製品は教科書でできている!?
2025-09-29 09:20:00
仕事
中学の理科で「仕事」について習います。
ここでいう仕事は一般的な仕事ではなく、物体に力を加え、その向きに物体を移動させたとき、力が仕事をしたといいます。
またこの時の仕事の大きさは以下のように求めます。
仕事(J)=力の大きさ(N) X 移動距離(m)
それでは下の図の場合、仕事になるのはどれでしょうか?
この場合、加える力の向きと移動する方向が一致するのは1の持ち上げる場合と、4の押しながら移動する場合ですので答えは1と4になります。
実際の仕事についても、意味のある行動とそうでもない行動とがあり、本人は仕事をしたと思っていても、周りからはそうでもないと思われることがあります。
ずっと以前にこんなことがありました。結構重量のあるものを男性の従業員Aさんは持ち上げて、一生懸命次の場所へそのまま持ちながら運びました。同じものを女性の従業員Bさんは台車に載せてスイスイッと次の場所に運びました。
男性従業員Aさんは本当に汗をかきながら一生懸命重い荷物を運んでいますが、この場合、周りの人たちからは仕事をしたと評価されるでしょうか?
板金加工工場で付加価値を生んでいる時間の割合はどのくらいだと思いますか? この時の付加価値というのは材料が変形している時間をさし、ドリルで穴を開ける場合だとドリルが材料にあたった瞬間から貫通した時間、レーザ切断なら火花が出ている時間というように付加価値を生んでいる時間のみをカウントします。
材料の切断、レーザ加工やパンチング加工によるブランク加工、曲げ加工、溶接加工などで実際の付加価値を生み出している時間の割合は、図面をいただいてから製品が完成するまでの全体の時間と比べるとわずか7%なんだそうです。残りの93%は材料が移動していたり、工具の準備をしていたりするアイドルタイムということになります。
利益を出すには、付加価値を作り出す時間を増やす必要があります。段取りの時間は必要ですが、いかに短縮して次の加工につなげるかが重要になります。
そういう意味では、先ほどのAさんとBさんとでは同じ内容の作業をしていますが、Bさんのほうがアイドルタイムの短縮に貢献していますので、残念ながらAさんのほうはご本人が思っているほど、周りは評価してくれないということになります。
理科の仕事のお話は、実際の仕事について大切なことについても大切なことを気付かせてくれています。
