2025-12-19 00:00:00

Heart-up 通信 Vol6

男性育休.png【事例紹介】

男性の育児休業取得と会社の対応

福井県では令和5年度より、男性従業員が連続5日以上または通算15日以上の育児休業を取得した場合、企業に対し最大600万円の奨励金を支給する制度を設け、取得に取り組む企業を支援しています。
福井県の有効求人倍率は全国トップ水準で推移しており、人材確保が容易ではない状況の中、少人数体制で事業を支えている企業も少なくありません。こうした状況の中、「男性の育児休業取得を推進するのは理想だが、実務的には簡単ではない」という声も多く聞かれます。

今回ご紹介するのは、まさにそのような環境下にある企業様の事例です。男性従業員から育児休業取得の希望がありましたが、少人数の職場では他の従業員への負担増が懸念され、手放しで「OK」と言える状況ではありませんでした。
そこで、業務内容の洗い出し、棚卸を行い、代替方法を検討、引継ぎを受ける従業員の負担が過度にならないよう配慮しました。電話の自動受付導入や勤怠管理のクラウド化など、業務の効率化も同時に進め、属人化していた業務の見直しを実施し、取得しやすい職場の環境作りに取り組まれました。

こうした取組みを進める中で、厚生労働省の両立支援助成金や福井県奨励金の支給を受けることとなり、結果として業務のシステム化にかかる費用補助の一助となりました。
育児休業を取得しやすい環境を整えた事業主の判断と、その方針のもと協力した従業員の存在があってこそ実現した好事例と言えるでしょう。

「男性育休取りやすくなりました」チラシ

 

 ちょっとひと息☕ 〜美術館にて〜

ふと、静かな時間がほしくなって、越前ふくい美術館へ行ってきました。
外観はミントグリーン、室内は濃紺を基調とした空間です。「ぼーっとしたい」「頭を整理したい」そんな気分のときに、自然と足が向きます。

展示室に入る前、壁に刻まれた言葉があります。
PAX INTRANTIBVS SALVS EXEVNTIBVS 『訪れる人に安らぎを、去り行く人にしあわせを』
思わず足を止めてしまう、そんな言葉です。

今は、歌川広重の「東海道五十三次」が展示されています。
素人ながら、どの作品も構図がとても面白く、また一枚一枚、色づけのポイントが違うことに惹かれました。
「ここを見てほしい」そんな広重の視線やメッセージが、伝わってくるように感じます。

そして、私の本来の目的は、東山魁夷の『白馬のみえる風景』です。
作者の意図はそれぞれにあるのだと思いますが、私には、これらの作品に描かれた白馬が、何故か「希望」にみえます。

けれどこの日は、『山嶺湧雲』の前から動けなくなってしまいました。雲の中に紛れて、そのまま溶け込んでしまいたくなるような、不思議な感覚。ソファに腰を下ろしたまま、しばらく立ち上がれませんでした。
「このままだと、心が少し迷子になりそう」そう感じて席を立ち、『白馬のみえる風景』へ。
「うん。このまま進める。」そう確信できた瞬間、頭の中がすっとクリアになりました。
 
展示を堪能したあとは、併設カフェ「リンデン」へ。
楽しみにしていたバスクチーズケーキと、リンデンフラワーティー。やはりこのお店のチーズケーキは格別です。
甘さと温かさにほっとして。「また明日から頑張れそうだな」そんな気持ちになりました。

美術館.jpgリンデン.jpg

2025-12-12 00:00:00

Heart-up 通信 Vol5

監督官.png【事例紹介】

監督署の調査対応について(報告)

会社には、ときどき監督署や年金事務所などから調査の通知が届きます。そのたびに、「どうしよう…」と不安そうなお声をいただくこともあります。
でも、だいたいの場合は大丈夫。「一緒に確認しましょうね」とお伝えしながら、必要な書類を一つずつ整えていきます。

今回は、監督署から顧問先様に「働きすぎ防止に関する調査」の通知が届きました。労働時間がきちんと管理されているか、長時間労働がないかを確認する調査です。
通知書には、出勤簿や賃金台帳、協定書、就業規則など、15点ほどの書類が指定されていました。

事前にチェックしてみると、いくつか気になる点が見つかります。
まず、タイムカードの前年分が見当たらないこと。労働関係書類は3年、賃金関係は5年の保管が必要です。ここは正直に伝えるしかありません。
また、労働条件通知書には2024年4月の改正項目が抜けていたため、新しい様式をご案内しました。さらに、賃金控除協定書の控えが会社に残っていなかったので、こちらで保管していた分を共有し、改めて締結してもらいました。

80時間超えの長時間労働もなく、年休取得や健康診断の医師の意見も問題なし。普段から丁寧に管理されている会社さんなので、全体としては安心できる状態でした。

迎えた調査当日。
タイムカードの点だけは指摘を受けましたが、その他の運用がしっかりしていたおかげで、調査は無事に終了。是正勧告も指導もなし。
調査後、「無事終わりました」と安堵の声が届き、こちらもほっとしました。

 

ちょっとひと息☕ 〜私のとっておきの気分転換方法〜

年末も押し迫ってきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

私はと言えば、この時期は、給与計算を受託させていただいているお客様の“年末調整”に追われる日々です。
社労士の仕事は「人の問題の専門家」と言われますが、実際の業務は、労働基準法や社会保険関係など、さまざまな法律に基づく手続きや給与計算などの事務手続きが中心。扱う分野が広い分、とてもやりがいがあります。

とはいえ、この時期はさすがに書類に少し埋もれ気味でして、先日はうっかり寝坊してしまいました。
そんな私の日常の小さな切り替えが、日本舞踊です。長く続いたご縁もあり、今は地域で少しお稽古をしていますが、賑やかな皆さんと笑いながら体を動かす時間が、私にとって楽しみのひとつになっています。

本来であれば、私が所属する流派の古典舞踊をお伝えするのが筋なのでしょうが、カラオケがお好きな奥様方は、いつも「先生、この曲で振り付けて」と好きな歌を持ってきてくださいます。
五木ひろしさんや美空ひばりさんなど、たくさんの曲をよくご存じで、「色っぽく踊りたい」「粋に」「かっこよく」などのご要望も盛りだくさん。ただ、そのリクエストに合わせて、仕事の合間に振り付けを考える時間も、私には良いリフレッシュになります。

そして何より、知っている曲だからこそ皆さん振り覚えが早く、その集中力と熱心さには毎回驚かされます。
お稽古の休憩時間に、皆さんとお菓子をつまみながら他愛ないおしゃべりをするひとときが、自然と気持ちをゆるめてくれます。その和やかな空気感をつくってくださる皆さんのおかげで、この時間が私にとって特別なものになっています。
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2025-11-28 00:00:00

Heart-up 通信 Vol4

 seminor_woman.png【事例紹介】

従業員向けハラスメントセミナーを実施しました

今般、お客様からのご依頼により、従業員向けのハラスメントセミナーを実施しました。
職場で起こりやすいパワーハラスメントとセクシュアルハラスメントを中心に、法令上の基準や実際の事例を交えながら説明しました。

まず、パワハラで特に難しいのが 「指導」との線引き です。
今回は、判断の基準となる以下の3点を整理しました。
① 業務上の必要性があるか
② 目的が正当か
③ 手段が相当か(言い方・場所・頻度等)
あわせて、パワハラの基本である6類型を確認し、実際に起きた事例における損害賠償や行為者に問われる責任についても共有しました。

続いてセクハラについては、日常のコミュニケーションの中で起こりやすい具体例を取り上げました。
外見・体型・服装へのコメント、性的な冗談やからかい、恋愛・結婚・妊娠などプライベートへの踏み込み、性別役割の押しつけ、不適切な呼び方(「ちゃん付け」「アイドル扱い」など)も対象となります。

セクハラは、相手がどう受け止めたかによって成立する場合があり、意図に関係なくハラスメントとなる点が特徴です。
そのため、相手との距離感や言葉選びにおいて「相手がどう感じるか」を意識することが欠かせません。

今回のセミナーが、職場でのコミュニケーションを見直すきっかけとなり、誰もが安心して働ける環境づくりにつながれば幸いです。


ちょっとひと息☕ 〜名古屋での学びと、ごほうび時間〜

先日、労働調査会が主催するハラスメントセミナーを受講するため、名古屋に行ってきました。
せっかくなので午前中は少し散策を。名古屋には大切な友人がいるのでお声掛けし、近況を話しながら名古屋城をゆっくり歩きました。

澄んだ青空の下で、金の鯱がきらきら輝いていて、思わず「きれい」とつぶやいてしまうほど。紅葉も美しく、心がすっと落ち着きました。
そして名古屋に来たからには、美味しいものをいただかないと。お昼は、若どりと三種のきのこ入りの味噌煮込みうどん。土鍋で運ばれてきた熱々のスープ、しっかりとしたコシのある麺、赤味噌の深い香りに思わずにっこり。

昔から食べることが大好きで、子どもにも
「嫌なことがあった時は、美味しいものを食べなさいよ」
とよく話してきました。余談ですが、美味しいものを食べている時って、気にかかっていたことも、不思議とどこかへ行ってしまいますよね。

午後からは、本来の目的であるセミナーを受講。知識の再確認とアップデートを目的に参加したのですが、来年予定されるカスハラ法制化のポイントや最新の判例、そして事実関係の調査におけるヒアリング実務まで学ぶことができ、とても充実した時間でした。

帰路、名古屋駅近くを歩いていたら「名古屋コーチン親子丼」の文字が…。
食の誘惑には勝てません。(笑)

学びと友人とのひととき、そして小さなごほうびが詰まった、とても素敵な一日でした。

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2025-11-21 00:00:00

Heart-up 通信 Vol3

【事例紹介】

手鏡.png 社員面談は、会社の“今”を映す鏡

今月、ある企業様からのご依頼により、全社員を対象にした面談を実施しました。
目的は、働く人の「本音」を受け取り、より良い会社づくりにつなげること。

終身雇用が揺らぎ、新規採用が難しい時代だからこそ、
社員の定着率を高め、早期離職を防ぐための“職場の棚卸し”は欠かせません。

今回は、働きやすさ・コミュニケーション・相談のしやすさ・仕事のやりがいなど、
8つのテーマを中心にお話を伺いました。
社員の声には、社長にとって少し耳の痛いご意見もあれば、
「この仕事が好き」「仲間に支えられている」という嬉しい報告もあり、
会社の“今の姿”がよく見える内容でした。

もちろん、すべてをすぐに改善することは容易ではありません。
それでも、「声を聞いた」「受け取った」という姿勢が、会社の未来に大きな一歩を刻みます。

私の役割は、社員一人ひとりが胸にためてきた思いを、安心して話せる場をつくること。
面談内容は厳格に守られ、報告書には職種・性別・年齢など、個人が特定される情報は一切記載しません。
あくまで“意見の集約”として整理し、改善提案にまとめます。

 社員の声は、会社の未来をつくる大切な材料です。
できるところから一歩ずつ。
その積み重ねが、働く人の笑顔を増やし、会社の魅力を高めていくと信じています。🌿


ひと息の向こうがわ ~プロジェクトXな私~

ここからは、少しプライベートのお話を。

人生では誰しも、“信じていたものが変わる瞬間”を経験します。
私にも何度かその時期があり、足元が崩れるような痛みもありました。
それでも不思議と、気づけば前を向いていました。
(日々、子の笑顔とひたむきさに支えられてきたことは大きいです。)

先日帰省した弟に「姉ちゃん、まるでプロジェクトXだな」と言われ、
あぁ、そんなふうに見えるのかと、思わず笑ってしまいました。

なぜかいつも全力で生きてしまう私ですが、
その根っこにあるのは“人が好き”という思いです。
経験を重ねたからこそ、人の温度や優しさが胸に残り、
あらためて 人生をつくるのは時間ではなく、そこで出会う『人』なのだと感じています。

そして、どんな年代になっても、心に響く言葉がそっと背中を押してくれる瞬間があります。
私も、進む方向を見失いかけたときに、偶然のようでありながら、
私には必要だった「言葉」に救われました。

 これからも、人の力を信じながら、
働く人と組織を支える仕事に丁寧に向き合っていきたいと思います。

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2025-11-07 09:00:00

Heart-up 通信 vol2

【事例紹介1】

 🚚 運送業の賃金設計

F社ではこれまで、地域別最低賃金の引上げに合わせて昇給していましたが、より公平で透明性の高い賃金体系を目指し、評価制度を導入しました。
新制度では、成果や責任を反映し、同一職種・勤続年数でも評価結果に応じて賃金に差が生じる仕組みです。役職ごとに一般職・主任・課長・部長の区分を設け、評価ポイントに基づいて賃金表のランクが上がるよう整備しました。

また、事務職、地場ドライバー、ダンプ、トレーラー職に賃金表を設定し、段階的に固定残業代を縮小。今回は42時間分から35時間分に見直し、7時間分を基本給へ組み替えたうえで昇給を実施しました。

導入に際しては、全社員と2回の個別面談を行い、制度内容を丁寧に説明。不安を解消しながら、最終的に全員が新たな雇用契約書に合意・署名しました。
評価制度の導入により、社員一人ひとりが目標を明確にし、意欲的に働ける職場づくりが進んでいます。

【事例紹介2】

🍃65歳以降の雇用継続への対応

 今期、65歳を迎える社員の今後の雇用についてご相談をいただきました。
ご相談先では、定年後の継続雇用制度により60歳以降も就労を続けてきましたが、後任者も育ち、65歳以降の再々雇用は難しい状況でした。

現行法では、65歳までの継続雇用が企業の義務とされ、70歳までの就業確保措置(再雇用、委託契約、社会貢献活動支援など)は努力義務とされています。対応にあたっては、過去の再々雇用実績との整合性や公平性に配慮し、恣意的な判断と受け取られないよう理由を整理しておくことが重要です。

けれど、人としての視点で見ると、少し胸に残るものがあります。再々雇用を希望された方にとって、仕事は「生活の糧」であると同時に、「これまでの努力と存在価値の証」でもあります。その思いを否定せず、敬意をもって「あなたがいたから、今の後任が育った」と伝えることが最も大切です。仕事を続けるかどうか以上に、「自分がこの会社に必要だった」「きちんと役割を果たせた」と感じてもらえるかどうかが、その方の人生の区切りを温かくします。

今回のケースでは、長年の貢献への感謝を丁寧に伝え、現状では再々雇用の必要性が認められない旨を説明する方向で整理しました。今後同様のケースに備え、判断基準を明文化することも推奨されます。「両者にとって納得のいく結果を出せるよう努めたい」とのお言葉をいただき、誠実な企業姿勢が印象的でした。

 

ちょっとひと息☕ 〜京都小旅行にて〜

11月初めに、京都へ小旅行に出かけました。目的は、ロシアにバレエ留学している子が一時帰国中に、お世話になっている教室の発表会。せっかくなので少し早めに京都入りし、初めて二条城を訪れました。
中でも二の丸御殿は、徳川将軍の権威を象徴する豪華絢爛な障壁画で知られています。遠侍の間や大広間には、金地に堂々と描かれた虎や松。訪れる者に“徳川の威光”を印象づける空間です。
けれど、奥へ進むと空気がふっと変わります。黒書院と呼ばれる部屋は、将軍が親しい大名と対面する場。そこには桜や梅、菊など四季を感じさせる花々、そして扇に桔梗をあしらった静かな意匠が広がり、華やかさの中に落ち着いた気配が漂っていました。力を誇示する前方の間に対し、黒書院はまるで心を鎮める“静の空間”。落ち着いた品格を感じました。
清流園や二の丸庭園の景色もまた、心が自然と整っていくような穏やかさに満ちていました。

二条城.png
その後に訪れたバレエの発表会では、グラズノフの《四季》が上演されました。小編成オーケストラの繊細な音と、踊り手たちのしっとりとした動きが調和し、季節の移ろいを音と身体で描くよう。華やかさよりも、“余韻”の美しさが心に残りました。舞台を見つめながら、幼い頃のわが子の姿が重なり、胸の奥が温かくなる瞬間もありました。
歴史の荘厳と、芸術の繊細さ。一日を通して、異なる「静」と「動」に触れ、心が整うような京都の時間でした。

バレエシューズ.png