支援事例
2024/09/03
南島原市商工会 吉岡早知子(舘製麺所)
【地場産業、未来に託せ】
舘製麺所
手延べそうめん製造販売の「舘製麺所」(南島原市)は2023年夏、大きな設備投資を行った。
めんの製造作業を効率化するため、専用機などを複数台購入。
補助金を活用したとはいえ、それなりの自己負担を伴ったが、将来を見据え生産性を高めるために必要な投資だった。
南島原市を代表する特産品の手延べそうめん。
全国有数の生産量を誇る地場産業だが担い手が不足し生産者は減少傾向が続いている。
同社の体制は、親子3代が共に働く家内工業。代表の林田武彦(44)は24年、義父から経営を引き継いだが、
将来の跡継ぎ候補でもある20代の長男夫婦も従業員として働き始めた。
そうめんづくりは重労働だ。作業は未明に始まり、力仕事も多い。
めんの質を大きく左右する乾燥工程も神経を使う。
業界が若者の後継者不足に悩むのは、このような厳しい職場環境も背景にあるとみられる。
同社の補助金申請を支援したのが南島原市商工会・両有家統合事務所長の吉岡早知子(55)。
専門家とも連携しながら、導入予定設備がもたらす定量的効果を事前に試算し、
どの程度の生産性向上が見込めるのかを詳細に確認。
実効性をきちんと把握しながら作業を進めた。
設備導入後は、もくろみ通り作業の時短・効率化に成功したほか、品質や歩留まりも向上。
休日や休憩時間も確保できるようになり、肉体的な疲労も軽減された。
そうめん産業が地域経済を支えていることを念頭に、
林田の妻真奈美(43)は「機械がない時代のそうめん作りは、本当にきつかった。
長男夫婦ら若い世代のことも考えると、職場の環境整備は必要」と強調する。
※2024年8月28日(水)の長崎新聞にて掲載されております。
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企業の情報
「舘製麺所」
所在地:859-2211 長崎県南島原市西有家町里坊533-1
TEL:0957-82-1627
代表:林田武彦
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南島原市商工会ホームページ