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2022-06-10 09:13:00

檜山局「ススンde運動」題材に論文 少人数指導の利点考察 札幌国際大卒の星屋さん

(北海道通信  2022-06-09付)

 【函館発】3月に札幌国際大学スポーツ人間学部スポーツ指導学科を卒業した星屋沙弥佳さんが、檜山教育局の独自事業「ススンde運動」を切り口に卒業論文を執筆した。論文「すべての児童生徒の運動意欲を掻き立てる方法とは」では、檜山管内における少人数指導の利点などについて分析している。研究に協力した檜山教育局は「外部の方から考察していただき大変貴重な機会」と評価。「管内の小・中学校に事業の積極的な活用を呼びかけたい」と今後も取組の充実に努めていきたい考えを示している。

 檜山局は平成31年度から実施している独自事業「ススンde運動」を開始。全国体力・運動能力、運動習慣等調査の児童生徒質問紙調査で「体育・保健体育の時間以外に運動を全くしていない」と回答した児童生徒が一定数在籍している実態を踏まえ、習慣形成に向けたプログラムを開発した。

 施策の一つ「ソーランサーキット」はソーラン節に合わせて柔軟運動や瞬発力を養う運動を4分間行うもので、児童の運動意欲向上に向けた取組として、管内全小学校で体育の時間に継続的に取り組んでいる。

 星屋さんはこうした取組を切り口に論文を執筆。全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果が一貫して高い水準にある管内の地域特性に焦点を当てて研究した。

 研究には檜山局と厚沢部町の体育専科教員で厚沢部小学校の山本貴幸教諭が協力。うち星屋さんが山本教諭に行ったアンケートでは、管内の小規模校の多さに着目し、少人数学級の効果や課題について質問した。山本教諭は「少人数で児童生徒と教員の関わる時間が増えることによって強い信頼関係の構築を期待できる」といったメリットを提示。一方「児童同士の関わる機会が減少するため、多様性が欠ける恐れがある」といったデメリットを指摘した。

 星屋さんは回答を踏まえ「少人数で授業をすることは地域の特性上変えることはできないが、少人数を最大限に利用し、個々の運動能力の向上に努めることが大事なのではないか」と分析している。

 一人ひとりに目が届きやすい少人数指導の効果から、成功体験の積み重ねによる重要性についても言及。山本教諭が指導で活用している児童生徒個々の目標に合った振り返りシートの作成や体育専科教員の配置による効果について「児童生徒の不得意に合わせ、ソーランサーキットなど、一人ひとりのレベルに合わせた様々な運動が楽しめるよう、工夫した授業実践に取り組んでいる。児童に合った目標設定と成功体験を積み重ねることができると、運動能力と学習能力を高めることができるのではないか」と考察している。

(道・道教委 2022-06-09付)


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