ブログ 月曜日 更新

2022-02-21 08:03:00

53 教育現場のカゲとヒカリ⑤

大学出てから、辞めるまで30年以上、教師をしてきました。いろんな先生がいましたが、すごい方でした。〇〇先生としておきましょう。

その先生の評判は、他校にいても、実践が素晴らしい、その先生が持つとクラスの成績が上がる、地域の保護者の信頼もすごく得ているなど、とても芳しいものばかりでした。ある年その先生と同じ学校になりました。

 

夏休みに学力に関する研修がありました。データーとして出されるものは、(当時は4年6年は4月に府の学力診断テスト、1~6年は2月に行うCRTというテスト)2つのテストのデーターが出てきました。確かに、〇〇先生の持ったクラスは、府平均や全国平均を10点以上、上回っていました。

 

それから1・2年後。私アクトは4月に行われる府の学力診断テストの校内採点の係になりました。基本マークシートなのですが、国語の漢字・短作文、算数の作図・作問などは採点基準に基づいて担当者が採点してその結果をマークシートに記入することになっていました。小さな学校ですので、誰がどの様な解答をしていたかは、丸つけをすれば、大体は覚えられます。

 

土曜日の夕暮れ(その頃は、平日は定時に帰っていたので、土曜日に次の週の授業の準備をしていました。)、その先生が見たことがある紙袋を持っていました。杜撰な話ですが、当時は、鍵のかからないロッカーに府の教育委員会に提出する前の学力診断テストが入っていました。その紙袋を持っておられたのです。教室に行き、その先生が帰られるのを見届けて、職員室に戻りました。ロッカーから紙袋を出して見ると、鉛筆書きの解答用紙に書き換えられたあと、まして採点もしたのですから、違いははっきりわかります。校長には告げずに、その地域での教育の重鎮に相談しました。

 

「枡田、見逃してやってくれ。〇〇先生で、お前の学校がもっとるのはわかるだろ」

 

確かにその先生が校長より学校運営の重要人物であることは認めていましたので、基本的には口を閉ざしていました。学校での立場、地域での立場を維持するには、教師の本業である「学力をつけている証拠」として学力テストの改竄(かいざん)必要だったのでしょう。

 

先生によって違うとは思いますが、学力テストというものは教育界に大きな影響を与えているのも事実です。以前にも書きましたが、人数の少ない学校でも、一人によって平均が大きく変わる学校でも、府平均より1点でも悪ければ、教育委員会は授業改善の提出を求めてきますし、反対に良ければ前年度の取り組みがどうだったのかを報告してほしいなど、どーでもいい理由を付けて、多忙化に拍車をかけていました。今はどうかは知りませんが、・・・(ああ、無情) 

 

 

 

誰でも簡単、無料でつくれるホームページ 今すぐはじめる