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議会質問&会派取組

2012-07-09 10:26:00

 

報告1 石川県珠洲市「地域防災支援員制度」について

 (平成24年7月4日)

 平成24年7月4日9時50分最初の目的地、石川県珠洲市上戸町北方1-6-2の珠洲市役所に到着。珠洲市議会事務局長 鍛冶 鉄雄氏のお出迎えを受け、珠洲市長の泉谷 満寿裕氏、同市議会副議長の大兼政 忠男氏の挨拶を受け、本日の目的である「地域防災支援員」について、珠洲市役所企画財政課長の金田 直之氏、総務課参事(兼)危機管理室長の坂 登三雄氏、及び危機管理室・地域防災支援員の浅田 久美氏よりレクチャーを受けた。

 「地域防災支援員」の制定に至る経緯について説明を受け、ついでその活用と結果の報告を受け、質疑応答に入り、その成り立ちと現状を充分にお伺いする事ができた。

 

 1、 配置までの経過

  集中豪雨、竜巻などの自然災害や、火災・事故など各地で大きな被害が報告されている。阪神・淡路大震災や、東日本大震災は壊滅的な被害を与え、多くの犠牲者を出した。特に東日本大震災で発生した大津波の被害は甚大かつ深刻であり、市域のほとんどを海に面した珠洲市においては「自分たちで命を守る」ことを、主体的に考えて行動しなければならない。そこで、石川県の「多様な担い手による協働モデル事業」を活用しモデル地区の自主防災組織単位で『ちょっこり・たすけ隊』を展開することになった。

 

 2、 『ちょっこり・たすけ隊』の目的

 避難弱者(65歳以上の高齢者世帯や身体活動に不都合がある方)に対し、『できる時に・できる事を』基本として「公助・近助」の精神でコミュニケーション作り、緊急時の繋がりとして活かしていこうとするものである。  

 

 3、 『ちょっこり・たすけ隊・たすけられ隊』の活動内容  

 避難弱者が、各地区の自主防災組織事務局(公民館)に、依頼を電話で申し込む。依頼を受けた事務局は、登録ボランティア『ちょっこり・たすけ隊』の中から、都合のつく「隊員」を選任する。『ちょっこり・たすけ隊』は指定された日時に依頼者を訪問し、困りごと解消の手伝いをする。任務終了後、依頼者の有料チケット(500円)を受け取り、事務局へ提出する。この展開のなかで、災害時や避難時に必要な情報を収集し、地域共通の認識事項として共有する事で、緊急時の備えとし、自主防災組織の位置付けを確立することを目的とする。

 

 4、 今後の課題について

  『住民が取り込むべき課題』として珠洲市のアンケート調査の結果、①地域住民相互の声掛け・見守り②防犯・防災など地域の安全を守る③高齢者世帯への生活支援④高齢者の社会参加や生きがいづくりが上位に挙げられている、直ちに「地域防災支援員」の活動を市民に理解をしていただき、定着させなければならない。また、市民に有料チケットの必要性を理解していただく事と公民館を運営する方々のモチベーションの維持を挙げられていた。

 

 5、「地域防災支援員」について  

 この事業については地域防災支援員浅田 久美氏の尽力に負うところが大きい。浅田氏は本年4月から地域の防災力向上に取り組み、珠洲市内10地区の自主防災組織を指導し、訓練に関するアドバイスなど活動を活性化する仕事についた。「とにかく珠洲市を守らないといけない」と話す。  本市においても、防災という観点から浅田氏のような人材を発掘するか、現職員を再教育し、情熱のある人材を確保しなければならないと考える。 11時30分に当初の視察の目的を終え、珠洲市役所を退庁した。

 

 

 

 報告2 石川県白山市「白峰地区中心市街地再整備計画」について

 (平成24年7月5日)

 平成24年7月5日9時50分視察の目的地である石川県白山市白峰八130番地の白山市白峰支所に到着。白山市白峰支所長の小田 孝二氏の歓迎挨拶の後、本日の議題の「白峰地区中心市街地再整備事業」について白山市白峰支所市民サービス課長の池田 昌俊氏よりレクチャーを受けた。「白峰地区中心市街地再整備事業」の制定に至る経緯について説明を受け、ついでその活用と結果について報告を受け、質疑応答に入り、白峰地区中心市街地を見学し、その成り立ちと現状をお伺い知ることができた。

 

 1.設立の経緯

  「白峰地区中心市街地再整備計画」については、「白峰地区中心市街地再整備計画検討委員会」によって、白峰温泉総湯、白峰地域交流センターを核とした三ヵ年の整備計画が、平成18年6月に答申され、合併後の地域活性化に向けた動きが始まった。  まちづくりの基本は自主自立であるという基本理念から、雪だるままつりをはじめとする住民主体の活動が積極的に行われており、さらなる地域再生に向けた取り組みを進めるため、地元町会を中心として「特定非営利活動法人白峰まちづくり協議会」を設立することとなる。平成20年8月に認証を受け、設立した。

 

2、 事業概要

  現代版景観家並み作り、現代版湯治湯など、良質の温泉と伝統的町並みを活かし、高山植物などと合わせて魅力ある白峰らしさの演出をテーマとし、住む人が地域を誇るとともに、来訪者を癒すことができる環境づくりを未来像とする。

 

3、 白峰地区中心市街地再整備事業

  総事業費9億8,467万円 (国庫補助金:2億9,610万円・起債6億6,760万円・一般財源:2,079万円)

 事業期間 平成19年8月~22年5月

 主な事業内容

※ 白峰温泉総湯・地域交流センター

事業費5億2,535万円 建物面積1,121㎡ 整備年度平成19年度~20年度

※ まちなか公園  

事業費1億2,633万円 建物面積3,600㎡ 整備年度平成19年度~22年度

※特産物販売供給施設  

事業費7,473万円 建物面積267㎡ 整備年度平成20年度~21年度

※ 道路整備  

事業費1億1,327万円 総延長1,600m 整備年度平成19年度~21年度

 

4、白山市白峰伝統的建造物群保存地区

  日本屈指の豪雪地帯であるきびしい自然と風土がつくりあげた、独特の伝統的様式を残す。

 

5、町並みの特徴

  細長く狭い河岸段丘上に、300棟の建物が密集した集落である。道路沿いに棟が平行に並び、等高線沿う小道や石積みも特徴的である。歴史的建築物が多く残り、地区の中央部に数多く現存する神社、寺院と、景観整備された下見板張りの外壁を持つ戦後の住宅も一体となり、統一された歴史的景観が形成されている。

 

6、最後に

  このような町並みや歴史的建築物を保存し、管理することは、地域の活性化や来訪者の増加、物産の販売に寄与するものと考える。本市においても、寺内町等の景観保存を進めてはと考えるが、前記のように多額の財源が掛かる。その費用捻出をどのようにするかが、これからの課題である。

 最後まで熱心に説明して頂き、町並みをご案内頂いた 池田課長にお礼申し上げ、11時30分に当初の視察の目的を終え、白山市白峰支所を退庁した。

 以上、石川県珠洲市、白山市白峰支所の視察報告と致します。