支援事例
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2026/08/26
壱岐市商工会 長嶋友美 (往来亭)
2024年1月、壱岐市勝本町にラーメン店「往来亭」がオープンした。店主は、この地域出身の中谷睦(44)。県外の飲食店で20年以上修業を積み、Uターンし新たな一歩を踏み出した。
調理に自信はあったものの、不安を抱えていたのが経理面だ。修業時代、店主を任されていた時期はあったが、確定申告はおろか帳簿をつけた経験も無い。そこで頼ったのが、市役所から紹介された壱岐市商工会だった。
商工会では、主に、小規模な個人事業主を対象に、日々の売上げや経費などを記録する記帳から確定申告などの税務まで、一貫した経理支援を行っている。
中谷のように、本業に関する技術や専門知識に長けていても、経理業務に苦手意識を持っている経営者は少なくない。
そもそも商工会に経理に関する支援策があること自体、知らない事業者も多く、実際、中谷もそうだった。
中谷をサポートしたのは、同商工会主任の長嶋友美(49)。商工会には長嶋のように経理に長けた職員も多く、表には出ない部分で事業所を支えている。
長嶋は、日々の調理業務に追われがちな中谷の現状を考慮し、まずは作業効率が高いクラウド会計ソフトの導入を提案。さらに、仕分けの勘定科目をはじめ、経費にできるもの・できないものの線引き、インボイス対応、消費税の取り扱いなど幅広い分野をフォロー。寄り添う形で支援を展開した結果、中谷も学びを深めることができた。
長嶋は「確定申告のために帳簿を整える支援だけではなく、経営者が経営状況を数字で読み解ける力を身に着ける一助となれば」と力を込める。
2026/07/30
小値賀町商工会 村田めぐみ(津田耕平商店)
規模の小さな事業者は、経営目標を掲げても優先すべき課題や具体的な取り組みを自力で見極めることが難しい。目標を実行可能な計画に落とし込み、実施から改善まで一気通貫で支援することも商工会が担う重要な役割となっている。
海産物の卸・製造販売を手掛ける「津田耕平商店」(小値賀町)は、島の数少ない土産物屋だ。代表の津田喜久美(78)は、気風(きっぷ)のいい性格と高い商品力を背景に、取引先とも良好な関係を築いていた。
一方、小値賀町商工会課長補佐の村田めぐみ(57)は商店の将来を気にしていた。喜寿を迎えた津田は事業承継も視野にあるが、円滑なバトンタッチを実現するには、より良い経営環境を作っておきたい。島内需要だけに売上高を頼るのは限界もあり、取り組んでいなかった「外貨」獲得を後押しする必要性を感じていた。
そこで村田は、島外への販路拡大に向け2025年春、同年秋に実施される商談会への出展をゴールとする伴走支援に乗り出した。
掲げた合言葉は「入口から出口まで」。津田へのヒアリングをベースに、取り組むべき課題を丁寧にあぶり出し、きめ細かい支援メニューを作り上げた。
バイヤーに自社製品を紹介するツール「FCPシート」の作成をはじめ、価格設定、バイヤーの着目点、商談会場での効果的なブースの作り方など、幅広いテーマを専門家も交えサポート。津田が途中でくじけないよう一つ一つの課題に粘り強く取り組み、結果、商談会も無事終えることができた。
小値賀出身でもある村田は「津田耕平商店は島になくてはならない店。商談会の成果で成約が近い案件もあり、今後が楽しみ」と話す。
2026/07/13
松浦市福鷹商工会 八方尚美(大石農場29.oishi)
今春、畜産・精肉業を営む「大石農場29.oishi(にく・おおいし)」の大石恵子(52)と、松浦市福鷹商工会鷹島支所長の八方尚美(55)が、松浦市の大石の店舗で、額を寄せ合いながら書類を読み込む姿があった。
2人が目を通していたのは、昨年末に実施した商品アンケートの調査結果だ。
同商工会では毎年、いくつかの会員事業所をピックアップし、その事業者が製造販売する商品に対するアンケートを行っている。
2025年度は、大石農場など4社が対象に。大石は、自家製の鷹島牛を使い加工したハンバーグとコロッケを調査した。
消費者ニーズや購買動向を探ることができるアンケートは、事業者に貴重なデータをもたらす。
例えば食品の場合、事業者は「とにかくおいしいものを作ることが最優先」と思いがちだ。ある意味正しいが、食べ物は「おいしい」だけで売れるとは限らない。価格、パッケージ、ストーリー、安心感など、購入判断に関わる要素は多岐にわたり、事業者が自身の経験や勘だけに頼るのは危うい。
一方で、小規模事業者が単独でアンケートを行うのは負担が大きいのも事実だ。
このような実情を背景に、同商工会では市場調査の大切さを学んでもらう一環としてアンケートに取り組んできた経緯がある。
今回の大石農場のアンケートを八方が分析した結果、味の評価は非常に高かったものの、パッケージや情報発信、ネーミングなどの面で改善の余地があることが判明。大石は「顧客の生の声を聞くことができる機会はなかなかない。今回集まった声を、今後の商品開発に生かしたい」と話している。
2026/05/27
雲仙市商工会 馬場裕也(有限会社マルヤマ)
観光地の魅力は、人をその場所へ向かわせる確かな目的があるかどうかに左右される。その目的となりうる新しい芽を育て、後押ししていくことは、商工会が果たすべき役割の一つだ。
2022年11月、雲仙市。新型コロナウイルス感染拡大の影響が色濃く残るなか、小浜温泉街の一角に、貸し切り温泉入浴施設「YUASOBI(ゆあそび)」がオープンした。
利用者ごとに湯を入れ替え「一番風呂」を楽しめることが大きな特徴。コインを投入すると湯船に自動で温泉が注がれるスタイルや、土瓶型の石風呂といった趣向も話題を集め、観光客が雲仙市に足を運ぶ理由の一つとなっている。
この施設を運営する観光業の有限会社マルヤマ(雲仙市)は、地域の元気企業の一つだ。コンビニエンスストア経営を皮切りに、多角化を積極推進。現在はホテルや土産物店、ジェラート店など多店舗を展開するに至るが、YUASOBIは、自社グループ店への集客にとどまらず、地域全体へ人と消費を呼び込む原動力となっている。
YUASOBI開設のきっかけは、30年以上の付き合いがある雲仙市商工会が、コロナ禍に活用できる補助金を提案したことが出発点。同社取締役の山下美都子(62)は「商工会が私たちの思いや気持ちを汲み取ってくれたおかげでYUASOBIを開設できた」と信頼を寄せる。同社の主担当で同商工会主任の馬場裕也(33)は「何でも相談して頂ける信頼関係が構築できている」と話す。
同社常務の山下健太郎(33)は「YUASOBIを通じ観光客の滞在時間増や回遊性向上に寄与したい」とさらなる地域貢献を誓う。
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企業の情報
「有限会社マルヤマ」
所在地 : 〒 854-0517 雲仙市小浜町マリーナ20-3
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2026/05/18
西そのぎ商工会 森川来紀(Re:and CAFE with DOG)
創業は、誰もが最初は未経験だ。だからこそ、確かな知識を身につけ、視野を広げる学びが必要となる。その大きな挑戦を現実へ導く出発点として、商工会では創業塾を開くことがある。
長与町の閑静な住宅地にドッグカフェ「Re:and CAFE with DOG」がオープンしたのは2025年7月。「愛犬と一緒に過ごせるカフェを地元につくりたい」という夢を、店主の広瀬萌々(30)が実現させた格好だ。
店舗開設に向け、広瀬が取った第一歩は24年、西そのぎ商工会が開く創業塾に参加したことだった。
経営経験などなく、何から手を付ければいいのか分からなかった当時。融資を得ることが欠かせない状況で、そのためには創業計画書というものを作る必要があることは分かったが、書き方が分からない。
折しも、同商工会が創業塾を開くという話を耳にする。調べるとカリキュラムに「創業計画の作り方」とあり、これだと参加を決めた。
同商工会は毎年、創業塾を開催している。この年は、外部の専門家2人が講師として登壇。創業計画作成のポイントをはじめ、資金調達や集客、税務など幅広いテーマを扱ったほか、地域の「先輩創業者」に体験談を聞くコーナーも設けた。
広瀬の主担当で同商工会主任の森川来紀(28)は「計画書作成などを通じ、参加者に多くの『気付き』が生まれ、最終的にこれが起業へとつながっていく」と創業塾の有用性を分析する。
創業塾での研鑽を通じ、経営者としての足腰を鍛えた広瀬は「塾に参加していなかったら、店は開けなかったと思う。創業塾は、必ず起業を目指す人の助けになる」と力を込める。
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企業の情報
「Re:and CAFE with DOG」
所在地 : 〒851-2128 西彼杵郡長与町嬉里郷681-1
代表 : 広瀬 萌々
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西そのぎ商工会ホームページ
https://r.goope.jp/nsg-shokokai/
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