薬食同源
|
五月病にはタケノコ料理 |
![]() |
春は冬の間にため込んだ老廃物を排出して体を軽くし、来るべく夏のために備える時期です。
この時期に採れるタケノコ、フキ、ワラビ、ゼンマイなどは食物繊維を豊富に含んでいるため、便通を促し大便とともに腸内の余分なコレステロール、脂肪、糖分などを大掃除してくれます。
また、ゆでたタケノコの切り口に見られる白い粉はアクではなく、チロシンというアミノ酸の一種です。
チロシンは脳を覚醒させる神経伝達物質(ドーパミン)の原料となり、やる気や集中力を高めると言われています。
何となくやる気がわかない時はタケノコ料理がおすすめ。
白い粉を流さずに食べましょう。
新鮮なタケノコは生でも食べられますが、普通はアク抜きが必要です。
外側の皮を2~3枚むき、米ぬかを入れ1時間ほどゆでます。
皮にはタケノコを柔らかくしてくれる成分が含まれているので、皮ごとゆでるのがポイント。
|
豆と緑黄色野菜の薬効を併せ持つ、 スナップエンドウ |
![]() |
えんどう豆は、収穫時期で呼び名が変わります。
実が未熟なうちに取り、さやごと食べる「絹さや・オランダ豆」、実が熟すまで育てたさやをむいて実だけを食べる「グリーンピース」があります。
最近、スーパーで目を引くようになった「スナップエンドウ」は、絹さやとグリンピースのいいとこ取りをした、さやも実も食べられるえんどう豆の新種。
シャキシャキしたさやの食感と、豆の甘みを一緒に味わうことができる野菜です。
豆と緑黄色野菜の栄養素を併せ持つスナップエンドウは、βカロテンをはじめ、ビタミンB・C、食物繊維などのほかにタンパク質も含む栄養価の高さが魅力です。
βカロテンは油と一緒に摂ると吸収率が上がるので、炒め物やドレッシングをかけたサラダ、脂質を含むごまや刻んだナッツで合えた料理がおすすめ。
3~6月頃が旬のスナップエンドウは、サッと茹でるだけでも美味しく食べられるので、この季節にどんどん食べましょう!
|
貧血・肌荒れ予防にイチゴ |
ルビー色の美しさに、クセのない甘さと柔らかくジューシーな食感が、子供から大人にまで好かれているイチゴ。
本来の旬は3~5月上旬ですが、ハウス栽培によって通年楽しめる果物となりました。
イチゴの特徴はビタミンCが多いこと。
Cは血管や皮膚を丈夫にするほか抗酸化力があって、いろんな病気を予防する働きがあります。
大粒のイチゴ5粒ほどで1日の必要量が摂れます。
ただし、喫煙者はタバコ一本吸うごとにビタミンCが20㎎ずつ失われていくので、十分に補給しましょう。
また、イチゴの赤色にはポリフェノールの「アントシアニン」が多く含まれ、美肌・美白効果を一層高めます。
さらに、赤血球を作るのに不可欠な鉄分と葉酸も含むので、貧血予防にも役立ちます。
イチゴを買う時は鮮やかな赤い色でヘタがみずみずしく緑色の濃いものを。
ビタミンCをできるだけ失わないために、ヘタをつけたままで水洗いしましょう!
|
春を告げる魚 ニシン |
別名、春告魚(はるつげうお)とも呼ばれるニシンは春に旬を迎え、初夏に向けて、脂が乗り一層美味しくなるそうです。
ニシンには、タンパク質をはじめ多くの栄養素が含まれています。
粘膜の潤いを保つビタミンA、血液の材料になる鉄やビタミンB12、骨祖しょう症の予防になるカルシウムやビタミンDが特に豊富です。
また、イワシ・サバ・サンマと同様に脳を活性化させるDHAや、血栓の形成を抑制するEPAをたっぷり含み、認知症予防、成人病予防に有効です。
福井では生のニシンはほとんど見かけませんが、身欠きニシンや丸干しニシンなら手に入りやすいですね。
身欠きニシンは頭とはらわたを取り除き、半身にして干したもの。
干すことで旨味成分が増して煮物に使うと絶品です。
新鮮なものを求め、野菜との煮物、昆布巻き、ニシンそばなど、ニシンの旨味と栄養を存分に味わいましょう。
ちなみに「数の子」はニシンの卵巣を塩漬けにしたもので、「子持ち昆布」はニシンが昆布に卵を産み付けたものです。
|
スタミナ料理に欠かせないニラ
|
レバニラ炒めや餃子など中華料理に欠かせないニラ。
いくら摘んでも伸びてくるので年間を通じて収穫ができるそう。
よって、年中出回っていて旬がないように感じますが、実は春物は柔らかくて匂いも強く最も美味しいそうです。
ニラの栄養で特筆すべきはニンニクやラッキョウにも含まれているアリシンという成分です。
あの強い臭気はこの成分が元ですが、疲労回復に役立つビタミンB1の吸収を高めてくれるので、ビタミンB1の多い豚肉と一緒に摂るとスタミナアップになります。
また、ニラはほうれん草よりも多くのβカロテンを含む緑黄色野菜です。
βカロテンは体内でビタミンAに変わり、目や皮膚の粘膜を健康に保って抵抗力を強めたり、薄暗いところで視力を保つ働きをします。
余ったβカロテンはそれ自体が抗酸化力を発揮し、がんや動脈硬化を防いでくれます。
炒め物に限らず、味噌汁、和え物、かき揚げなどいろんな料理に使ってみましょう!
|
貧血予防や美肌対策に カツオ |
![]() |
カツオは南方の海で生まれ、春は黒潮に乗って北上し、秋になると東北沖から南下してくる回遊魚で、旬が春と秋の2回あります。
3~5月が旬の初鰹(はつがつお)は脂が少なくさっぱりとした味わい。
水分が多いため表面を炙ったタタキが美味。
一方、9月~10月が旬の戻り鰹(もどりがつお)は脂が乗った濃厚な味わいなので刺身が美味しいんだそう。
カツオが良質なタンパク質の供給源になる食材であることは言うまでもありませんが、血液の合成に必要なビタミンB12と鉄分が豊富で貧血を予防する効果があります。
血液サラサラ効果のあるEPAやDHA、肌の老化を予防してくれるビタミンB6・ナイアシン・ビオチンも含むので、特に女性には嬉しい食材ですね。
ただし、カツオにはビタミンA・C・Eがほとんど含まれていないので、ビタミンが豊富な緑黄色野菜を合わせて食べるのがオススメ。
また、カツオは鮮度が大切。
切り身を買う時には赤色が濃く透明感のあるものを選びましょう。
|
香りに優れた効能あり!セロリ |
![]() |
春が旬のセロリ。
あの独特の青臭さと食感が苦手な方が多いのでは?
でも、その個性的な香り成分が他の野菜にはない突出した効果をもたらしてくれるのです。
香りには約40種類の成分が含まれていますが、主成分のアピインやセネリンには精神を安定させる効果があり、ストレスの緩和やイライラ・不安などの改善や神経の昂ぶりから起こる不眠や頭痛にも役立ちます。
また、アピオイルという香り成分は胃もたれ、むかつきなどに効くとのこと。
神経性の胃痛にも良さそうです。
そして、注目すべきは血液をサラサラにするピラジンという香り成分。
同じセリ科のパセリにも含まれています。
心筋梗塞や脳梗塞の予防にもなるでしょう。
他に、ビタミン・ミネラルなども多い優れた野菜です。
セロリはスープや炒め物に加えると青臭さが和らいでとても美味しくなります。
食わず嫌いにならず、ぜひ挑戦してみましょう!
茎より葉の方に多くの栄養が含まれています。
葉の部分も捨てずに食べましょう。
|
小さな体に栄養がぎっしり ホタルイカ |
![]() |
皆さんにとって「待ちわびる春の味覚」とは何ですか?
山菜や竹の子などいろいろありますが、身がぷっくりして味が濃厚なホタルイカも絶品ですね!
ホタルイカの第一の特徴は、スルメイカなどのイカ類と同じように「タウリン」が豊富なこと。
肝臓の働きを高めたり、血中のコレステロール値を下げる効果があります。
第二の特徴は、丸ごと食べるので、ワタ(内臓)に含まれる栄養素もいただけること。
ワタにはビタミンA・B12など、体に良い栄養素が詰まっています。
ビタミンAには目の健康維持や皮膚・粘膜の免疫力向上、抗酸化作用があります。
ビタミンAが不足すると、夜に見えづらくなる夜盲症になることは聞いたことがあると思います。
また、ビタミンB12には貧血の予防、睡眠のリズムの調整、神経の伝達を円滑にするなどの働きがあります。
栄養豊富でありながら、低脂肪、低カロリーな点も嬉しい食材です。
定番の酢の物のほかに、パスタにもよく合います。
オリーブオイル、にんにく、菜の花と一緒に混ぜ合わせて召し上がれ!
|
血液サラサラ効果が注目を浴びる玉ねぎ |
![]() |
玉ねぎの特徴は、ビタミン、ミネラルの含有量が少ない代わり、「硫化アリル」という辛味成分が多く含まれていることです。
とても揮発しやすい成分なので、玉ねぎを刻むと目の粘膜が刺激されて涙が出てくるわけです。
この硫化アリル、多くの優れた効能があります。
消化液の分泌促進、不足すると脚気になるビタミンB1の吸収促進、魚や肉の臭み取りなど。
これらの効能を得るには生で食べるのがベストです。
もし辛味が気になるなら、酢などをかけると和らぎます。
水にさらすと成分が水に溶け出てしまうので注意しましょう。
さらに、最近注目されているのが血液サラサラ効果。
こちらを期待する場合は、玉ねぎを刻んで15分以上放置した後、加熱調理します。
玉ねぎは品種や種まきの時期によって旬が異なり、一年中出回っていますが、新タマネギが出回る3~4月頃が一つの旬といえます。
柔らかく辛味も少ないので、生でサラダにしたり、肉じゃがなど煮込み料理にどんどん使いましょう。
必要量は1日に4分の1ほどで十分です。
|
海藻を食べて生活習慣病を予防! |
![]() |
海に囲まれた日本では、いろいろな海藻が採れますが、最も好まれ、よく食卓を飾るのは昆布・ひじき・海苔・わかめでしょうか。
海藻が生活習慣病の予防になると言われるのは低カロリーでありながら、海水中のビタミン・ミネラルを濃縮して含み、食物繊維が豊富であるためです。
ミネラルの中でもカルシウムとヨードが多いのが特徴。
特にヨードは他の食品に比べてケタ違いに多く含まれています。
ヨードは主に甲状腺ホルモンを作る材料になります。
甲状腺ホルモンは新陳代謝を活発にする働きがあり、このホルモンが不足すると、寒がり、皮膚のかさつき、やる気が出ないなどの症状が現れます。
次に注目すべきはあのぬるぬるしたぬめり成分。
アルギン酸やフコイダンなどの水に溶けやすい食物繊維が含まれていて、腸内細菌のバランスを整える働きのほかに血中のコレステロールを下げたり、血圧の上昇を抑える働きがあることがわかってきました。
調理時に気をつけることは、乾燥物を水に戻す時、長くつけすぎないこと。
また、有効成分が溶け出した煮汁などを捨てずにいただきましょう。
|
ミネラルの宝庫 アスパラガス |
![]() |
アスパラガスにはグリーンとホワイトがありますが、グリーンは若芽を日光に当てて栽培し、ホワイトは土盛りをして日光に当てずに栽培します。
栄養価をみると、ホワイトはビタミンCなどを少量含む程度なのに対して、グリーンは栄養素の宝庫といった感じ。
アスパラガスから発見されたことで名前がついたアミノ酸の一種のアスパラギン酸をはじめ、多くのビタミン(A・B・C・E)、ミネラル(カルシウム、鉄など)を含んでいます。
アスパラギン酸には滋養強壮、疲労回復の働きがあります。
穂先の部分に集中して含まれているのがルチンと亜鉛。
ルチンは蕎麦(そば)にも含まれている成分で毛細血管を丈夫にする働きがあり、動脈硬化の予防になります。
また、亜鉛は体内の酵素反応に欠かせない成分で、亜鉛が不足すると疲れ、抜け毛、爪の変形、味覚障害などの症状が現れます。
美味しいアスパラガスの見分け方は「穂先が締まっていて、茎が太く筋がなく濃い緑のもの」が良いそうです。
|
春の皿には苦味を盛れ |
![]() |
冬の終わりから早春にかけて、田んぼや山野には春特有の苦みと香りを持った山菜がたくさん顔を出します。
春の使者といわれる「ふきのとう」、山菜の王様を呼ばれる「たらの芽」、他に「せり」「うど」など。
最近ではハウス栽培されたものがスーパーマーケットに出荷され、簡単に手に入るようになりましたね。
昔から、「春の皿には苦味を盛れ」と言われています。
これは、山菜の苦味や香りが冬の間にたまった脂肪を流し、味覚を刺激して気分を引き締めて一年の活動をスタートさせてくれるからです。
冬眠から目覚めた熊が最初に食べるのがふきのとうだとか。
ふきのとうの苦味には、肝機能を高めるアルカロイド、血中のヒスタミンを減らし花粉症の予防になるフキノール、発がん物質を除去するケンフェノールが含まれています。
また、香り成分のフキノリドは胃腸の働きを高めてくれます。
水に浸してほどよくアク抜きをしてから天ぷらにすると美味しいですよ。
|
春キャベツは柔らかく生食に最適! |
キャベツは傷ついた胃粘膜を修復し、胃・十二指腸潰瘍の発生を抑えるビタミンU(別名、キャベジン)を多く含んでいることが特徴です。
また、イオウと塩素を含み強力な胃腸洗浄作用を発揮します。
多量にキャベツを食べるとイオウのにおいのするガスを発生することがありますが、これは腸内の老廃物が分解・浄化されているため。
さらにもう一つ。
ビタミンCの含有量が多く、大きい葉を2~3枚食べれば1日に必要な分を補給できます。
そのうえ食物繊維やカルシウムも含むので便秘や整腸にも効果があります。
ビタミンUとCは水に溶けやすく熱に弱いので、なるべく生で食べましょう。
しかし、加熱すると滋養強壮作用のあるアリルスルフィドができるので、味噌汁やロールキャベツなど煮込み料理もおすすめです。
苦味と酸味・香りを効かせる
これまで、春夏秋冬、それぞれの季節に採れる旬の食材一つ一つの栄養とその効用などについてご紹介してきましたが、今回からは四季ごとの食養生についてお話したいと思います。
「食養生」とは食べ物によって病気の予防や健康維持を目指すことで、漢方が大切にしている考えのひとつです。
春は、特に「肝臓」の働きが活発になり、冬に溜め込んだ不要なものを体外に排出しようとします。
それを助けるのが山菜の「苦味」です。
ふきのとう、わらび、竹の子など、春にしか味わえない食材を楽しみましょう。
また、陽気が高まる春は活動的になり、その原動力として血液がたくさん必要になります。
春が旬のカツオ、ホタルイカ、貝類に加えて、胃の働きを助ける新キャベツ、新玉ねぎなど自然の甘味を食べましょう。
さらに、三寒四温の春先は自律神経が乱れやすく、ストレスを感じやすい時期です。
酢の物、梅干し、柑橘類などの「酸味」のものとセロリ、うど、三つ葉など「香り」の豊かな野菜を摂りましょう。












