支援事例

2024/03/14

佐世保市北部商工会 矢野勇太郎(ダイサンセイ)

佐世保市北部商工会 矢野勇太郎(ダイサンセイ)

【「何かしたい」を形に】

 

ダイサンセイ

 

自然を相手にするビジネスは、先が読めない。良いときも悪いときもあるが、自助努力で業績を安定させたいと願う経営者は多い。

水産食料品製造業「ダイサンセイ」(佐世保市)社長の三藤康之(48)は、自然環境に大きく左右される主力のいりこ製造事業に不安を抱えていた。

いりこの原料となるカタクチイワシは、年によって漁獲量や取引価格の変動が激しく、売り上げが安定しない。中長期的な視野に立つと漁獲量は右肩下がり。楽観的な展望も描きにくい。

加えて、年単位でみても獲れる時期が限られるため設備の稼働率が低く、安定した雇用体制の構築に踏み切れないジレンマもあった。

03 ダイサンセイの工場=佐世保市小佐々町.JPG

そこで目を付けたのが魚を粉末状に加工した「だしパック」の商品開発だ。原料は冷凍保存がきくため、季節要因を排除し安定して製造することが可能。雇用の安定化も図ることができると踏んだ。

ただ、アイデアはあっても、具体的に何からどう取り組めばいいのか、となると難しい。そこで付き合いのある佐世保市北部商工会の門をたたいた。

市商工会は、アイデアを具体的な事業計画に落とし込む作業や数字をベースとした採算性の裏付け、専門家も交えた資金繰りなどを支援。主任の矢野勇太郎(31)のサポートもあり、2年以上の歳月をかけてだしパック「丸出汁粉」の商品化に成功。本格販売に向け最終段階に入った。

 

「経営者の『何かしたい』を、高いクオリティで形にしてくれるのが商工会」と全幅の信頼を寄せる三藤は「だしパックの売上比率を最終的に50%まで引き上げ、経営を安定させたい」とエンジンを吹かす。

 

 

 

 

※2024年3月13日(水)の長崎新聞にて掲載されております。

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企業の情報

「ダイサンセイ」

所在地:〒857-0413 長崎県佐世保市小佐々町楠泊1847-2

TEL:0956-41-5677

代表:三藤康之

HP:https://daisansei.co.jp/

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佐世保市北部商工会ホームページ

https://www.shokokai-nagasaki.or.jp/sasehoku/

 

2024/02/28

雲仙市商工会 酒井綾 COCOHARE

雲仙市商工会 酒井綾 COCOHARE

【新業態に商機見出す】

 

有限会社 國崎 COCOHARE

 

観光保養地として知られる小浜地区に誕生した斬新な新業態。「商工会の支援がなければ、開業にこぎつけることはできなかった」。運営を手掛ける旅館業「國崎」(雲仙市)社長の井上剛(61)が当時を振り返った。

 

新型コロナウイルスの感染拡大を機に、井上はグランピングに注目が集まっていることを知った。その際、頭に浮かんだのが5000坪に及ぶ遊休地だった。

 

コロナ禍で、経営する旅館や飲食店の業績は低迷。だが「嵐」が過ぎ去るのを待つだけではじり貧だ。旅館は老朽化も進んでいる。遊休地に命を吹き込みつつ、グランピングという新たな事業分野に打って出る策はどうか。井上は地元の雲仙市商工会に協力を求めた。

 

商工会は現状を入念に分析したうえで、支援方針を提案。思い切った事業見直しを促進する国の「事業再構築補助金」を柱に計5つの支援制度を活用、各種事務から資金繰りまで幅広い業務をサポートした。人員体制面では、異なるスキルを持つ職員3人が、担当の垣根を越えて手を組み「チーム支援」を展開した。

 

同商工会主任の酒井綾(41)は、井上の次女裕子(30)がグランピング施設の支配人に就いたことに触れ「若い女性の感性も生かすことで新しい価値が生まれており、新規顧客の掘り起こしにつながっている」と称賛。井上は「新事業だったことから不安も大きかったが、商工会には実務面だけでなく気持ちの面でも背中を押してもらい、やる気が高まった。本当に感謝している」と話す。

 

03 温泉が引かれているグランピング施設.JPG

 

※2024年2月28日(水)の長崎新聞にて掲載されております。

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施設の情報

「有限会社 國崎」

所在地:〒854-0513 雲仙市小浜町南本町10-8

TEL:0957-74-3500

FAX:0957-74-2005

代表:井上 剛

HP:https://kunisaki.jp/index.html

Instagram:https://www.instagram.com/obama.kunisaki/

Facebook:https://www.facebook.com/ryokankunisaki/

営業時間:宿泊:チェックイン 15:00/チェックアウト 10:00

 定休日:不定休

 

COCOHARE」

所在地:〒854-0513 長崎県雲仙市小浜町南本町984

TEL:0957-61-1560

総支配人:井上 裕子

HP:https://unzen-cocohare.jp/

Instagram:https://www.instagram.com/unzen_cocohare/

営業時間:宿泊:チェックイン 15:00/チェックアウト 10:00

定休日:不定休

雲仙市商工会ホームページ 

 https://www.e-unzen.jp/

 

2024/02/14

諫早市商工会 坂上公介 (つづみ団子)

諫早市商工会 坂上公介 (諫早市商工会)

【寄り添って継続支援】

 

つづみ団子

 

和菓子製造販売「つづみ」(諫早市)社長の大石将太(40)は、勢いのある若手経営者だ。

 

クレープの移動販売で2016年に起業。その後、より高い収益が見込める和菓子の取り扱いを始めると瞬く間に業容を拡大。法人化を経て自社ブランド店「つづみ団子」のフランチャイズ事業にも乗り出し、首都圏を含め全国で20店舗以上を展開するに至る。

03 つづみの本店.JPG 

 

大石の行動力や嗅覚が成長の原動力であることは間違いないが、背景には商工会の「伴走支援」がある。

 

伴走支援とは、マラソンで走者と一緒に走る伴走者のように、経営者に寄り添いながら継続的にサポートを行う手法。14年施行の「小規模企業振興基本法」に紐づく支援モデルだ。

 

諫早市商工会は21年、つづみの伴走支援を開始。当時、大石は地場の販売を強化しつつ全国展開を目指し力強く自走していたが、創業間もないこともあり販路拡大の経験や手法、支援制度の活用などの分野で力添えできると判断、伴走に踏み切った。

 

支援策として、国際見本市や大型商談展示会への出展をはじめ、認知度アップに向けた物産展の企画運営などを継続的にサポート。活用できる補助金に関するアドバイスも行った。結果、首都圏での新規販路拡大など大きな成果があった。

 

支援により得られる安心感は確かにあり、商工会のパワーを感じる場面もあった。まだまだチャレンジしたいこともあり、引き続き支援をお願いしたい」とラブコールを送る。

 

 

※2024年2月14日(水)の長崎新聞にて掲載されております。

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お店の情報

「つづみ団子

所在地:〒859-0401 長崎県諫早市多良見町化屋789-25

TEL:0957-43-0887

FAX:0957-43-0887

代表:大石将太

HP:https://tsuzumi.co.jp/

Instagram:https://www.instagram.com/tsuzumi.co.jp/

Facebook:https://www.facebook.com/people/%E3%81%A4%E3%81%A5%E3%81%BF%E5%9B%A3%E5%AD%90/100065375649993/

営業時間:10:00~19:00

定休日:年中無休

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諫早市商工会ホームページ 

http://www.isasho.com/

 

 

 

2024/01/24

有明町商工会 松永基宏 (本多木蠟工業所)

(有明町商工会)伝統文化の伝承と事業継続化のための販路開拓支援

【伝統文化の伝承と事業継続化のための販路開拓支援】

 

本多木蠟工業所

 

多数の企業とバイヤーが一堂に会し、マッチングを図る商談会。商工会では、販路開拓に有効なこの「企業間取引イベント」の活用も積極的に推進している。

 

有明町商工会に2021年赴任した経営支援課長の松永基宏(48)は、担当することになった「本多木蝋工業所」(島原市)の支援策を模索していた。

 

江戸時代から続く伝統技法で、和ろうそくの原料となる木蝋を製造。日本で唯一「玉締め式圧搾機」と呼ばれる機械を用いるなど事業に物語性もあるため、テレビや雑誌などのメディアからは引っ張りだこ。新型コロナウイルス感染拡大前までは体験メニューも好調だった。

03 伝統技法を使い製造される和ろうそく.JPG

 

一方で、代表の本多俊一(68)妻美佐(65)ともに元教員。経営キャリアは短い。店自体の認知度は高いものの、売上が見合っているかと言えば改善の余地があると分析した。

 

そこで松永が目を付けたのが商談会だ。

 

商談会という言葉は知っていても参加経験はないという中小事業者は多い。実際、本多木蝋もそうだった。

 

松永は、2022年秋に県商工会連合会が開く商談会に出展することを提案。この日に向け、商談会場での「魅せる」ディスプレイ方法の勉強会を開いたほか、バイヤーとの円滑な交渉に向けた卸値を含む価格表や、商談に必要な情報をまとめたシートの作成など、多角的に準備を進めた。結果、初出展ながら都内大手百貨店との取引が決まった。

 

美佐は「バイヤーから厳しい指摘を受けることもあったが、改善策のヒントにもつながった。他の出展者から学ぶことも多く、引き続き商談会を活用していきたい」と話す。 

 

※2024年1月24日(水)の長崎新聞にて掲載されております。

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お店の情報

「本田木蝋工業所」

所在地:〒859-1413 長崎県島原市有明町大三東丙545

TEL:0957-68-0015

FAX:0957-68-2684

代表:本多 俊一

HP:本多木蝋工業所 (honda-mokurou.net)

X(旧Twitter):ほんだもくろう(本多木蝋工業所)(@honmoku_oms)さん / X (twitter.com)

Instagram:【公式】本多木蝋工業所(@honda_moku) • Instagram写真と動画

LINE:本多木蝋工業所 | LINE 公式アカウント

営業時間:9時~18時

定休日:毎週月曜日(祝日の場合、団体様予約は承っております。)

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有明町商工会ホームページ

有明町商工会-長崎県島原市 (s-ariake.com)

 

 

2024/01/10

対馬市商工会 長瀬陽介 (澁江商店)

(対馬市商工会)地元農家と連携した地理的不利からの脱却と安定した利益の確保

【地元農家と連携した地理的不利からの脱却と安定した利益の確保】

 

澁江商店

 

 地域経済では、雇用などさまざまな面で小規模事業者が果たす役割は大きい。商工会の会員は9割超がこの事業者に該当し、会では支援の網から漏れないよう力を尽くしている。

 

国境の島・対馬市で八百屋を営む小規模事業者の「澁江商店」。商工会員になり、60年以上が過ぎた。

 

店主の渋江龍也(67)は2代目。創業者の実父から1991年に店を引き継いだが「父の代からお世話になっている商工会には、長年に渡りおんぶにだっこ」と頭をかく。対馬では、小規模事業者の経営相談となると、行政も真っ先に商工会を紹介することが多い。

 

店舗は旧商店街の中心部。近隣の大型スーパーなどとも競合し、厳しい経営を余儀なくされてきたが、高齢者宅などに商品ひとつからでも配達を行うなど、地域に欠かせない存在として信頼を勝ち取ってきた。

03 澁江商店.jpg

 

近年、3代目を担う長男夏輝(37)が県外からUターン。これを機に対馬市商工会主事の長瀬陽介(40)とも連携しながら、改善策を進めてきた。

 

まず、離島ならではの課題として挙げられる荒天時の仕入れ。商品を積んだ船の欠航が続くと卸、小売り両部門に大きな影響が出るため対策が不可欠だった。また、夏輝は市場価格に振り回されず、安定した価格で島民に商品を届けたいとの思いも持っていた。

 

これらの課題を解決するため、長瀬は冷凍、冷蔵の貯蔵設備導入をサポートしたほか、地元農家からの仕入れ拡大の橋渡しも実施。これに伴い売上も拡大した。

 

長瀬は「地域に根差した事業所の支援こそ商工会が得意とする分野。『最初の選択肢』として、これからも尽力したい」と話す。

 

※2024年1月10日(水)の長崎新聞にて掲載されております。

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お店の情報

「澁江商店」

所在地:〒817-0322 長崎県対馬市美津島鶏地528-4

TEL:0920-54-2153

店主:澁江龍也

Instagram:澁江商店est1956(@shibuestore1956) • Instagram写真と動画

営業時間:月曜日~土曜日7時~19時

     日曜日7時半~17時半

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対馬市商工会ホームページ

対馬市商工会 (shokokai-nagasaki.or.jp)

 

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