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2022-05-20 16:01:00

 

檜山局「学び合い」プロジェクト第1回 子の自己有用感向上を 運動楽しめる環境構築法学ぶ(北海道通信 2022-05-20付)

オール檜山学び合いプロジェクト第1回体力向上

 

【函館発】 檜山教育局は12日から2日間、本年度第1回オール檜山「学び合い」プロジェクトを実施した。体力向上をテーマに、小学校教員向けと中学校体育科教員向けの2講座を開講。中学校教員向けの講座では、江差町立江差中学校の西村将志教諭が体育授業の工夫点や全国体力・運動能力、運動習慣等調査に向けた効果的な指導方法を解説するなど、全ての生徒がスポーツを楽しめる環境の構築方法を紹介した。

 今回のテーマは体力向上。檜山管内は例年、全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果が一貫して高い水準にある。本年度の講座では、児童生徒の体育に対する主体的な態度の育成や運動習慣の形成、目的意識を持って運動に臨む姿勢を一層育もうと、小学校教員と中学校体育科教員向けの2講座を設定した。

 初日は厚沢部町立厚沢部小学校の山本貴幸教諭、2日目は江差中の西村教諭が講師を務め、校種に合わせた体育授業の工夫などについて解説。両日で管内の教員約20人が参加した。

 うち西村教諭の講座では、生徒の体力向上に向けた授業の工夫について各単元の指導例を紹介。バスケットボールでは「チームの中で1人の選手が3点を決められる」という特別ルールを考案して話し合い活動の活発化を図るとともに、運動の苦手な子でも親しみやすい授業を構築しているとした。

 運動が苦手な子や控えめな生徒に対しては、友達同士の教え合い活動を活発化するなど学習形態を工夫。例として、器械運動では気の合う友人や運動能力が近い生徒同士で練習することで意欲を育む環境を構築していることを説明した。

 西村教諭は、生徒が楽しみながら授業に参加させる方法として自己有用感の向上の重要性を強調。「各単元の活動内でベストパフォーマンス賞を設定したり、点が決まったときの喜び方を考えさせたりすることで、学級全体での意識向上を育んでいる」とした。

 学習評価については「できたことに対して見取ることが重要」とし、マット運動では演技点と構成点で採点。「正しいフォームで取り組めていることを重要視するよう心がけている。苦手でも良い環境をつくり上げ、生涯スポーツとして楽しく活動できる工夫の仕方を考えることが大切」と呼びかけた。

 全国体力・運動能力、運動習慣等調査の実施に向けた指導の工夫については、自身の成長を考察させる場を設定していることを紹介。独自のワークシートを作成し、指導のポイントや個人の振り返りができるような記録物を示した。

 各調査種目のうち、握力では測定前にボールを握る運動を実施することで、数値が3~4ポイント上昇する成果が表れた生徒の事例を紹介。長座体前屈では、校内にトレーニングスペースを設置するなど身体を動かす環境を設定。毎日運動を続けた生徒が前年と比較して20㌢㍍程度記録が向上した事例も挙げた。

 西村教諭の解説後は参加教員との質疑応答のほか、ICTを活用した授業の工夫について意見を交わした。

 


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