Heart-up 通信 Vol39
「会社が借りているアパートに従業員を住まわせています。住宅手当も支給していますが、賃借料は給与から控除しています。この場合、社会保険の標準報酬月額はどのようになりますか?」
先日、顧問先様からこのようなご相談をいただきました。
このケースで関係してくるのが、「現物給与」という考え方です。
現物給与とは、金銭ではなく、会社から「物」や「サービス」の形で支給されるものをいいます。例えば、社宅や寮、会社で支給される食事、通勤定期券などが該当します。
これらも労働の対償である以上、社会保険では「報酬」として取り扱われます。ただし、会社が実際に負担した金額で計算するのではなく、国が定めた「現物給与の価額」を用いて計算します。
今回の事例では、住宅手当を支給していますが、支給額をそのまま報酬に含めるわけではありません。現物給与の価額に住宅手当を加え、本人負担額を控除して報酬額を算出します。
【計算例】
・18畳の部屋(台所・トイレ・浴室・廊下を除く)を2人で利用
・給与から賃借料16,000円(水道光熱費を除く)を控除
・住宅手当20,000円を支給
18畳 ÷ 2人 × 1,220円(福井県の現物給与価額)=10,980円
10,980円+20,000円-16,000円=14,980円
この場合、標準報酬月額に含めるのは住宅手当20,000円ではなく、14,980円となります。
特に、社宅や社員寮など会社が住宅を提供している事業所では、社会保険上の取扱いについて、一度確認しておくことをおすすめします。
※ なお、現物給与の価額は見直しが行われており、食事については令和8年4月1日から、住宅については令和8年10月1日から新しい価額および計算方法が適用されます。住宅は、従来の「台所・トイレ・浴室・廊下を除いた畳数」での計算から、これらを含めた面積で計算する取扱いへ変更されます。
令和8年4月から現物給与の価額が改正されます
能登を訪れました🌿
先日、顧問先様からお声掛けをいただき、「能登応援!日帰りバスツアー」に参加してきました。
2024年能登半島地震以降、能登がどういう状況なのか気になりながらも、なかなか訪れる機会がありませんでした。今回、実際に現地を訪れ、自分の目で見て、話を伺うことができました。
コースは、千里浜なぎさドライブウェイ、ドライブインで名物の「ハントンライス」をいただき、のとじま水族館を見学。その後、輪島朝市エリアで震災当時の状況や現在の復興の様子についてお話を伺いました。
輪島へ向かう山道は、時折バスが大きく揺れるほど道路の傷みが残り、進んでも進んでも工事が続いていました。復旧には、まだ多くの時間が必要であることが伝わってきます。
現地に到着すると、そこには東京ドーム約1個分もの範囲が焼失し、今は草が生えているだけの広大な土地が広がっていました。ひび割れた道路、仮設住宅、傾いたままの電柱など、震災の爪痕が今も残っています。
そこには、多くの方の「あたりまえの日常」がありました。それがある日突然失われたことを思うと、言葉が見つかりませんでした。
その場所で、2024年能登半島地震で起きたさまざまな被害についてのお話を伺いました。朝市周辺の大規模火災では、津波警報が発令されたため住民の皆さんは避難を最優先とし、初期消火ができなかったこと。また、水道管の破断により消火栓が使えず、建物倒壊によるがれきで防火水槽も利用できなかったこと。さらに、地盤隆起の影響で川の水まで失われるなど、さまざまな要因が重なり、消火活動は極めて困難だったそうです。
輪島では現在、再建に向けた工事が進められており、2027年4月には商店街のオープンが予定されています。ガイドさんは、「1年後、3年後、5年後と継続して能登を訪れてください。そして、被災地の現状を多くの人に伝えていただくことも復興支援の一つです」と話されていました。
以前、数度能登を訪れました。海岸線の美しい景色や、牡蠣をはじめとした海の幸など、能登には魅力がたくさんあります。
再開した商店街、そして再びにぎわう輪島朝市を見に、また能登を訪れたいと思います。
Heart-up 通信 Vol38
顧問先様より、「現在の退職金制度を見直したい」とのご相談をいただきました。
現在採用されているのは、勤続年数方式による退職金制度です。
長年運用されてきた制度ではありますが、今後の会社の方向性や将来の退職金原資などを踏まえ、見直しをご検討されていました。
そこで、次のような選択肢をご提案しました。
・ポイント制
・勤続ポイント+等級ポイント制度
・中小企業退職金共済制度(中退共)の活用
・企業型確定拠出年金(企業型DC)
・上記制度を組み合わせた併用プラン
それぞれに特徴があり、会社の規模や財務状況、人事制度、将来の採用・定着戦略などによって最適な選択肢は異なります。
そのため、メリット・デメリットだけでなく、それぞれの制度の特徴や運用面なども踏まえ、比較・検討していただきました。
顧問先様が選定されたプランを基に、これから具体的な内容を詰めていきます。
退職金制度の見直しは、単に計算方法を変更すればよいものではありません。従業員様の既得権や期待権に十分配慮し、不利益変更とならないよう慎重に検討する必要があります。
労使双方が納得し、将来にわたり安心して運用できる退職金制度となるよう、事業主様の経営方針と従業員様への配慮との両立を図りながら、制度設計を進めていきます。
ちょっとひと息👜
娘と名古屋と鳥羽へ小旅行に行ってきました。
旅行プランは娘が作ってくれて、目的は美味しいものを食べることと、鳥羽水族館のラッコのメイちゃん、キラちゃんに会うこと。
驚いたのは、メイちゃんとキラちゃんの人気です。
平日にもかかわらず30~40分待ち。しかも、見られる時間はわずか1分。思わず「えっ!?」と驚いてしまいました。
それでも、その1分間で見せてくれる愛くるしい💕姿にすっかり魅了され、もう一度並んでしまいました(笑)。
本当は1時間くらい、その姿をぼーっと眺めていたかったのですが、他の展示もゆっくり楽しみ、水族館ならではの癒やしの時間を満喫しました。
水族館は、水の中にいるような静かな感覚になれるところが好きです。
名古屋では、スイーツと手羽先を思う存分堪能しました。
手羽先を味わいながら、20数年前、名古屋出張の際に開いていただいた食事会のことを思い出しました。
当時の私は、企画・営業の仕事をしていました。
お客様に喜んでいただくこと、そして売上につながる企画を考えることが本当に楽しく、夢中で仕事に向き合っていた日々を懐かしく振り返りました。
あの頃に身につけた接客力や、お客様に喜んでいただきたいという気持ちは、社労士になった今も私の仕事の土台になっています。
仕事は変わっても、大切にしたい想いは変わらないものですね。
娘との楽しい時間を過ごし、昔の自分を振り返ることもできた、心もお腹も満たされた素敵な小旅行になりました。✨
Heart-up 通信 Vol37
夏本番ですね。北陸では梅雨明けはまだですが、連日厳しい暑さが続いています。
先日、お客様から次のようなご相談をいただきました。
「今年も『STOP!熱中症 クールワークキャンペーン』が実施されていますが、会社として改めて熱中症対策について確認・整理し、従業員にも分かりやすく周知して、安全に働ける環境を整えたいと考えています。
近年は猛暑日が増え、職場における熱中症対策の重要性はますます高まっています。既にさまざまな対策を実施されている事業所も多いと思いますが、毎年暑さの状況は異なります。今年も今一度熱中症対策を確認しておきましょう。
特に屋外作業や高温環境での作業では、暑さを感覚だけで判断するのではなく、客観的な指標を活用することが大切です。
そこで活用したいのが、WBGT値(暑さ指数)です。
ご存じの方も多いと思いますが、WBGT値は、気温に加え、湿度や太陽・地面からの照り返し(輻射熱)も考慮した、熱中症の危険度を示す指標です。
WBGT値の目安
・25℃未満 … 注意
・25~28℃ … 警戒
・28~31℃ … 厳重警戒
・31℃以上 … 危険
また、熱中症対策は当日の水分補給だけではありません。日頃からウォーキングなどの軽い運動を行い、身体を暑さに慣らしておく「暑熱順化」も、熱中症予防に効果があるとされています。
屋外作業だけでなく、工場や倉庫など高温環境での作業、営業や配送など外出の多い業務でも熱中症のリスクがあります。炎天下では車内も短時間で高温になるため、職種を問わず注意が必要です。
会社としては、次のような基本的な対策を継続することが重要です。
・WBGT値を確認し、作業環境を把握する
・始業前に体調チェックを実施する
・水分・塩分を補給しやすい環境を整える
・適切な休憩時間と休憩場所を確保する
・体調不良を申し出やすく、お互いに声を掛け合える職場づくりを行う
・熱中症が疑われる場合の処置手順(フローチャート)をあらかじめ周知しておく
また、従業員一人ひとりも、十分な睡眠をとること、仕事前に体調を確認すること、こまめな水分・塩分補給、無理をせず早めに休憩を取ることを心掛けましょう。
もし、「いつもと違う」「少し様子がおかしい」と感じたら、熱中症を疑いましょう。意識がもうろうとしている、自力で水分補給ができない場合は、ためらわず119番通報を行い、救急隊の到着を待つ間は身体を冷やす応急処置を行うことが重要です。
熱中症は、正しい知識と早めの対応によって防ぐことができます。
職場全体で熱中症に関する基本的な知識を共有し、一人ひとりが日頃から健康管理・体調管理を意識して、この夏を安全に乗り切りましょう。
※本記事は、厚生労働省「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」のホームページを参考に作成しています。職場での周知に活用できるリーフレットやフローチャートも公開されていますので、社内教育や掲示資料としてぜひご活用ください。
STOP!熱中症 クールワークキャンペーン/厚生労働省|厚生労働省
熱中症を防ごう!
熱中症予防スイッチ・オン 自分でできる7つのこと
熱中症のおそれのある者に対する処置の例 フロー図
ちょっとひと息🍅
父と母が日々の楽しみとして育てている畑の夏野菜が、収穫の時期を迎えました。
毎日、新鮮な野菜を食べられるのは本当に幸せです。
特に私はトマトが大好きなので、この時期は毎食食べても飽きないくらい…♪
もちろん、お肉もお菓子も好きなのですが(笑)、この年になっても健康診断で再検査の項目がないのは、父と母が育ててくれた野菜のおかげだと思っています。
いつもありがとう。くれぐれも無理はしないでね。🍀
Heart-up 通信 Vol36
【事例紹介】
パートから短時間正社員へ ~キャリアアップ助成金を活用した人材定着~
最近、キャリアアップ助成金(正社員化コース)のご相談の中で、短時間正社員制度を新たに導入し、有期契約の短時間労働者(パートタイマー)を短時間正社員へ転換したいという企業が増えてきました。
背景には、人手不足に加え、同一労働同一賃金制度への対応もあるようです。
以前は「パートだから賞与や退職金は支給しない」という企業も少なくありませんでしたが、現在は雇用形態だけを理由とした不合理な待遇差は禁止されています。
そのため、有期契約労働者やパートタイマーの待遇を見直し、賞与や退職金を含めた処遇の改善を検討する企業が増えています。
一方で、働く人にもさまざまな事情があります。
「正社員として働きたい。」そう思っていても、
・子どもが小さく、土・日・祝日の勤務が難しい
・保育園のお迎えがあるため、フルタイム勤務ができない
このような理由から、正社員への応募をあきらめている方も少なくありません。
また、有期契約労働者やパートタイマーの中には、契約更新への不安や、賞与・退職金などの待遇面に不安を抱える方もいます。
こうした課題を解決する選択肢の一つが、「短時間正社員制度」です。
勤務時間は短くても、期間の定めのない正社員として雇用し、働き方に応じた待遇を整える制度です。
企業にとっては、経験のある人材に長く活躍してもらいやすくなり、働く人にとっては、ライフステージに合わせながら安定した雇用やキャリア形成を目指すことができます。
こうした制度の導入を後押しするのが、キャリアアップ助成金(正社員化コース)です。
例えば、中小企業では、
・有期契約の短時間労働者を正社員へ転換し、転換後6か月勤務すると40万円(対象者の要件により2期で計80万円)
・新たに短時間正社員制度を導入した場合は20万円加算
・さらに、正規雇用労働者への転換制度などの情報を自社ホームページ等で公表した場合は20万円加算
なお、助成金を受給するためには、制度を設け、就業規則を整備し、制度を適正に運用するなど、所定の受給要件を満たす必要があります。
※ 詳細は厚生労働省のパンフレットをご参照ください。➡キャリアアップ助成金のご案内(令和8年度版)
助成金は制度導入のきっかけとなりますが、その後も企業と働く人の双方にメリットをもたらすのが、短時間正社員制度です。
多様な働き方を実現するための一つの選択肢として、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
🎬 ちょっとひと息🍿
娘と映画「ラブ≠コメディ」を観てきました。
ラブコメの楽しさはもちろん、仕事への向き合い方にも共感できる作品で、親子でキュン💕としたり、クスッと笑えたりしながらも、自然と「また明日から頑張ろう」と思える映画でした。
舞台はドラマの撮影現場ですが、「より良い職場づくりのヒント💡」を感じる場面がたくさんありました。
仕事への熱意や、心配り、支え合いなど…
働く上で大切なことに改めて気付かせてくれる、世代を問わず前向きな気持ちになれる作品だと感じました。🌿





