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議会質問&会派取組

2009-03-11 12:53:00

◆平成21年第1回定例会 市民クラブ代表質問

 

◎松波謙太議員
 お許しをいただきましたので、私は市民クラブを代表して、市政運営方針演説並びに関連諸議案に対しまして、通告順に従い質問いたします。
 吉道市長におかれましては、昭和45年2月に市長就任以来40年近く、健康に留意され市政が滞ることもなく、貝塚市民のために御尽力を賜りましたことを市民の一人として感謝申し上げます。
 市長は就任直後から財政の立て直しに取り組まれ、今日の財政基盤を築かれたのでありますが、その間、地場産業の繊維産業、ワイヤーロープ産業の衰退により税収が激減するという苦しい時代を乗り越え、その間も市民サービスを低下させることなく頑張ってこられました。
 また、二色産業団地への企業誘致、市民体育館、コスモスシアター、市民病院等の建設、行財政改革の推進、「元気あふれる みんなのまち 貝塚」の実現に向けての尽瘁等、言い尽くせない数々の業績を残されたことに、衷心より敬意をあらわす次第であります。
 それでは質問に移らせていただきます。まず1つ目の財政見通しについてお尋ねいたします。
 さて、昨秋のリーマン・ブラザーズ破綻の影響を受け、世界同時不況になり、米国株式市場の急落のため、連日のように日経平均株価はバブル崩壊後の最安値を更新したと報じられ、また、日本の政局の混乱で実体経済の悪化に拍車がかかる負の連鎖の懸念が高まっている中、国はもとより、各地方自治体はその影響をもろに受け、深刻な事態となっております。我が市においても、各企業は大不況に陥り、税収にあっては深刻な事態が予想されます。
 このような中、平成21年度の予算が上程されましたが、貝塚市行財政実施計画に基づき財政収支の均衡は図られているものの、法人市民税、たばこ税等の歳入が減少し、いかんともしがたい状況です。また、歳出にあたっては人件費、扶助費、教育費の増加、また岸貝清掃組合に対する維持管理負担金や建設負担金、病院経営負担金、後期高齢者医療制度に伴う負担金の増加などがあり、財政調整基金を取り崩しせざるを得ない状況であります。
 昨年、10月20日の議員総会で報告された財政収支見通しの報告によると、実質収支額平成21年度8億1,100万円のマイナス、平成22年度は8億2,900万円のマイナスと報告されています。この報告によりますと、平成23年度には財政調整基金が底をつくという事態になると思われますが、将来に向けての財政見通しについてお伺いいたします。
 次に、2つ目の本市の小・中学校の耐震化についてお尋ねいたします。平成19年9月の第3回定例会において、私の同僚議員が本市における小・中学校の体育館及び校舎の耐震化についてお伺いいたしましたところ、次のような趣旨の御答弁をいただきました。
 1、学校施設の耐震化を推進するためには、まず施設ごとに耐震診断を行い、耐震性を確認し、耐震補強が必要となれば改善を行うということ。2、本市においては平成9年から耐震診断に取り組むとともに一部耐震補強工事や改築工事を実施、平成19年9月現在で小学校の耐震化率は校舎が40.05%、屋内運動場が70%、中学校の耐震化率は校舎が40.09%、屋内運動場が60%まで進んでいるということ。3、今後は、耐震化未実施の建物の早急なる2次耐震診断の実施に取り組み、平成20年度から平成24年度までの5年間を計画年度とする国が予定する公立学校施設耐震化推進計画の策定の今後の動向も踏まえ、耐震化に取り組むということ。その後、平成20年6月の第2回定例会において再度、本市の小・中学校の体育館及び校舎の耐震化について質問させていただきました。
 時は折しも甚大な被害を及ぼした中国四川省の大地震の直後、7,000棟もの学校が倒壊、大勢の子どもたちの命が奪われ、もはや対岸の火事ではないと、私たちのだれもが衝撃を受けました。質問の内容は、1、平成20年9月現在の貝塚市における小・中学校の耐震化の進捗状況、2、近い将来、東南海・南海地震が起こる可能性が高いと考えられる本市を含む地域一体の耐震化の優先を積極的に国に働きかける必要があると考えるが、本市の国に対する姿勢はどうなのか。今後の耐震化計画の予定を伺うとともに、その耐震化計画の状況を市民にどこまで、どのように公表される予定なのかということ。3、子どもたちと教職員の地震に対する認識や危機意識の向上を目指して、どんな対策が現在とられているのか。また、検討されているのか。以上3つの質問に対して西 敏明教育長より次のように御答弁いただきました。
 まず、平成19年9月定例会以降の耐震化の進捗状況につきましては、東小学校の屋内運動場の耐震補強工事が完了し、平成20年6月現在、西小学校の屋内運動場の改築工事に取り組んでいる。平成20年度において、第二中学校屋内運動場の耐震補強工事のための実施設計を行い、平成21年度において補強工事を実施すること。また、耐震性を把握するための耐震1次診断については、平成18年度に小学校校舎、平成19年度に中学校校舎と既に実施完了しているとの報告をいただきました。
 今後の耐震化計画については、国の補助制度の活用を図り、でき得る限り早急に耐震化を進めるにあたり、補強工事の効率化を図るためにも建築基準法の昭和56年6月1日施行の新耐震基準以前に建設された校舎の耐震2次診断の早期実施に努めること、また国の動向に注視しながら慎重に対応するとの建設的なお答えをいただきました。
 3点目の子どもたちや教職員の地震に対する危機意識の向上については、既に地震を想定した避難訓練やビデオ教材等を活用した防災教育が行われていること、特に浜手の小学校においては津波に対しての訓練を行っていること、平成19年度には、小学校5校、中学校2校が「阪神・淡路大震災記念館人と防災未来センター」や「泉佐野市防災学習センター」の施設を訪問し、模擬体験等を通して防災意識を高めているなどとの報告を受け、今後とも先進的な取組みを参考にし、各校での避難訓練や防災教育の充実を図りたいとのお約束もいただいた次第であります。
 さて、この2度にわたる質問と答弁を踏まえ、また、年頭より繰り返し拝聴いたしておりますところの吉道市長の「借金を質に置いてでも、耐震化を進める」という力強いお言葉のとおり、粛々と耐震化を進めていただいておるものと認識しておりますが、地震というものは、御承知のとおりいつ何どき起こるなどと予想のつかないものであります。
 そこで、具体的に1つ目の質問として、想像したくもありませんが耐震化が完全になされていない状況下で、万が一地震が起きた場合の対処は考えられているのでしょうか。地震が起きたとき、子どもたちはどこへ避難すれば安全なのでしょうか。そのとき教師はどうすればよいのでしょうか。校舎から直ちに避難するべきなのか、それとも、校舎にとどまるほうがより安全なのか、詳しい耐震指数を公表されない限り現場の教師は対応のとりようがないのであると考えますが、いかがでしょうか。
 2つ目の質問として、その後の耐震化の進捗状況はいかがでしょうか。
 3つ目の質問として、詳しい各校舎の耐震化率の公表を考えておられるのか。また前述のように現場教師にどのように伝えようとされているのかお伺いいたします。
 次に、3つ目の子どもたちの携帯電話についてお尋ねいたします。
 本年、2月26日の読売新聞によりますと、「文部科学省は25日、小中高生の携帯電話に関する初の利用実態調査の結果を発表しました。中学2年の約2割が1日に50通以上のメール送受信を行っており、100通以上やりとりする小学生もいました。入浴中や食事中も携帯電話を手放せない子どももおり、子どもの「携帯依存」が進んでいることが改めて浮き彫りになっています。一方、児童買春に悪用されているプロフ(自己紹介サイト)について約7割の保護者がよく理解していないなど、親が子どもを守るための基本的な知識を持ち合わせていないこともわかった」と掲載されました。
 文部科学省が先月、全国の教育委員会に小・中学校への原則持込禁止を通知したとのことですが、学校以外での小・中学生の携帯電話の使用を制限することまではできません。それには家庭での親の対処が必要です。先ほどの新聞の記事にもあったように、保護者の多くは悪質サイトから子どもを守るすべを知らないのです。文部科学省では、「親の認識を高めることが、子どもへの携帯の適切な使い方の指導につながる」と指摘しています。
 ここでお尋ねいたします。小・中学生の携帯の使用に関して、本市ではどのような見解を示しておられるのでしょうか。子どもたちの健全な育成のために、今後どのような対策を考えておられるのでしょうか。悪質サイトの閲覧を制限するフィルタリングを保護者に学んでもらう勉強会の開催や、家庭でのルールづくり、携帯電話の適切な使用法に対する意識向上を図るリーフレットの配布などといった特別なプログラムが必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、4つ目の戸籍謄本・住民票の本人通知制度についてお尋ねいたします。
 戸籍謄本や住民票の不正入手を防ぐため、本人以外からの請求があった場合に通知する制度が来年度から大阪狭山市等で導入されることが新聞報道などでも明らかになりました。これは大阪府の橋下知事が提唱したもので、大阪府市町村課は「個人情報の不正利用の防止や抑止につながる」としており、来年度の運用実績をもとに制度実施を法に盛り込むよう国に求める考えであると仄聞しています。
 本人通知の対象となるのは、戸籍謄本や住民票の写しなどであり、通知を希望する人は自治体に登録すると、委任状を持った代理人のほか、職務としての書類を請求できる弁護士や司法書士等第3者から請求があった場合、自治体が登録者に請求があったことを通知することになっています。この問題は、平成17年に発覚した行政書士が戸籍謄本等を不正に入手し、興信所等が身元調査を行っていた事件がきっかけとなりました。6月からスタートされる大阪狭山市でも、昨年1月に偽造委任状を持った男が窓口で市内の男性の住民票と戸籍謄本を請求する事件を初め、平成19年度に同様の事案が3件発生したと仄聞しています。3件のうち1件は未遂に終わったそうですが、2件は戸籍謄本などが不正に引き出された疑いもあるといいます。一方、貝塚市においても平成17年の調査時に12件の方が行政書士に戸籍や住民票が取得されていたこともわかってきています。
 そこで、お尋ねしますが、貝塚市における戸籍謄本や住民票が不正に取得される防止策をどのようにお考えかお聞かせください。
 また、大阪府が提唱している本人通知制度の導入をすべきであると考えますが、いかがでしょうか。お尋ねいたします。
 次に5つ目のエコアクション21認証・登録制度についてお尋ねいたします。
 エコアクション21認証・登録制度は、広範な中小企業、学校、公共機関等が、環境への取組みを効果的・効率的に行うシステムを構築・運用・維持し、環境への目標を持ち、行動し、結果を取りまとめ、評価し、公表する方法として環境省が策定した「エコアクション21環境経営システム・環境活動レポートガイドライン2004年版」に基づく認証・登録制度です。
 エコアクション21の特徴は、中小事業者等の環境への取組みを促進するとともに、その取組みを効果的・効率的に実施するため取り組みやすい環境経営システムです。エコアクション21では、必ず把握すべき項目として、二酸化炭素排出量、廃棄物排出量及び総排水量を必須としています。さらに、省エネルギー、廃棄物の削減・リサイクル及び節水の取組みを必須としています。これらの取組みは、環境経営にあたっての必須の要件です。
 事業者が環境への取組状況等を公表する環境コミュニケーションは、社会のニーズであるとともに、みずからの環境活動を推進し、さらには社会からの信頼を得るための必要不可欠の要素となっています。
 そこで、環境活動レポートの作成と公表を必須の要件として規定しています。このような取組みのメリットとしては、環境経営システム、環境への取組み、環境報告の3要素が1つに統合されたガイドラインであることから、環境への取組みを総合的に進めることができ、また比較的容易かつ効率的に取り組むことができます。
 エコアクション21に取り組むことにより、環境への取組みの推進だけでなく、光熱水費などの経費の削減や生産性・歩どまりの向上といった経営的な観点からの効果を上げることができます。環境活動レポートを作成し、外部に公表することにより、利害関係者に対しての信頼性が向上することが考えられます。
 大阪府下では、いち早く河南町がエコアクション21の認証に取り組みました。河南町では取り組むメリットとして、1、環境にやさしいまちづくりのシンボルとします、2、職員の環境に対する意識向上につなげます、3、環境活動を通じてコスト削減も実現します、としています。また削減目標を掲げており、今後多くの自治体でも取り組まれようとしています。
 そこでお尋ねしますが、貝塚市としてエコアクション21の認証に向けて取り組んではと思いますが、いかがでしょうか。
 次に、6つ目の防災についてお尋ねいたします。
 東南海・南海沖地震が30~50年以内に発生するであろうと言われ、東南海・南海地震防災対策推進地区の指定を受けて民間建築耐震診断補助制度、防災無線の設置、防災用物品の備蓄、自主防災組織等、また消防署など公共建築物の耐震化、避難場所の指定など、市民意識の向上に努めてこられました。津波については、震度5強から6弱で2mから3mと予想され、地域指定を受けたと認識しています。
 そこで、1つ目の防潮堤についてお尋ねいたします。
 津波・高潮による浸水対策でありますが、昨年、我が会派の代表質問に対しての答弁として、「防潮堤より低い道路についての対策は、大阪府の防災対策の一環として順次進めていく予定だと仄聞をいたしております。また大阪府と連携を密にして防災を進めていく」と答弁をいただきましたが、旧堤防を切断し、臨海線より新設された道路においては65cmも防潮堤より低くなっている箇所がそのままであり、津波発生時には道路より宅地へ海水が浸水するであろう状態には変わりがありません。昨年からの進捗状況についてお尋ねいたします。
 次に、2つ目の水門管理についてお尋ねいたします。
 平成19年6月の第2回定例会でお尋ねした防潮水門管理について、その後早々に排水ポンプを設置していただき、周辺地域の住民の方々からの増水災害時の不安から解消されたとの安堵する感謝の声が寄せられており、私からも厚く御礼申し上げます。
 その折、自主防災組織や町会の協力はいかがなものかとお尋ねしたのですが、市におかれては防潮水門開閉時の重要性により市職員による防災体制を推進するとの答弁をいただきました。その後、市職員による防災体制と訓練についてどのように取り組まれているのかお尋ねいたします。
 次に、3つ目の非常時の避難所の開錠についてお尋ねいたします。
 本年3月末に福祉委員会主催による避難訓練を実施する運びとなりましたが、避難所となる学校の施錠管理者はどなたなのか。また夜間非常時に迅速な開錠が問われている中で、市職員だけに任せて大丈夫なのかという住民の方々から不安感を持った御意見をよくお聞きいたします。そこで本市において、非常時の開錠体制が迅速かつ万全なのかお伺いいたします。
 次に、7点目の小学校の芝生化についてお尋ねいたします。
 現在、本市の小学校校庭は晴天時には砂ぼこりが立つ、雨の後には水たまりができる、土砂が排水口に流れ込むなど、マイナス要因により有効に活用されていないのが現状ではないでしょうか。芝生化は緑化空間の確保と景観の向上、また真夏日の芝生地と更地の地表面の温度差は10度を超える低減効果があると確認されており、ヒートアイランド現象の緩和にもつながります。
 芝生に集まる鳥やトンボなどを観察したり、芝生づくりや維持管理を通じて植物に興味を持つなど、子どもたちに自然との触れ合いの機会を提供します。さらには運動量がふえることなどにより、ストレス反応が軽減されたり、すり傷が減少するなど、心身にもよい影響を与えると仄聞しております。
 芝生化については平成9年度から文科省が補助事業として小・中学校・幼稚園に支援していますが、大阪府の橋下知事が新年度予算案に新規事業として小学校芝生化推進予算を計上されました。総額2億7,300万円を50校対象に1校530万円を限度として助成すると発表されています。
 2月6日の日本経済新聞によると、大阪府が来年度から実施する芝生化推進事業では、校庭の芝生化を求める住民の民間団体などに対し、芝生の苗育成や校庭の工事などに係る初期費用を補助、芝生の手入れや管理は民間団体などが担当し、管理費は市町村が支給する仕組みと掲載されました。地域より芝生化の要望があった場合、この管理費について本市としてどのような支援策をお考えになっているのかお尋ねいたします。
 次に、この芝生化が子どもたちの身体的健康波及効果と温暖化抑制につながることを地域の方々やPTAも余り御存じないと思われます。大阪府は初期費用補助を行い、積極的な啓発普及活動に取り組んでおられますが、同様に管理費を支給する本市も芝生化への推奨をすべきと推察いたしますが、いかがでしょうか。お尋ねいたします。
 以上、市民クラブを代表して質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

 

◎吉道勇市長
 通常、行政機関を代表する長というものは、いかに努力をいたしましても、毀誉褒貶、相半ばするものでございますけれども、任期の満了をあと1年足らずの本議会において、市民クラブの代表質問をされた松波謙太議員においては高い賛辞を贈っていただきましたことをまことに痛み入る次第であります。
 さて、その質問のうち、1と4と5と6につきましては私、残りは所管の教育長のほうから御答弁を申し上げます。
 まず、第1番、財政収支の見通しについてでございますけれども、昨年10月の議員総会で御報告いたしましたとおり、計画では平成21年度、22年度については単年度で約8億円の収支不足額が想定をされます。また、現状の見通しでは、歳入の市税収入において固定資産税の一部が増加するものの、現下の厳しい社会経済情勢を反映して個人・法人市民税などが減少する見込みであり、今後も計画どおりの税収確保が微妙な状況にあります。交付税においては、原資である国税5税の落ち込みが極めて厳しく、今後の状況が懸念されます。また、国庫支出金などの特定財源につきましては、制度改正や一般財源化などにより減少の傾向となっております。
 一方で、歳出経費では平成21年度以降においても退職手当が引き続き高水準にあることや、扶助費の増加、新清掃工場への公債費負担、投資的経費では新設小学校建設事業が終了するものの、引き続き、加えての耐震化とあわせて、今後多額の財政需要が見込まれますことから、質問の中にもありましたように、あす起こったらどうするんやという、そういうことに対しては、貧乏を質に置いてでもと、こういう表現で従前から申し上げ、それを具体のこの予算化を平成20年度においては耐震調査費用、その結果が出た5月ごろから、耐震化工事に着手する。全体の計画については、後ほど西教育長が詳しく御答弁を申し上げると思いますが、こうした現状で市税収入の状況等の不透明要因が山積をしておりますが、現時点においては、大きな悪化要因がない限り、収支計画については前回の報告と比較して大差はないものと、このように考えております。
 また、平成23年度以降につきましても現状の収支不足額程度が継続する見込みであり、依然として状況は厳しいことから、基金の有効活用や現在実施しております行財政改革の着実な推進などにより効率的な財政運営をさらに進めてまいりたいと考えております。
 次に、住民票取得に対しての本人通知制度の導入についての御質問にお答えを申し上げます。平成19年5月に戸籍法、同年6月に住民基本台帳法の一部が改正されたことに伴い、平成20年5月1日から、従前、何人でも交付を請求することができましたが、それ以降、請求者を限定し、請求者の本人確認についても厳格化されたところであります。
 しかし、それ以降においても府下において不正な取得が発生している状況にあります。本市におきましては、平成17年の不正取得発覚以後、請求者の本人確認の方法として、公的機関が発行した顔写真入りの免許証・パスポート・資格手帳等の提示を求めるなど、不正取得防止策の方法を取り入れております。
 御指摘の本人通知制度の導入につきましては、不正請求であった場合、その早期発見につながり、個人情報の不正利用防止や事実関係の発覚可能性が高まり、不正請求を抑制する効果が期待されますことから、毎年、大阪府・府市長会・府町村会の3者で法務省並びに総務省に法改正の要望をいたしているところであります。
 本市といたしましては、現在、平成21年度の運用を目指し、戸籍事務の電算化に取り組んでおり、運用開始後に府下近隣市町の動向を見きわめ、本人通知制度のシステム構築を検討してまいりたいと考えております。
 次に、エコアクション21の認証について御答弁を申し上げます。エコアクション21は事業所が環境への負荷を効果的・効率的に削減していくため、環境経営システムを構築し、環境への取組みに関する目標を持ち、行動し、結果を取りまとめ、評価し、報告を行うなど、良好な事業活動を展開することを目的とした環境省のガイドラインに基づく認証・登録制度です。
 本市では、第4次総合計画において、基本計画の一つとして、美しく暮らしよい環境創造都市を目指し、環境に対する負荷の抑制に取り組んでいるところであります。具体的には、地球温暖化対策として、「貝塚市地球温暖化対策実行計画」を策定し、市の事務・事業に関し温室効果ガス排出を抑制することで、環境に与える影響の低減を図ってまいります。
 また、環境経営システムの要件であります省エネルギーにつきましては、現在、「貝塚市地域省エネルギービジョン」において推進をし、廃棄物の削減・リサイクルについては啓発を進め、環境意識の向上に努めているところでございます。
 今後、これらの計画やビジョンを着実に推進しながら、エコアクション21の認証・登録制度について、研究してまいりたいと考えております。
 次に、防潮堤より低い道路に津波、高潮が来たときに、どういう対策をとっておるかという御質問でございますが、大阪湾岸における津波・高潮による浸水対策につきましては、大阪府が事業主体となって防潮堤のかさ上げ工事、水門の改修工事が実施されるとともに、防潮堤よりも低い道路の浸水対策につきましても、順次対策が講じられております。
 議員御指摘の、市道西町海塚麻生中線につきましても、防潮堤より低くなっていることから、東南海・南海地震が発生した場合に津波の襲来が懸念されます。このような状況から、大阪府港湾局において対応策が検討されているところでございますが、浸水対策のための門扉が市道上に設置されますことから、その形、管理や運営の方法などについて大阪府と詳細な協議をいたしておるところでございまして、いまだ結論には達しておりませんが、今後も継続して協議をしてまいりたいと思います。
 次に、水門の管理についてでございますが、本市に設置された水門等の操作につきましては、勤務時間内にあっては下水道部門職員が対応しているところであります。しかしながら、東南海・南海地震の発生に際しては、津波の到達時間が80分と予測されていることから、勤務時間外に津波警報等が発令された場合、初期対応として、限られた時間内に水門を閉鎖することが不可欠であります。そこで、このような非常事態に対応するため、市内に設置された各水門周辺に居住する職員35名を選任いたしまして、本年2月5日付で、水門操作員として任命したところであります。
 この水門操作員の任務につきましては、各班5名の7班に分かれ、夜間や休日に津波注意報または津波警報が発令された場合、自宅から決められた場所に直ちに自動参集し、市役所本庁の通信班と連絡を取り合いながら、各班2名以上で順次水門の閉鎖にあたるというものであります。なお、津波襲来時に水門操作員が円滑に業務を遂行できるよう、現在、操作訓練を実施しているところであり、今後におきましても定期的に訓練を行い、地震津波対策に万全を期してまいりたいと考えております。
 次に、災害時の避難所開錠の体制についてでございます。
 非常災害時の避難所の開錠につきましては、16箇所の各避難所周辺に居住する職員32名を避難所派遣要員として派遣する準備を進めているところであり、本年4月にも任命を行い、避難所のかぎ等を貸与する予定であります。この避難所派遣要員は避難所ごとにおのおの2名選任し、夜間や休日等の勤務時間外に災害が発生した際には、自宅から各避難所に自動参集し、最低限の避難所の安全点検を実施した後、避難住民を受け入れ、災害対策本部から管理者が派遣されるまでの間、臨時に避難所の管理にあたるものであります。
 職員が被災し、避難所のかぎをあけられない等の場合の措置につきましては、町会や地域住民の方々の協力を得るなどの方法について、施設の安全性、管理面等も含めて、今後、関係者と協議してまいりたいと思います。
 私の答弁は以上であります。

 

◎教育長
 市民クラブの松波謙太議員の御質問の中で、質問2番、小・中学校の耐震化についてお答えいたします。
 学校のほうで行っております避難訓練は、大きく分けますと火災訓練と地震訓練でございます。火災訓練はスピード感が必要です。特に、ガスが回る、火の手が回るということで、1分1秒早く脱出ということを考えております。地震につきましては、地震が発生した時点で慌てて動くことが一番危険でございますので、まず、机の下に入るということが第一でございます。その後、地震の揺れが一定納まってから、避難の仕方をそれぞれの場面場面で設定して、例えば、土石流が発生しやすい地理的環境なのか、津波が出てきやすい地理的環境なのか、さまざまな学校の置かれている状況の中で、より安全で、子どもたちがけがをしないような避難の仕方を注意して指導しております。
 特に、地震の場合、走るということは、今までなかったところに段差が生じるとか、いろんなものが倒壊するとかいうことがありますので、地震の場合は早さを求めず、安全性を第一にした避難訓練を現在行っております。
 2点目の質問でございますが、泉谷議員や北尾議員と同趣旨でございます。屋内運動場は平成24年、それから、校舎は平成22年に全部完了したいという目標を持っております。
 3点目の耐震化率の公表についての考えでありますが、法律により耐震診断を行うとともに、その結果等については公表することが義務づけられております。公表の時期や方法について検討してまいりたいと考えております。
 以上が、まず2番目の答弁でございます。
 それから、質問番号3番、携帯電話についてお答えいたします。
 近年、携帯電話によって子どもたちがさまざまな犯罪に巻き込まれるという事件が発生していますが、家庭によっては、我が子が利用する危険なサイト等を保護者が余り理解していないという現状があり、重大な問題であると認識しております。
 本市といたしましては、保護者への啓発は重要と考え、これまでも携帯電話やインターネットの問題性について、教育委員会発行の情報紙であります「教育ほっとライン保護者版」において、機会をとらえながら特集記事を掲載してまいりました。その中で、子どもたちが携帯電話を安全に使うために、フィルタリングの利用や使用時間を決めるなど、家族でルールをつくることを保護者に訴えてまいりました。
 今後も、このような機会を通して、定期的に保護者啓発に取り組んでまいります。また、平成20年11月に、市立小学校6年生全員を対象に携帯電話安全教室を実施いたしましたが、平成21年度は、この安全教室が家庭で携帯電話のことを話し合える機会となるよう、保護者も一緒に参加できるような企画を考えております。
 子どもたちが携帯電話を適切に使うためには、やはり家庭でのルールづくりが重要であります。今後も、貝塚警察署と連携した携帯電話の安全講話の機会や入学説明会、保護者懇談会、学校便り等を利用し、学校の実態に応じた保護者啓発に努めてまいります。
 次は、質問番号7番の芝生化についてでございます。
 まず、1点目、芝生化による本市の管理費の問題でございますが、芝生化の大阪府事業については、北尾議員と同趣旨のため答弁を省略いたします。さきにも述べましたように、学校によって条件がさまざまでありますので、芝生の張り方や使用の仕方、それぞれ異なるものと考えております。そこで、本市といたしましては、芝生化の面積・芝の張り方・活用の仕方等に応じて、地域活動団体の維持管理活動を支援するよう検討してまいりたいと考えております。
 それから、芝生化の2点目、啓発についてでございます。校庭の芝生化については、大阪府が実施する芝生化推進事業を活用する考えでありますので、大阪府におけるこの事業を担当する窓口課である大阪府泉州農と緑の総合事務所地域政策室と啓発普及活動の方策について協議してまいりたいと考えております。
 なお、市の広報等の活用につきましては、研究をしてまいります。
 以上です。