鎌倉と江ノ島(藤沢)にまつわる神話
むかしむかし そのまた昔
鎌倉の深沢村に大きな沼がありました。
そこには五つの頭を持つ悪い龍
『五頭龍(ごずりゅう)』
が住んでいました。
村人たちは、五頭龍を鎮めるために
毎年村の子供をひとりずつ生贄として差し出していました。
そうしながら、村人たちは今年も平穏に豊作が続くよう
祈りながら暮らしていましたが、
犠牲になった子どもたちを忘れることができず、
重く苦しい暗澹たる日々が続いていました。
ある時のことです。
天空が真っ赤に染まり、閃光がとどろきました。
ピヵー ドド、ドードンと長い間、大きな音と稲光が・・・、
神々の怒りです。
するとあっと言う間に、稲光の落ちた先に島が出来ました。
これが「江ノ島」の誕生です。
そこへ、ひとりの天女が降り立ちました。
なんとも麗しく優美な弁天さまです。
五頭龍は、その美しい弁財天さまに惚れてしまいました。
弁財天さまは悪いことを辞め、過去を償えば
夫婦(めおと)になる約束をしました。
五頭龍は、自身の振る舞いを悔い。あやめた子供たちの供養を行い、
村人の守護神として、龍神さまとなり
毎年、豊作の為の雨を降らせるようになりました。
おしまい。
絵:クリオ 晴山
鎌倉の神社仏閣
龍神さまを探してみてはいかがですか。