ブログ 月曜日 更新

2022-02-28 11:29:00

54 教育現場のカゲとヒカリ⑥  「音が苦」から「音楽」へ その1

ピアノが弾けない私アクトは音楽の授業が、・・・・

初任から7年間は養護学校で、複数担任で、得意な先生が弾いてくれていました。次は、高学年担任で、音楽は授業は低学年の先生が持ってくれていました。いよいよ誰も音楽を助けてくれない。困りました。その頃助けてくれたのが、KAWAI楽器が出してくれている「スコアメーカー」です。

楽譜をスキャンするだけで、それを音楽データーに変換してくれます。カラオケマシーンのように、テンポや音程を変えること、打楽器のパートだけ再生して歌うこと(アカペラ練習)など、いろいろできるので、音楽もそれなりに授業できるようになりました。

 

ある年、支援学級の担任となりました。音楽と体育はその学年の子ども達と一緒の授業でした。校長から呼び出しがありました。〇〇先生の代わりに音楽の授業をしてくれないかとの依頼です。PCと「スコアメーカー」を使えばできますが、

 

「ピアノは弾けない、PCや「スコアメーカー」など特殊なものは使わず、音楽の授業ができないか」

 と考え以下のような授業をした結果、子ども達からの高評価を得ました。

 

〇〇先生は日によって,リコーダから始めたり,歌から始めたり,準備の遅い子がいると,指摘するのでそれだけで雰囲気が悪くなります。それを反面教師として。

音楽も定食方式で,だいたい15分ずつ

リコーダー→音楽マッキーノ→歌

 リコーダー

イージーエイトを中心に教科書のものを演奏。音楽を受け持った時,タンギングがほとんど全員できていないので,給食の持ち時間に教えた。運指は子どもは勝手に覚えるので,タンギングをしっかり教える。

 音楽マッキーノ

音符や音楽の記号をマッキーノで覚えてもらった。ご褒美は担任でないので「宿題なし券」は出せないので「鼈甲飴(べっこうあめ)券」にした。教科書の後ろに乗っている音楽記号で,マッキーノとしては14リストで3×39マスで実施した。

 

教科書のほかに歌ったのは「エール」(いきものがかり)「栄光の架け橋」(ゆず)「日本列島どっこいしょ」。伴奏はできないので,CDをかけてお願いして歌ってもらう。

2022_0222_うたうたう.png

これらの方法が可能となるのは、やはり子どもとのなかよし度が関係する。

 

 

 

2022-02-21 08:03:00

53 教育現場のカゲとヒカリ⑤

大学出てから、辞めるまで30年以上、教師をしてきました。いろんな先生がいましたが、すごい方でした。〇〇先生としておきましょう。

その先生の評判は、他校にいても、実践が素晴らしい、その先生が持つとクラスの成績が上がる、地域の保護者の信頼もすごく得ているなど、とても芳しいものばかりでした。ある年その先生と同じ学校になりました。

 

夏休みに学力に関する研修がありました。データーとして出されるものは、(当時は4年6年は4月に府の学力診断テスト、1~6年は2月に行うCRTというテスト)2つのテストのデーターが出てきました。確かに、〇〇先生の持ったクラスは、府平均や全国平均を10点以上、上回っていました。

 

それから1・2年後。私アクトは4月に行われる府の学力診断テストの校内採点の係になりました。基本マークシートなのですが、国語の漢字・短作文、算数の作図・作問などは採点基準に基づいて担当者が採点してその結果をマークシートに記入することになっていました。小さな学校ですので、誰がどの様な解答をしていたかは、丸つけをすれば、大体は覚えられます。

 

土曜日の夕暮れ(その頃は、平日は定時に帰っていたので、土曜日に次の週の授業の準備をしていました。)、その先生が見たことがある紙袋を持っていました。杜撰な話ですが、当時は、鍵のかからないロッカーに府の教育委員会に提出する前の学力診断テストが入っていました。その紙袋を持っておられたのです。教室に行き、その先生が帰られるのを見届けて、職員室に戻りました。ロッカーから紙袋を出して見ると、鉛筆書きの解答用紙に書き換えられたあと、まして採点もしたのですから、違いははっきりわかります。校長には告げずに、その地域での教育の重鎮に相談しました。

 

「枡田、見逃してやってくれ。〇〇先生で、お前の学校がもっとるのはわかるだろ」

 

確かにその先生が校長より学校運営の重要人物であることは認めていましたので、基本的には口を閉ざしていました。学校での立場、地域での立場を維持するには、教師の本業である「学力をつけている証拠」として学力テストの改竄(かいざん)必要だったのでしょう。

 

先生によって違うとは思いますが、学力テストというものは教育界に大きな影響を与えているのも事実です。以前にも書きましたが、人数の少ない学校でも、一人によって平均が大きく変わる学校でも、府平均より1点でも悪ければ、教育委員会は授業改善の提出を求めてきますし、反対に良ければ前年度の取り組みがどうだったのかを報告してほしいなど、どーでもいい理由を付けて、多忙化に拍車をかけていました。今はどうかは知りませんが、・・・(ああ、無情) 

 

 

 

2022-02-14 05:20:00

52 教育現場のカゲとヒカリ④

前回のブログに書いた状況で次の学校へ行ったもんですから、すごいことになります。札付きの問題教師暴力教師、尾びれ背びれが付いてセクハラ教師悪の代名詞はすべてもらったようなものです。〇年担任となったので、〇年生の親は蜂の巣をつついたような騒ぎだった聞いています。4月は、毎時間、管理職、教務主任が交代で教室の後ろにいました。親からの要望で、見張っていたというわけです。

 

授業さえさせてもらえれば、こちらには、楽しく学ぶツールとして、毎日の漢字マッキーノ、実物視教(教科書にあるようなものはできるだけ実物を提示して、イメージを持たせる)、仮説実験授業研究会で学んだノウハウ、数学教育協議会で学んだ算数理論などがあるわけですから、子どもは喜び賢くなっていくことを実感します。また、前担任との違いもいろいろ言ってくるようになります。

 

4月の初めての参観日は大入り満員でした。参観後、親との初顔合わせの懇談がありました。大人は難しいです。「今は仮の姿で、そのうちにぼろが出てくる」「家庭訪問はしないでほしい」「子どもはだませても、私たち親は、だまされない」黙って聞いているしかありませんでした。

担任をして初めて「家庭訪問なし」を体験しました。5月になれば運動会があり、他学年と一緒の取り組みもあります。他の学年の子どももまとわりついてくるようになりましたが、運動会では多分、多くの親に後ろ指をさされていたと思います。

 

子どもが休めば、次の日の連絡のためにその子どもの家に行きました。玄関に図工で作った作品が飾ってありました。夏休みには、地域のラジヲ体操にも頻繁に参加をしました。

 

 

2学期に学習発表会があり、私のクラスの劇が評判になりました。今学習発表会で劇を取り組むクラスは少なくなっています。大道具、小道具、衣装、脚本を用意し、練習時間も多くかかるからです。このころには、親も4月のことをとやかく言う人はほとんどいなくなっていたように思います。超マイナスからのスタートでしたが、1年過ぎれば、子どもとも親御さんともそれなりの関係が築けました。めでたし、めでたし。

 

IMG_0981.png 

 

4年前(2017年)にアクト塾を始めました。月謝は今の10倍から20倍でしたが、その塾に来てくれていたのは、ほとんどその学校の子どもさんたちでした。今の塾にも、何人か来てくれています。

 

 

 

 

話は全く変わりますが、

今日はバレンタインデー私アクトには無縁のものとなりました。最近は自分のご褒美にチョコを買う人が増えている。また、自分へのご褒美にごちそうを食べる人も多いと聞きます。日本人は褒めることが下手だとも国際的にはいわれています。

いまから20数年前。アトランタオリンピックでマラソンでメダルを取った有森選手が「自分で自分のことをほめてやりたい」と言いました。今ではほめることが認知され、根性論や叱咤激励よりも相手に与える良い影響が認められています。皆さんの周りの学校や少年野球やバスケなどの社会体育でどうなっていますか?

 

 

 

 

2022-02-05 08:58:00

51 教育現場のカゲとヒカリ③

 冬のオリンピックが始まりました。開会式のカウントダウンに暦の24節気(最近のだと、大寒、立春など)が使われていました。私アクトは単純なので、今年1年24節気にこだわって生活しようと思います。

 

学校は1週間単位で計画を立てて運営されます。担任のころは1週間分の授業計画を書いて、遅くとも月曜日の朝には提出しなければなりませんでした。月曜日は1週間の始まりということで、子どもも先生も集まって朝会があります。その朝会で校長先生のお話というものがあります。校長によりますが、子どもにアンテナを張っていない方もおられるので、また、今頃の季節は運動や文化面での表彰もないので、話す内容に困られることがあったようです。いきなり「雨水」「啓蟄」の話をされ、特に小さい子がぽか~ん口を開けて聞いていたことが思い出されました。

 

教師時代32年間の中で、担任をしなかったのは3年間です。そこでのカゲのお話を少し…。

 

担任をしないと、職員室にいる時間が長くなります。いまでも3Gのガラケーですが、iPadを使って、スマホユーザーと同じことができます。職員室にいると「ピコんピコん」という音、当時はそれがラインの音だとは知らないので、スマホで何しとんなるんだろうぐらいにしか思っていませんでした。今思えばラインを勤務時間中に使っているとは、「勇気ある~」教頭先生ですね。

 IMG_0981.png

ある学校で「問題教師」としてつるしあげられました。緊急学校集会が開かれました。議題は①喫煙②学校崩壊③暴行

 

①喫煙について

当時でも敷地内禁煙でしたので、赴任すると地図を見せてもらい敷地を確認しその外で携帯灰皿を用意し吸っていました。敷地の内外は、側溝が境です。それを見たある児童が親に報告し、その親から学校に連絡が入りました。校長から事情を聴かれ、「ハイ、敷地外で吸っていました」というと、校長から、昔の用務員室の換気扇の下で吸ってもらえないかという提案があり、「校舎内ですがいいんですか?」とたずねると「かまわない」との返事。後でわかった話ですが、その親はとかく学校にいろいろ言ってくるかたのようでした。3学期、用務員室で吸っていることが子どもに知られてしまい喫煙問題となりました。

 

②学校崩壊

担任も持っていない教員一人が赴任して、学校崩壊が起こるでしょうか?私が赴任した4月には、6年生が、低学年教室に来て「こいつ生意気だから」と言って、殴る、ける、暴言を吐くということは日常茶飯。教育委員会には「以前よりいい方向に向かっている」との報告がしてあったそうです。学校集会で、枡田教諭に喫煙などの問題行動があり、学校崩壊が起こっているとの校長の弁。は~~!!

 

③暴行

3学期の水曜日、ある学年の担任先生がお休みのため、代わりに1日担任をすることになっていました。授業の準備のため、階段を上がっている時女の子に当たってしまい、その女の子が肩を壁にぶつけました。その週の土曜日には、社会体育に参加していました。次の週、病院に行き、診断書をもらい、被害届を警察にだされました。保護者は、校長にも相談していた様ですが、通常の校長と教員の関係であれば、校長は被害届に待ったをかけるのですが、当時最悪でしたので、被害届が出され、後日警察に呼び出され、結果的に罰金30万円の処分となりました。前科1犯です。

 

 

学校集会という名の「枡田つるしあげ会」は教頭が司会をし、教委委員会からも指導主事が来ていました。今思えば、新聞などの報道にも来てもらっていた方がよかったかなと思っています。

 

 

それまで事実は認めるものの一切言い訳はしていませんでした。保護者の方から、「なぜ、そんなことをしたのか」を問われる場面がありました。

①喫煙については正直に、校長指示で用務員室で吸っていたこと。保護者の視線は、当然私から校長へ行きます。

 

②学校崩壊については。現6年生が5年の時、正規の担任が数か月持たず、病休へ。次の臨時の先生も、病休へ。管理職と教務の3人でそのクラスを回していたこと。この学校が崩壊しているということは、教員の間では周知の事実であったこと。などがほかの先生からも発言されました。管理職が、保護者に学校が危ないということを1年以上隠していたことが明らかになっただけです。

 

③について水曜日に事が起こり、土曜日に社会体育をに参加し、月曜日に病院へ行き診断書は「打撲傷の疑い」ということ事実を告げました。「打撲傷の疑い」という診断名は多くの方がびっくりされていました。後日談ですが、その後診断書は「打撲傷」になっていました。

 

 

保護者と管理職が一緒になって、一人の教員をつぶそうとしたのだと思いますが、アクトさんは意外に強かったのかな?

 

次の年、私は転勤、長きにわたり、その学校を牛耳っていた教頭も転勤、校長は進退をかけ学校の正常化を教育委員会から託されましたが、能力的に無理で、正常化することもなく、その年早期退職したそうです。 4・5年も残っていたのに(校長なら、年収1千万弱×4です。早期退職ですので、教育委員会からの次の仕事は与えられません。ああ無常。)

2022-02-01 05:46:00

50 教育現場のカゲとヒカリ②

教員不足がの記事が今日の京都新聞の一面を飾っています。数字を見る時の一つの見方を提案します。私アクトは、教員時代、仮説実験授業研究会で多くのことを学びました。その一つに、数字は、上2桁とそのオーダー(桁数)さえ気をつけていれば、大きな認識違いは起きにくいというものがあります。

 

 例えば財布、何百何十何円は気にしませんよね。万札が入っているか、万札がなければ、千円札が何枚あるかを気にします。貯金でもそうですよね。「小中高教員2558人不足」という見出しがありました。この数字がいつのものかというと2021年4月のものです。学校が新学期に向けて、新規採用もある中での数字です。言い換えると一番準備ができている時期です。全国で2558人ですから、京都府だと考えると都道府県の数を47→50と考え、人口も京都府260万✖️50=1億3000万 なので、全国の数字を50で割ればほぼ京都府の場合に当てはまります。

「小中高教員2558人不足」ですから、2600➗50=52  京都府は人口の半数が京都市ですから、52➗2=26人が不足していることになります。北部の学校の何校かは影響を受けているかもしれません。

 

小中の担任に限れば、10%が代用教員(教員免許はあるものの、採用試験に受かっていない先生)が担任をしているという数字が出ています。皆さんのお子さんの担任の先生が、代用教員であるとわかればどうですか?しかも,担任が誰なのかがわかるのは、始業式の担任発表の後です。親御さんの「当たり〜」「外れた,1年辛抱か」という声が聞こえてきます。

 

さらに、担任を小中の特別支援学級に限れば、代用教員の割合は20%になります。学校は表向きには、「本校では特別支援教育を重要と考えています。」と校長は大概、保護者の前で言いますが・・・・。

教員の病気休暇(ほとんどが精神疾患)毎年、5000人前後で、ここ10年以上推移しています。京都府に当てはめれば、5000人➗50=100人 京都府で100人の先生が病気休暇で休んでいるということになれば、北部の学校にもそんな先生はおられるでしょう。

 IMG_0981.png 

 4月に小中学校では学力診断テストというものがあります。6年生の問題が解けない,出題の意図がわからない管理職がいるということはは,前々回のブログで書きましたが,京都府の平均は,国語73.12,算数71.97というように少数第2位まで出されますが,これってどこまで意味ある数字でしょうか?

各小学校でも,国語72.98,算数72.01少数第2位まで出して,国語は府平均を下回り,算数は府平均を上回っているというような馬鹿げた話がされています。上から1桁の概数にすると,府の平均も該当校の平均も,国語も算数も70点,上から2桁の概数にすると府平均国語73,算数72,該当校国語73,算数72となります。府の平均は一定の人数があるので,少数第2位まで出すのは仕方ないものの,与謝管内の小学校であれば1学級,10人以下,20人以下の学級がほとんどです。話を単純にするために,10人1学級とします。勉強のエース(95点くらい取る児童)がいれば,その児童だけで,クラス平均を2点以上上げることになりますし,その児童が休めば,クラス平均が2点下がります。

学校としては,このテストの結果で,教育委員会から1年間いろいろ「指導という名のもと」いろいろイチャモンをつけられるので,テスト結果は気になります。その結果,こんなことを起こしてしまう管理職がいるのです。

成績がいい子どもが休むと,後日テスト受けさせ提出し,成績が悪い子どもが休むと,テストは未受験。ああ,無情。

 

1
誰でも簡単、無料でつくれるホームページ 今すぐはじめる