支援事例
2024/07/24
壱岐市商工会 永田亮也 (梶田製菓)
【見落としを許さない】
梶田製菓
商工会が手掛ける支援活動の中には、一見地味に見えるが非常に重要なものも多い。
事業所がプロジェクトを手掛ける際の工程管理サポートもその一つだ。
神戸市の洋菓子店で店長を務めていた壱岐市出身の梶田広大(43)が、会社を辞めUターンする気持ちを固めたのは2020年のこと。
故郷では実母が和菓子店「梶田製菓」(壱岐市)を経営していたが、梶田は、梶田製菓の新たな業態としてバウムクーヘンを主力とする菓子やパン、ヨガを扱う新店舗設立に向け動き出した。
支援の要請を受け、ヒアリングを行った壱岐市商工会主任の永田亮也(29)は、さまざまな取り組みを同時並行で進めないといけないプロジェクトであることから、事業スケジュールを作成し、綿密に工程管理を行う必要性を感じた。
梶田がUターンする時期は決まっており、この時までに必ず新店舗を立ち上げなければならない。
一方、大きな投資を伴うことから、可能な限り補助金を活用し事業者負担も減らしたい。
その時しか使えない制度もあるかもしれず工程管理ミスは許されない状況だった。
永田は、活用を目指す複数の補助金のスケジュール、補助金採択が有利になる認定の獲得、業者との打ち合わせなど、多岐にわたる取り組みを漏れなく工程表に落とし込み梶田と共有。
梶田は見落としがないよう一つ一つ実行し、予定通り22年6月の開店にこぎつけた。
梶田は「新店舗の準備をはじめ、当時働いていた会社の仕事、引っ越し準備などやるべきことが山積する中、スケジュール管理の支援が本当に助かった。
永田さんはマネージャーのような存在」と笑顔を見せる。
※2024年7月24日(水)の長崎新聞にて掲載されております。
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企業の情報
「梶田製菓」
所在地:811-5203 長崎県壱岐市石田町筒城東触1799
TEL:0920-44-5303
代表:梶田広大
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壱岐市商工会ホームページ
2024/07/10
五島市商工会 城戸駿佑(小柳発電所)
【重要な選択肢の一つ】
小柳発電所
「ハッとするようなアイデアや深い話を聞くことができ、本当に勉強になります」。
太陽光発電事業などを手掛ける小柳発電所(五島市)の小柳一祐基(34)は、商工会を通じ「専門家」の支援を受けた時のことを振り返った。
環境にやさしい太陽光エネルギーを活用して地元の特産品を作りたい、と同社が五島近海の海水を原料とする海水塩を開発したのは2020年。
満足できる商品ができた一方、ではビジネスとして展開するにはどうすればいいのか、と手探りの状況が続き、頼ったのが五島市商工会だった。
同商工会では、職員が支援の中核を担いつつ、商工会の専門家派遣制度(エキスパートバンク)などを利用しながら、必要に応じて外部の専門家を積極的に活用した。
経営支援という分野は、非常にすそ野が広い。近年、経営課題は多様化、複雑化も進んでおり、ベストな支援を行うには外部との連携も重要な選択肢の一つだ。
同社に対しては、さまざまな専門家が支援を展開した。中小企業支援のプロである「中小企業診断士」が、事業戦略の作り込みや補助金申請をサポート。新商品開発や販路拡大は「食の専門家」が助力したほか、商談会・見本市における実践的な交渉術や効果的なディスプレイなどに関しても、複数のスペシャリストが協力。これにより、塩の売上高、認知度ともに着実に高まりをみせている。
同社を担当する同商工会主事の城戸駿佑(30)は「商工会が支援のベースを担うのが基本だが、『事業所にとって何がプラスになるのか』を考えながら、引き続き専門家を活用していきたい」と強調する。
※2024年7月10日(水)の長崎新聞にて掲載されております。
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企業の情報
小柳発電所
所在地:853-0702 長崎県五島市岐宿町川原925番地1
代表:小柳一祐基
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五島市商工会 ホームページ