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2019-12-25 13:50:00
第29回全道研究担当者研修会報告

 去る12月13日(金) 札幌市立二条小学校を会場に第29回全道研究担当者研修会が開催されました。全道9支部から28名、事務局員25名 合計58名が参加し、5年生のタグラグビーと3年生の保健の授業を参観しました。その後、授業についての研究協議や支部活動交流、今後の研究の方向性等について話し合いがなされました。二条小学校は、道学体研の大牧事務局長が校長を務める学校であり、国立教育研究所の教育課程研究指定校(全国で3校)に認定されています。この日は、研究指定校としての第2回検証改善協力者会議を兼ねて実施され、二条小学校の教師陣、協力者、文部科学省から2名の調査官を含めた総勢100名となる、規模の大きな研修会となりました。

 さて、5年生のタグラグビーの授業は、単元前半を3対2のアウトナンバーで練習してきた段階から、後半、3対3のイーブンナンバーにすることによって生まれるだろう困り感を戦術的な課題意識として認識させ、チームとしての課題解決に導く方向で学習が展開されました。課題を見いだす手立てとして「スタッツシート」を活用し、トライにつながる動きを分類しながら自チームの作戦へと応用できるように指導が工夫されていました。研究IMG_4805.JPG協議では、子どもの「問い」を生み出す教材化という視点に基づいて授業者が考案した様々な手立てや単元計画の工夫や、子どもの思考を促しグループ内の対話を活性化させる意図等が明確に仕組まれており、その全てが子どもの主体的な学びを引き出し、表現する方向で指導計画が立案されている実践であると高く評価されていました。文科の調査官からは、タグラグビーというスポーツの運動特性の中心は「陣地の取り合い」であり「勝敗を競い合う」という観点から、場の設定(主にディフェンスラインの位置)に課題はなかったか、勝ち負けがよくわからなかったが、それでいいのかという指摘がありました。この指摘は、本会が長年研究し、新しい研究テーマでも追究する「中心的な楽しさ」に関わる部分であり、学習指導要領が変わってもその運動やスポーツがもつ本質的な特性や楽しさを核として授業づくりを進めていく方向性の妥当性を意味していると捉えることができます。IMG_4815.JPG

 3年生の保健の授業は、健康な生活「目指せ!健康レンジャー」という題材で、健康レンジャーになって主人公じゅんこちゃんの生活時間表を見直す活動を通して、良くない生活習慣に気付き、改善案を考える授業展開でした。後半は、事前に作成した自分の生活時間表を見直して、自分の生活をより健康に過ごす意欲につなげようとしていました。体育の授業と同様に、運動や健康の主体は「自分」であるところを強く求めた実践であり、そのための主体的な学びをどのように引き出していくかという観点から様々なアイディアや方法を工夫しています。

 主体的ではない教師が、主体的な学びをする子どもを育てることはできません。両授業ともに、二条小学校の先生方の熱意が伝わる素晴らしい教育実践であり、全道各地から来た研究担当者をうならせる提案授業でした。IMG_4871.JPG

 研究協議の後は、複合施設になっている二条小学校の別室で懇親会が行われました。全道各地の研究の鬼の集まりとあって、懇親会でも話題は終始、授業や研究について熱い討論があちらこちらでなされていました。道研究部からは、令和7年度に札幌市で開催予定の全国大会に向けて、新しい全道統一研究主題作成のための計画案が提示されましたが、溝口研究部長の周りには、全国大会で中心となると思われる面々が集まり、明日の体育について語り合っていました。

 本会の研究が、来る全国大会の一助となるように、地道な研究活動を進めていきましょう。

pdf 全道統一主題作成計画案.pdf (0.2MB)