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2025/08/27
宇久町商工会 吉田貴満(漁師旅館中村家)
【島経営支える常設機関】
生まれ故郷の宇久島(佐世保市)で十代のころから漁師をしていた中村義孝(56)に転機が訪れたのは2019年のことだ。
いつからか海の環境が変化し、漁獲量が激減。家族を抱えながら、島でどう生計を立てていくか考えた末の決断だった。
中村が新たに選んだ道は旅館の経営。海沿いにある空き物件をたまたま見に行った時、「ものになるのでは」とひらめいた。
ただ、漁師一本で人生を歩んできた中村にとって、旅館経営は未知の領域。何から手を付ければいいのか分からず資金もない。そこで頼ったのが島に常設拠点を置く宇久町商工会だった。
小規模事業者が大半を占める宇久島では、商工会が業種を問わず経営支援を担うケースが大半。課題を整理したうえで、補助金申請や金融機関への橋渡し、記帳代行など幅広いサポートを展開している。
中村は、鮮魚店を営む実兄の紹介で商工会の担当者と面談。中村は「『全力でサポートする』といった趣旨の力強い言葉を頂き、本当に心強かった」と当時を回顧。資金繰りや補助金申請などの面で一から支援を受けた結果、「漁師旅館 中村家」が無事、船出した。
旅館の営業が軌道に乗るなか、次は中村の妻が経営する美容室を島外で働いている長男がUターンし引き継ぐ計画が進行中。支援の中核は、やはり商工会だ。中村を担当する同商工会主事の吉田貴満(30)は、中村の思いを丁寧に聞き取りながら「自分に何ができるのかを日々、考えている」。
中村がきっぱりと言った。「島で商売をやるのなら、商工会に入った方がいい。これほどサポートしてくれる団体は他にない」
企業の情報
「漁師旅館中村家」
所在地:長崎県佐世保市宇久町平3031-9
