講師(宗夜)ブログ
所作(6)●女性の特殊能力:母性本能
日々、生徒さまと接していて女性が仕事をするには『母性本能』が必要だと考えるようになりました。
子育て経験の有る無しは関係ありません。
子育て経験がなくとも豊かな母性本能をお持ちの方がいらっしゃいます。
実は最も必要なのは社会性です。
『子育て』と聞いて、
皆様はどんなことを想像するでしょうか?
小さな子供と母親がおままごとをしている光景でしょうか?
『お母さん』と聞いて、
どんな母親を思い浮かべますか?
優しい笑顔のお母さんでしょうか?
私の考える理想の母親はそのような甘いイメージではありません。
もっとクールです。
『子供を一人前にするお母さん』です。
目の前の子供が、
大人になったときに困らないような力を身に付けさせることが母親の最重要課題であると考えます。
母親の役割はそれ以上でもそれ以下でもないと考えています。
私自身は18歳になったら家を出すと心に決めて、すべて逆算して育ててきました。
年齢ごとに距離感を測りながら接し方をその都度修正し、18歳になったときに完全に手を放しました。
一番気を遣ったのは高校生活の3年間でした。
この3年間の私の接し方によって子どもの将来が決まると思って気を引き締めて過ごしました。
具体的に何をしたかというと...
自分の人生に集中したのです。
子供に意識を向けるのではなく、
自分を成長させるように自分に意識を向けました。
自分で自分を成長させる姿を見せることこそ、
10代後半の子どもに最も必要なことだと思っていたからです。
10代後半の子どもの接し方は難しかったです。
簡単ではありませんでした。
一日ごとにものすごいスピードで彼らは成長します。
身体も、脳も、心も。
親の矛盾点を見逃しません。
それを口に出さないで指摘するようになります。
陰険になります。
10代前半の中学生の段階では口に出して指摘しました。
『それ違うじゃん』
その後に親子ならではのやり取りがありました。
10代後半の高校生になると鼻でクスっと笑います。
そのあとに黙って自分の部屋へ...。
やり取りを拒否します。
射るような冷たい目を向けるようになります。
子どもが『お母さん、お母さん』
と無条件で母親を受け入れてくれるのは10歳までです。
その後は周りの大人と自分の親を比較します。
親の悪いところが目に付いて『ああ、こんな風にはなりたくない』と思うようになります。
それでいいのです。
自分なりの物差しができたことを親は喜ばなくてはなりません。
しかしそのまま終わらせてはいけません。
『自分の親もなかなかやるな』
とその後に思わせなくてはなりません。
それどころか『到底かなわない』
と思わせる必要があります。
10代後半の猛烈なスピードを超えて、
親の方が猛烈に成長するのです。
子どもは、自分が生んだとしても、
自分の手で育てたとしても、
自分より下だと思うと親を裏切ります。
それが野生の本能だからです。
本人のせいではありません。
しかしそれは悲劇です。
だれも幸せにならないのです。
子ども本人のためにも、親を裏切るような人間に育ててはいけません。
子どもよりも遥かに優秀であり続ける。
子どもが大人になっても親の仮面を脱がない。
迎合しない。
ダメなものはダメだと筋を通す。
大人同士としての冷静な距離を保つ。
子どもの幸せを願う前に、まず自分が幸せになる。
すべてにおいての手本となる。
これが私の考える理想の母親です。
どうでしょう?これは、
そのまま理想の上司像ではないでしょうか?
必要なのは出産経験や子育て経験ではないのです。
社会性です。
男性的だと思われるかもしれません。
でもやっぱり女性なのです。
根底に相手の人生への愛情があるからです。
出し抜くのではなく、共存共栄の精神です。
そしてやっぱり幸せになってもらいたい。
我が子にも、生徒さまにも。
=========================
和から学ぶ気品ある仕草 美しい所作教室
所作(5)●伝わる話し方:指示の出し方。急がば回れ。
相手にしっかりと情報を伝えるには速さのメリハリをつけることが有効です。
様子を表す言葉をゆっくりと発音することをお勧めします。
品詞でいうと、形容詞や副詞、形容動詞などです。
美しい、きれいな、静かな、とか。ゆっくりと、素早く、丁寧に、とか。
面白いのは、『素早く』です。
『素早く』の発音はゆっくりとを心がけます。
相手に注意を促すときも同じです。
テレビのアナウンサーが台風情報の折に
『素早い行動を取ってください』と、
ゆっくりはっきり発音していました。
私たちの日常でも同じです。
仕事の現場で、
迅速な対応を迫られているとしましょう。
一度目は『素早くお願いします』
とゆっくりはっきりと発音し、二度目に
『それでは素早く!』と早めに発音します。
まずは相手に確実な情報伝達をし、
状況を認識してもらいます。
その次にどうしてその行動が必要なのか、
理由を簡潔に説明します。
それから、少し早めの口調にて『はい、それではお願いします!』とゴーサインを出します。
目の前の相手を意のままに動かすのは簡単なことではありません。
多少面倒でも理由を説明する手間が必要です。
省いてはいけない手間です。
子供の場合も同じです。
子供はすぐに『なんで?』と理由の説明を求めます。
大人は口には出しませんが、
やはり理由を説明してもらいたいものです。
『いいから早く!』などとゴリ押しはできません。
また、急いでいるからと焦って『早く、早く、早く』と発音すると舐められてしまう可能性があります。
焦っている姿は美しくないので相手に不快な印象を与えるのです。
美しくない様子には『スキ』があります。
スキを見せてしまうと相手が心理的に優位になり、指示通りに動かすことが難しくなります。
焦る状況が避けられないことも多いのですが、
どんな状況でも美しくいようとする心構えが大切です。
『そんな...、いつもいつも美しくいるなんて無理よ!息が詰まっちゃうわ!』
大丈夫です。何事も習慣です。
最初から100点を取ろうとしないで。
1点から始めましょう。
1点から地道に積み重ねていこうとする慎ましさこそが、本当の美しさなのです。
=========================
和から学ぶ気品ある仕草 美しい所作教室
所作(4)●仕事はリズム
仕事にはリズムが大切だとつくづく思います。
良いリズムが良い仕事を生む...と。『あれがしたい』と思ったときに、『あれ』
が手元にあること。
『これがしたい』と思ったときに、『これ』
がすでに備わっていること。
つまりは、準備と後片付け。
お母さんが子供に仕込む『躾:しつけ』です。
仕事をしてみて大事なのは家庭教育だとしみじみと感じます。
お勉強よりも大事だと私は思っています。
準備と後片付けの、
日本人ならではの美学が私は好きです。
『明日も使うから』と言って出しっぱなしにしない。
使い終えたら必ず一回その日のうちに仕舞う。
準備と後片付けを繰り返して空間をきれいに保つ。
日本の家は古くはすべての部屋が和室の造りでした。
すべて畳敷で襖によって部屋が仕切られていました。
廊下でははく、襖によって仕切られており、
晴れの日には襖を全部外して広間として家族の行事などを行いました。
どの部屋も同じ造り。
布団を敷けば寝室になり、
朝起きたら布団を畳んで同じ部屋で朝食を取る。
朝食が済んだら膳を仕舞って、次に文台を出して仕事や習い事。
子供のころから準備と後片付けを繰り返しています。
それができないと日常が成り立たないからです。
西洋の家の造りは部屋ごとに役割があり、
家具は備え付け。
寝室にはベッド。食堂にはテーブルと椅子。
その代わり、
家具を大事に何代にも渡って使い続けるという美学があるのでしょう。
どちらが優れているかという話をしたいのではなくて...
準備と後片付けが私たち日本人にいかに大切であったかという話をしたいのです。
建築様式の歴史的な発展が家屋の造りに影響を与えていますが、それに加えて
『どの部屋にも神様が棲まわれている』
という独特の宗教観も大きいと思います。
神様に失礼だから仕舞わなきゃ。
そうやって毎日後片付けをしていると、心がすっきりします。
埃を払って清潔にし、
時間に余裕のある時には磨いて家具やお道具の艶を出す。
掃除好き、
きれい好きな日本人の気質をぜひ大切にしていただいて、お仕事に活かしていただきたいです。
=========================
和から学ぶ気品ある仕草 美しい所作教室
所作(3)●笑いすぎの魔力
『笑い』
笑いは人間関係の潤滑剤です。
緊張した場をふっと和ませる力があり、
一体感を生みます。
ですが、
現代人の私たちはあまりにも笑いに重きを置き過ぎていたように思うのです。
私だけでしょうか?
笑いは一体感を生みます。
裏を返せば、
笑わないと一体になれない疎外感を生みます。
一体感を得るために無理をして笑うこともしばしばあるでしょう。
コロナ禍により、少し流れが変わりました。
世の中は、こんなに静かだったんだと思いました。
コロナ禍の初めは、
これから世の中どうなってしまうのだろうと不安になりました。
異様な静けさに身が縮まるようでした。
ですが2年以上経った今から考えると、
公共の場において、
大きな口を開けて大きな声で笑っていた日々の方が異様に思えてきます。
『笑い』は気持ちを高揚させます。
その反面、高揚し過ぎると疲れてきます。
笑いに代わる、
大人の女性らしい落ち着いた一体感の持ち方を実践していきたいと思います。
=========================
和から学ぶ気品ある仕草 美しい所作教室
所作(2)●静かな時間を持つ 言葉も動きもピタリと止める
美しい言葉や美しい仕草を際立たせるのは…
実は美しい静かな時間です。
・ひとつ動いたら、ひとつ止まる
・ひとつ話したら、ひとつ黙る
こちらを心がけてみてください。
止まること、黙ることはとても集中力を必要とします。
『え?止まっているだけでしょ?逆じゃないの?』
いえいえそれが違うのです。
よく動く人は気が散っている人です。
試しにピタリと1分間止まってみてください。
30秒でも難しいはずです。
ある世界的なポップミュージシャンの大スターが、コンサートのステージで2分間ピタリと止まるという演出をしました。
たった2分なのに永遠の時間のようです。
観客はその1人のスターに釘付け。
興奮し過ぎて卒倒するファンが続出しました。
スターの全身は力が漲っていて、とても素敵です。
その時間に集中しているからだと思います。
その方はものすごく集中して、
観客もものすごく集中して、
その時、
全員の気持ちがひとつになっていたのではないでしょうか?
この素敵さは、
ショービジネスの演出に限るものではありません。
私たちの日常にも活かすことのできる美学です。
すてきな女性は必ず静かです。
真珠のごとく柔らかな輝きがあります。
世の中には、
承認欲求や自己主張の強い人があまりに多すぎるように、
私には思えるのです。
皆さまの中に眠っている本当の魅力に気付いていただきたいのです。
本当の自信を持てたら、『自分が、自分が』
という強すぎる主張は消えます。
自分の魅力は自分が一番わかっているわけですから、主張する必要がないのです。
『でも、自分の魅力が分からないの…』
それでは私たちと一緒に魅力を見つけましょう。
見つけて、磨いて、輝かせましょう。
必ずあります。
=========================
和から学ぶ気品ある仕草 美しい所作教室