支援事例
2024/10/23
東彼商工会 江添幸子(生地工房土ばし)
【苦手分野支える救い手】
生地工房ばし
個人事業主を中心とする自営業者の多くが苦手意識を持つ業務の一つに、確定申告がある。
納めるべき所得税を計算し、税務署に申告・納税を行う手続きだが、領収書など書類のとりまとめや帳簿付け、税制改正などに伴う変更点の確認・対応など、求められる作業は幅広い。
数字に不安がある経営者は、負担感が大きいのが実情だ。
波佐見町で2021年に起業した陶磁器生地製造業「生地工房土ばし」代表の土橋咲希(40)も不安を抱えていた一人。
首都圏からIターンし伝統工芸の世界に飛び込んだが、会計や税を学んだ経験はなく「確定申告は一生関わることがないと思っていた」(土橋)。
そこで頼ったのが東彼商工会波佐見支所だった。
商工会では、顧問税理士の関与のもと、確定申告に必要な税務・経理に関する幅広いサポートを展開している。
同支所でも、土橋を含め約100事業所が何らかの形で支援を受ける。
土橋は、記帳に関するアドバイスを受けつつ、まずは自分で確定申告書を作成し、最終チェックを同支所に依頼するスタイルを3年間継続。
事業拡大に伴い、本年度からは記帳作業の代行も依頼している。
同社を担当する同支所主任の江添幸子(44)は「波佐見の生地職人が減少するなか、業界の将来を考えると土橋さんは本当に貴重な存在。
何でも尋ねて頂けるので、期待に応えたい」と話す。
「確定申告の支援を受け始める際、自分に合った支援の形を商工会と話し合った」という土橋。
「一人で仕事をしている関係で、できることに限界があるのも確か。
商工会に頼れるところは、少し甘えてもいいかな、と思っています」
※2024年10月23日(水)の長崎新聞にて掲載されております。
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企業の情報
「生地工房土ばし」
所在地:859-3702 長崎県東彼杵郡波佐見町湯無田郷140-6
代表:土橋咲希
Instagram:https://www.instagram.com/kijidobashi/
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東彼商工会ホームページ
2024/10/09
県連合会 貞方美和(実践的な支援事例共有)
【実践的な支援事例共有】
「企業のパートナーとして共に歩む姿勢が大切です」2024年8月、長崎市のコンベンション施設。
県内全域から集まった商工会職員ら約70人を前に、職員代表の発表者が、自身が手掛けた経営支援事例を熱っぽく話す姿があった。
この日開かれていたのは、商工会職員がそれぞれ磨いてきた支援ノウハウ・経験の共有化などを目的とする研修会。
県内に20ある商工会を統括する県商工会連合会(長崎市)が音頭を取る形で例年開かれ、本年度は選考を勝ち抜いた6事例を若手からベテランまで幅広い職員が発表した。
地域に根付く事業者の経営支援を手掛ける商工会。その仕事は、やりがいにあふれる一方、責任も伴う。
経営者にとっては、毎日が真剣勝負。「スキルが高い商工会職員に支援をお願いしたい」ときっぱり話す経営者が多いことも確かだ。
このような実情を背景に、 同連合会では職員のスキルアップの一環として、さまざまな取り組みを展開している。
事業者が求めるサポートは、創業や売上拡大、経営の立て直し、事業承継など多岐にわたる。
職員が現場で遭遇する課題への対応は、教科書通りにいかないケースが多く、地域や業界特有の事情や慣習もある。
今回開かれた研修会のように、実践的な事例を経験者から学ぶことには大きな意味があり「新しい発見がある貴重な学びの場になっている」(同連合会幹部)という。
研修会を担当する同連合会主任の貞方美和(29)は「同僚の発表に刺激を受け、学びだけでなくモチベーションアップにもつながっている」と、
組織内で健全な競争が生まれるきっかけにもなっている点を強調する。
※2024年10月09日(水)の長崎新聞にて掲載されております。