイミング良く料理をお出しする接客が難しかったようです。少しずつ経験を積んで慣れていきました。
様々な施策の結果、新型コロナウイルス禍の渦中でも宿泊客が足を運んでくれました。改装後の料金は従来の約4倍。決して安くはないですが、稼働率は9割を超えました。
今や個人で宿泊を申し込む客が主体です。旅館のリピーター率は一般的に数%といわれますが、18%を確保できるようになりました。
24年の夏ごろには、社長に就任する予定です。今後は「イヌバウンド」と銘打って海外からも愛犬家を集客したいと考えています。
目下のターゲットはペット大国のフランス。インターネット広告などを活用して積極的に告知していきます。