支援事例

2025/06/26

新上五島町商工会 坪井大知(株式会社徳丸)

新上五島町商工会 坪井大知(徳丸)

【上五島 商売人の家系】

 

はっきり言われたことはなかったが、新上五島町商工会主事の坪井大知(34)は子供のころ、いずれ家業を継ぐものだと考えていた。

 

坪井の実家は、新上五島町で葬祭会社を営んでいる。大学卒業時、父に「まずは外で人に使われる経験をしろ」と言われ、葬祭を扱う県内の会社に就職。約4年間の「修行」を経て地元にUターンし、実家で働き始めた。

最終的に、坪井は33歳で商工会に就職する決断をした。離島という特殊な商圏環境や、葬儀の形態が多様化していく時代の流れを背景に、先行きに不透明さを感じたからだった。

家業は継がなかったものの、職住一体という環境で幼少期を過ごし、大人になってからは家族と従業員の生活を背負って働く経営者としての父を見ながら汗を流してきた。この経験は、事業者に寄り添った支援を命題とする商工会という組織で、日々の活動の原点のようなものになっている。

 

「商売人の家で育ったからこそ、事業者が口にしなくても『こんなことに困っているんだろうな』などと、ふと感じることがある。この感覚を大切にしたい」と坪井。自分だからこそ分かることがある、自分だからこそできることがある、と感じている。

 

今年、坪井から補助金申請のサポートを受けた水産関連企業の徳丸(新上五島町)の市川千恵(31)は「こちらが抱えている課題に対して、何とか解決しようとする前向きな姿勢が印象に残っている」と評価する。

今春、同商工会に転勤してきたばかりだが「坪井さんいますか?」と事務所を訪れる人も増えてきた。

「名前を呼ばれると、頼ってもらえているのかなって本当にうれしくなります」

 

 ※2025年6月26日(木)の長崎新聞にて掲載されております。 

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企業の情報

「株式会社徳丸」

所在地:853-2301 長崎県南松浦郡新上五島町若松郷769-29

URL:https://tokumaru-gotou.com/

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新上五島町商工会商工会ホームページ

https://r.goope.jp/srb-42-23/

2025/05/28

南島原市商工会 平川夏希(入江製菓舗)

南島原市商工会 平川夏希(入江製菓舗)

【多様な人材 能力発揮】

 

働き方に対する価値観が大きく変わり、人材の流動化が加速する昨今、商工会は、あらゆる社会人経験を生かすことができる転職先として存在感を高めている。

 

南島原市商工会主事の平川夏希(34)が商工会に転職したのは昨春のこと。10年間勤めた地元・南島原市の食品製造販売会社を辞め、新たな一歩を踏み出した。
転職前は、営業職に従事。南島原の特産品を扱っていたが、地域の発展に幅広く貢献したいという思いが募り商工会を目指した経緯がある。
商工会業務の柱は、地域に根付く事業所の経営支援。平川は、この分野の経験は無かったが、営業時代に培った行動力や見識があった。

 

昨年、条件の良い補助金の公募が始まった際には、菓子製造販売の入江製菓舗(南島原市)に飛び込みで訪問。
代表の入江博文(67)に概要を説明しながら活用を提案、申請が決まった。
補助金が無事採択され、念願の厨房機器を購入した入江は「(平川に)申請作業もてきぱきと支援してもらった。社会人経験があるためか安定感もあり、頼もしさを感じた」と目を細める。

 

県商工会連合会は、経験者採用を積極推進してきた歴史がある。元銀行員や元証券会社員、元営業スタッフなど、様々な人材が能力を発揮してきた。直近5年間では、採用職員のうち転職者が毎年3割以上。2025年度は約6割に上った。

採用を担当する同連合会総務課では「転職者は即戦力であるほか、専門スキルなどにも期待できる」と実務的な能力を評価する一方、「他組織で育まれた異なる視点を持つ人材が加わることは、新たな発想を生む刺激にもなる」と組織活性化面にも期待を寄せる。

 

 ※2025年5月28日(水)の長崎新聞にて掲載されております。 

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企業の情報

「入江製菓舗」

所在地:859-1504 長崎県南島原市深江町丁3671

代表:入江 博文

URL:https://irieseikaho.com/

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南島原市商工会ホームページ

https://www.shokokai-nagasaki.or.jp/ms/

2025/03/26

県連合会 相嶋達也(失敗、歓迎されるべき)

県連合会 相嶋達也(失敗、歓迎されるべき)

「失敗、歓迎されるべき」

 

組織づくりは人づくり。

県商工会連合会では、将来を担う新任職員がスムーズに成長し能力を発揮できるよう、環境を整備している。

「テーマは『いち早く失敗を経験してもらうこと』だった」。

 

本年度、新任職員研修を担当した同連合会係長の相嶋達也(42)は、こう振り返った。

同連合会は本年度、新任職員研修を一新した。

それまで1日半程度の日程で実施していた研修を、10日間にまで大幅拡大。

カリキュラムも、ビジネスマナーや税務に関する基礎知識といった一般的なメニューに加え、経営者との具体的な「やり取り」を想定した模擬面談や、商工会が抱える課題を共有して深掘りするグループワークなどを初導入した。

 

相嶋の肝いりで盛り込まれたのが模擬面談だ。

支援先の経営者に扮した先輩職員が、新任職員に対して現場でありがちな無理難題を要求。

当然、新任職員は返答に窮する羽目に陥るが、あえて「失敗」を誘発することで対応方法を学んでもらう。

商工会の主な業務は、地域の中小企業や個人事業主の経営支援。

ビジネスに生活をかけている経営者にとっては、担当の商工会職員がベテランでも新人でも求めるものは変わらず、新人だからと大目には見てもらえないケースもある。

「新人が取り返しのつかない失敗をしないよう、前もって失敗する場が必要と考えた」と話す相嶋。

新人にとってゼロとイチの違いは大きい、との認識を示す。

 

「他県に比べ、新任研修に組織として力を入れている」(商工会関係者)と評価されている同連合会。

新任研修の強化は組織力の底上げに通じ、さらに支援先企業の発展にもつながる。

 

 

 

※2025年3月26日(水)の長崎新聞にて掲載されております。

 

2025/03/12

東長崎商工会 坂本 歩(支援事例などを共有)

東長崎商工会 坂本 歩(支援事例などを共有)

「支援事例などを共有」

 

その日のテーマは「資金繰りの対応」だった。

今年2月、東長崎商工会。

中堅の男性職員が、同僚を前に、融資を希望していた会員事業所に絡む金融機関への対応事例を説明した。

難航していた借り入れを、どのようにして成約まで持ち込んだのか、順を追って説明。

若手職員が、金融機関との交渉に際し、成算ありと判断した根拠を熱心に尋ねる場面も見られた。

 

同商工会では2020年以降、週1回のペースで、全職員参加による「職員ミーティング」を開いている。

毎回、当番の職員1人が発表者として登壇し、支援事例や業務改善案などを発表。

ほかの職員が、感想や意見を述べるシステムだ。

 

県内の商工会は19年、人事制度改革の一環として職種を統合。

それまでの職種に関係なく幅広い業務に挑戦できる環境を整えたが、一方で多くの職員が広範なスキルや心構えを身に着ける必要性も生じた。

 

これを受け、同商工会では職員の資質向上などを目的に、課長の坂本歩(52)の提案でミーティングを開始。

延べ150回超開催してきた。

発表者は、ベテランであれば経験に裏付けされた貴重なスキルや考え方を伝えることができ、若手の場合は自分自身の手法や「現在地」を確認することができる。

ある職員は「仕事に対する姿勢や行動原理を共有できる機会もあり、非常に貴重な場」と有用性を語る。

 

坂本は「人前で発表したり意見を述べたりすることは、コミュニケーション能力の向上に役立つほか、職員の相互理解や連携強化にも寄与する。

職員のレベルアップは会員満足度の向上にも資するはず。

今後も目的意識を持ってミーティングを続けたい」としている。

 

 

 

※2025年3月12日(水)の長崎新聞にて掲載されております。

 

 

2025/02/26

県連合会 津裕介 (災害時の心構え学ぶ)

県連合会 津裕介 (災害時の心構え学ぶ)

「災害時の心構え学ぶ」

 

能登半島地震により被災した事業者を支援するため、県商工会連合会(長崎市)は昨年2~3月、応援職員2人を石川県内の商工会に派遣した。

同県内では、支援する側の商工会も大きな被害を受けたことから、全国商工会連合会(東京)の要請に基づき、全国の商工会が交代制で職員を現地に送り出した。

県連合会課長補佐の津裕介(38)は、能登町商工会(石川県能登町)で5日間活動。

災害時に活用できる補助金や資金繰りなどに関する相談対応を行った。

九州エリアは、かつて地震が少ない地域とも言われていた。

 

だが、2016年に熊本地震が発生するなどし、近年では県内も決して震災リスクと無縁ではないとの認識が広がっている。

さらに災害は地震だけに留まらない。

長崎は大水害に襲われた歴史もある。

近年の異常気象も相まって災害に対する備えの重要性はますます高まっており、県連合会では今回の派遣を通じてノウハウを持ち帰り、長崎での取り組みに役立てようという思いもあった。

 

津が能登町での活動を通じて最も印象に残ったのは、現地の商工会職員が、自らも被災していながら事業者を懸命に励ましていたことだった。

商工会には、災害に備えた計画の策定や準備をサポートする業務がある。

津は「これらの備えは確かに大切。

加えて心構えの面では、仮に自分が被災しても商工会職員の責務として、何としても被災事業者を支援する、という気持ちを持つことが大切だと気付いた」と強調。

これこそ災害支援の本質と言い「災害時に頼りになるのは商工会、そんな風に言われるようにならなければ」と気を引き締める。

 

 

 

※2025年2月26日(水)の長崎新聞にて掲載されております。

 

 

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