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2023-12-23 14:41:00

生野菜を食べない中国で、なぜ「サラダ」は定着できたのか

フリーライター:牧野武文

「食生活」というのはほとんどの国において、多かれ少なかれ海外の食文化の影響を受けながら変化していくものだ。今や世界第2位の経済大国である中国においてもそれは同様で、とくに大きな経済成長を遂げたこの20年に食生活が目まぐるしく変わった。ただ、その変化の過程には、高級化→中食化→内食化→中華料理化と進んでいく、中国ならではの”一定の法則”がある。

サントリーの烏龍茶が中国での下馬評を覆した理由

中国の盒馬鮮生(フーマ)
中国も他国の食文化が多く流入するが、その進化の過程は独特だ

 1995年、サントリーが中国でペットボトル飲料の「烏龍茶」を発売したとき、多くの中国人は「失敗するだろう」とみていたという。なぜなら、当時の中国にはお茶(とくに中国茶)を冷たくして飲む習慣がなかったからだ。

 ところが実際に発売されると、若者が飛びついた。サントリーが中国では「無糖」「微糖」「加糖」という3種類を展開したことで、若者は清涼飲料として受け入れたのだ。これをきっかけに中国でも冷たい中国茶を飲む習慣が広がり、今では「タピオカミルクティー」など、若者はむしろ冷たいお茶を好んで飲むようになっている。

 このように中国にも欧米や日本、中東、東南アジアの食文化が流入しているが、その定着プロセスには一定の法則性がある。そして、そのプロセスの要所要所で、その食文化をより豊かなものにする食材や調味料を提供できた飲食店や企業が「定番」として定着するのだ。では、その法則性とはどのようなものだろうか。サラダを例にとって解説していこう。

海外発の「高級料理」として流入したサラダ

 そもそも中国の伝統的な食文化の中では、「冷たいもの」と「生もの」を食べる習慣はなかった。「冷たい食品は体を冷やし、健康を害する」という古来からの教えがあり、また、公衆衛生が成熟していなかった時代における食中毒を防ぐための生活上の知恵でもあったと思われる。

 そうした背景から、中国では加熱されていない・温かい状態で食べられない食品は「食事」として認識されづらい時代が長かった。冷たいものだけでなく常温のものについても同様で、たとえば今でもパンは「間食」としてのイメージが強い。

 当然のことながら、「サラダ」も一食のメニューにはなり得なかった。中華料理を思い浮かべればわかるとおり、基本的に野菜は熱を通して食べるのが常識だったからだ。

 しかし昨今の中国では、サラダは中国の食文化において一定の地位を得るようになっている。そこに至るまでには、前述の”法則”どおりのプロセスを踏んでいるのだ。順を追って説明していこう。

①海外の”高級文化”として流入

 実は上海では、サラダは料理として古くから知られていた。租界に住む外国人たちが毎日のように食べていたからだ。しかし、ごく一部の中国人を除いて、サラダ文化が租界外の人間に浸透することはなかった。

 そうした状況に変化を及ぼしたのが、1990年の「ピザハット」の進出だ。中国では宅配主体の日本とは異なり、「ピザレストラン」として展開を始め、そこでのメニューの1つに「サラダバー」があった。ただし、夕食で20元、朝食であれば10元以下が相場だった当時、ピザハットの客単価は70元から80元、サラダバーは25元と値が張った。そのため中国においてピザハットは誕生日やデートで行くような場所となり、必然的にサラダそのものも「高級で海外文化の香りがするメニュー」として、静かに認知が広がっていくことになったのである。

②健康効果が注目される

 医食同源の国である中国では特定の食品が普及するうえで、「健康効果」があることはほぼ必須になる。そのため2010年代になると、サラダは「減肥(ダイエット)」に励む若い女性から、幅広い年齢層へと徐々に広がっていくようになる。

 減肥薬(やせ薬)の流行など、過度なダイエットによる弊害が知られるようになり、次第に「減脂」「減糖」といった合理的な健康食として、またビタミンなどの栄養素を多分に含むメニューとして、サラダの摂取が拡大していくようになったためだ。同時に、ドレッシングも「ノンオイル」が注目されるようになっていった。

001 サラダ関連のキーワードに関するSNSの分析。2020年のコロナ禍に入り、「餐庁」(レストラン)の順位が下がり、「減脂」(低脂肪)の順位が上がっていることがわかる。コロナ禍で内食化が加速をした。游仁信息科技(https://www.yo-ren.com)提供データ。
サラダ関連のキーワードに関するSNSの分析。2020年のコロナ禍に入り、「餐庁」(レストラン)の順位が下がり、「減脂」(低脂肪)の順位が上がっていることがわかる。コロナ禍で内食化が加速をした。游仁信息科技(https://www.yo-ren.com)提供データ。
SNS「小紅書」(RED)のキーワード分析。円が大きいほどキーワードの出現回数が多く、接続線の数字が関連の強さを表している。右の黄色いゾーンでは「餐庁」と「約会」(デート)、「探店」(レストラン巡り)のリンクが強く、外食のサラダは洗練されたイメージが強い。一方、左下の緑色ゾーンで大きいのが「沙拉」(サラダ)と「減肥」(ダイエット)のリンクが強く、「沙拉汁」(ドレッシング)が大きな関連要素になっている。また、中華風サラダ料理「大拌菜」とサラダを「丘比」(キューピー)が仲介している。サラダのバラエティを広げる上で、ドレッシングの多様さが大きな働きをしていることがわかる。游仁信息科技提供データ。
SNS「小紅書」(RED)のキーワード分析。円が大きいほどキーワードの出現回数が多く、接続線の数字が関連の強さを表している。右の黄色いゾーンでは「餐庁」と「約会」(デート)、「探店」(レストラン巡り)のリンクが強く、外食のサラダは洗練されたイメージが強い。一方、左下の緑色ゾーンで大きいのが「沙拉」(サラダ)と「減肥」(ダイエット)のリンクが強く、「沙拉汁」(ドレッシング)が大きな関連要素になっている。また、中華風サラダ料理「大拌菜」とサラダを「丘比」(キューピー)が仲介している。サラダのバラエティを広げる上で、ドレッシングの多様さが大きな働きをしていることがわかる。游仁信息科技提供データ。

 

フードデリバリーの勃興が中食化、そして内食化を促す

③デリバリーによる中食化

 それでも、サラダは「飲食店で食べるもの」という中国独特の意識は残っていた。そこに変革を起こしたのが、2016年に創業したアリババ系の新小売スーパー「フーマフレッシュ」をはじめとするデリバリー、クイックコマースの勃興による、「サラダの中食化」である。

 中国でも温度管理が徹底された物流網、配送体制が確立されたため、新鮮なサラダを自宅で食べられるようになった。自宅で食べる”ちょっとおしゃれなメニュー”、ホームパーティーメニュー、あるいは健康的な食事メニューとして、食卓にも徐々にサラダが登場するようになっていった。

 

④内食化

 中食化に至ればそのまま内食メニューとして定着するのは自然な流れだが、中国の場合、コロナ禍がこれを加速させた。外出自粛が迫られた中で健康に対する関心がより高まり、自分で食材を工夫してサラダをつくる人が増加したのだ。

 この内食化の流れの中でポイントになったのが、サラダの味を決めるドレッシングだ。多種類のドレッシングが発売されたことで、サラダがサイドメニューから朝食のメーンメニューに格上げされていった。さらに、野菜だけではボリュームが足りないため、鶏肉、チーズ、ローストビーフなどの食べ応えのある食材もトッピングとして使われるようになった。

 また、前述の新小売スーパーなどでは、このようなサラダ食材のセット販売も行われ、パックを開けて食器に移し、好きなドレッシングをかけるだけという調理の簡便さもサラダの普及を促した。

フーマフレッシュのアプリ上で表示されているサラダのメニュー
新小売スーパー「フーマフレッシュ」のサラダメニュー。ほぼ人気順に並んでいる。さまざまな食材がパッケージされていて、ドレッシングも付属している。配達エリア内であれば注文から30分で宅配してもらえる

独自改良を加えて「中華料理化」に至る

⑤中華料理化

 そして、最後に起こるのが「中華料理化」だ。中華料理の世界は広大で、どのような外国の料理でも、それに類似あるいは延長線上に位置づけられるような中華料理が存在していることが少なくない。

 サラダについても、「涼拌菜(リャンバンツァイ)」という中華メニューに親和性があった。これは鶏肉や中華ハム、キクラゲ、春雨、幅広麺などを一度煮た野菜と合わせてつくる料理で、夏バテしたときなどに食欲を回復するための料理として知られている。味付けはもちろん中華醤ベースになる。

 近年はこの涼拌菜とサラダが融合して、西洋料理とも中華料理とも言えない独特の”新中国料理”となり、家庭に定着している。そのため、中華風のサラダドレッシングも販売され、よく売れるようになった。また、紫芋や麺など炭水化物の多い食材とも合わせられるようになり、サイドメニューから完全なるメーンメニューとして成立しつつある。

 中国の食文化は、四千年の歴史の中で、大きな変革期を迎えている。海外から常に新しい食文化が流入し、豊かになった中国人たちはそれを楽しんでいる。しかし、中華料理文化の偉大な点は、日本が海外の食文化を受け入れたうえで独自改良を加えて“洋食”として昇華させたように、最終的に”中華料理”のメニューとして取り込めるように改良が加えられるという点だ。

 外から入ってきた食文化は、一定の法則に従って中国の家庭に定着をしていく。次のステップにシフトさせる働きをする飲食店、食品関連企業が新たな定番ブランドとして定着する傾向がある。

外から入ってきた食文化は、一定の法則に従って中国の家庭に定着していく。次のステップにシフトさせる働きをする飲食店、食品関連企業が新たな定番ブランドとして定着する傾向がある。

 今回はサラダを例にとったが、ほかの料理メニューもおよそ同じようなプロセスで消費市場に定着する傾向が強い。そして”次のプロセス”に移行する際に、そこでの変化を機敏にとらえ、求められる食材やメニューを提供できたプレーヤーが、”定番ブランド”の座を射止めることができるのだ。

 その意味で、話は冒頭に戻るが、サントリーの烏龍茶の中国での成功というのは、とても示唆に富む事例なのである。

 生野菜を食べない中国で、なぜ「サラダ」は定着できたのか _小売・流通業界 ニュースサイト【ダイヤモンド・チェーンストアオンライン】 (diamond-rm.net)

 


2023-12-10 10:24:00
NNAカンパサール

アジア経済を視る December, 2023, No.106

【新:価格ウオッチ】

アジアのラーメン店
一人前のお値段は?

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アジア各地で物価の上昇が止まらない。安いアジアも今や昔、円安相場のリアルを直視しよう。駐在暮らしや長い出張で恋しくなる日本の味、ラーメンの「いま」の価格をアジア15都市で調べた。

「ラーメンとギョーザにビールで晩酌」で、果たしていくらになるか(一風堂シンガポールの公式フェイスブックより)

アジアに広く展開する「一風堂」と「味千ラーメン」、2つのチェーンを中心に日系ラーメン専門店の定番商品を調べた。最高値(日本円換算)は、シンガポールの1,338円(味千)。同市は他店も1,200円を軽く超えてくる価格帯で、アジア随一とされる物価水準の高さを見せつけた。

意外な次点がモンゴルの首都ウランバートルの1,316円(味千)。味千は7年前の2016年に初出店。製麺機を導入し、現地での麺製造も行ってきた。ウランバートルは近年、日本の小売りや外食チェーンの展開が進み、昨年初めには牛丼の吉野家も1号店を開業。牛丼(並)を800円弱ほどで提供している。

一風堂も展開エリアを年々着実に増やしている。ベトナムのホーチミン(709円)、インドネシアのジャカルタ(676円)、ミャンマーのヤンゴン(680円)では定番の「白丸元味」を日本よりも安価に提供。ラーメン好きの駐在員には好適だ。

一方、日系ラーメンチェーン不毛の地が韓国とインド。韓国は日本に近く食文化の類似点も多いにもかかわらず、過去にも大手の進出例はあるものの結果は振るわなかった。そうした中、ソウルの「豚人(ぶたんちゅ)」は「とこ豚骨ラーメン」(1,032円)を看板商品に数店を運営。日系店として健闘を見せている。

インドは日系ラーメンチェーンを今回の調査では確認することができなかった。現地に進出する焼き鳥チェーン「くふ楽」が、傘下の日本食レストラン「TOKYO TABLE」で提供するラーメン(528円)を参考に掲載しておく。なお、店舗はインディラ・ガンディー国際空港(IGIA、デリー空港)の商業地区「エアロシティー」で営業しており、出入国などの際に利用するには便利だ。

サイドメニューのギョーザは、今回調査した全てのエリアで見ることができた。最高値は香港(777円)、安値は日本(250円)だった。焼きギョーザ、揚げギョーザをそれぞれ同価格で提供する店も多く、揚げがほとんど見られない日本の店と異なる傾向だった。

牛丼の「すき家」
インドでラーメン

味千ラーメンのモンゴル2号店。2021年8月、チンギスハン国際空港に開業した(味千ラーメン・モンゴリアの公式フェイスブックより)

今回の調査は、価格のばらつきやすい個人店を避けつつ、チェーンによる相場形成が可能な価格帯を探ることを狙いとした。日本食レストランの単品メニューとしてのラーメンを対象にせず、基本的にラーメン専門店に絞ったのもそのためだ。

価格表には入らなかったが、調査の候補に挙がったチェーンは他にも、旭川ラーメンの「らーめん山頭火」、東京・新宿発祥の煮干しラーメン「ラーメン凪(なぎ)」、石川県生まれの「8番らーめん」、グロービート・ジャパン(らぁめん花月嵐、ちゃぶ屋とんこつらぁ麺CHABUTONを運営)などがあった。アジアでは3~6カ国・地域にそれぞれ進出しており、さらなる展開が期待される。

余談だが、調査で耳にした話によるとインドで日系ラーメンがヒットしづらいのは、宗教的に動物性の食材をあまり口にしない人が多いことと、暑い気候で熱々のラーメンはあまり好まれないことが背景にあるという(真偽は定かではない)。なお、牛丼チェーンの「すき家」はインドではチキン味のラーメンを500円ほどで提供しているという話もある。出張の際などに見かけたら、試してみてはどうだろうか。

【新:価格ウオッチ】アジアのラーメン店  一人前のお値段は? - NNA

 


2023-12-08 12:35:00
「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第159号
成長するコーヒー市場 6つの形態が店頭に共存するワケとは?



本コンテンツは、食生活についての消費者への独自調査をもとに、その分析結果をまとめたオリジナルコンテンツです。無料会員の方は、調査結果の分析パートと、主要各紙から食生活のトレンドを整理した業界クリップの2部構成でお届けするレポート形式のPDFダウンロードがご利用いただけます。



【1】伸長するコーヒー市場

 コーヒーの国内消費量は、2022年に4年ぶりの増加に転じた。最近では大手コンビニエンスストアがコーヒーのサブスクサービスを実験的に導入する動きがみられる。今回はコンビニを中心にコーヒーがどのように買われているのか調査をおこなった。

 まず、コーヒー全般について、最近3ヶ月以内の飲用頻度は「ほぼ毎日」が53.3%と半数にのぼり(図表1)、7割が「好き」という結果になった(図表3)。また、1年前と飲用頻度を比較すると、増加が25%、減少が5%とコーヒー市場が成長していることが確認できた(図表2)。

 さまざまな基本属性のなかで、飲用頻度に特に差があったのは性別年代と職種で、「ほぼ毎日」が男女60代で7割超、男性40-50代、管理職と営業で約6割に達する。また飲用頻度の増加率では、男女20-30代が4割と若者の伸長が目立つ。コーヒーを飲み始めてから、年齢を重ねるごとに徐々に飲用が習慣化していく様子がうかがえる(図表5)。

図表
高画質版の図表はレポートダウンロードをご利用ください


【2】性別年代と職種に左右されるコーヒーチャネル

 移動中・外出先でのコーヒー飲料の購入場所をみていく。最近3ヶ月以内に利用した場所については、コンビニが33.2%ともっとも高い(図表6)。利用頻度の増減については、SA・PAの売店が増加から減少を引いた純増率で2割を超えるなど、いずれのチャネルも増加の動きがみられる(図表7)。

 次に、購入場所の上位三つについてそれぞれ属性別の違いをみていく。週3日以上の利用は、コンビニで13.4%、食品スーパーで8.4%、チェーン店でのテイクアウトで5.1%となっている。そのなかでコンビニでは、管理職をはじめ男性20-50代、保安・運輸が高い。食品スーパーでは女性20-30代が高く、コーヒーチェーン店は、女性20-30代をはじめ管理職、営業が高い(図表8)。

 このことから、コーヒーはチャネルごとに利用者の属性が異なっていると考えられる。特に、職種との関連がある点については、大きな特徴と言える。

図表
高画質版の図表はレポートダウンロードをご利用ください


【3】形態によって異なるヘビーユーザー

 ここからはコンビニでのコーヒー購入に焦点を絞り、商品の形態による違いをみていく。もっとも最近購入したコーヒーは、セルフ式いれたて(以下セルフ式)が49.2%と半数近く、ペットボトル、缶と続く(図表9)。評価については「非常に満足」だけでみると、チルドカップとセルフ式が3割を超え、「満足」の合計では缶を除く全ての形態で8割を超えており、満足度は高い(図表10)。続いて週3日以上購入している人について、全体より高い特徴的な属性をみていく。性別年代では、男性20-30代がセルフ式、ペットボトルで高く、女性20-30代がチルドカップ、紙パックで高い。職種では、管理職が形態を問わず高く、営業と保安・運輸についてはセルフ式、ペットボトルなどで高い(図表11)。コーヒーのなかでも形態ごとにヘビーユーザーが異なることがわかる。

 次に、購入重視点をみていく。共通して味と価格が上位ふたつにあがり、セルフ式については価格の重視度がもっとも高くなっている。また、他の形態と比較して、ペットボトルは「持ち歩きやすさ」、ボトル缶は「容量」「持ち歩きやすさ」「時間を空けても飲める」ことが重視されていることがうかがえる(図表12)。

 

図表
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【4】 惣菜の購入がチャネルの今後利用意向に影響を与える

 コンビニでのコーヒー選択における事前決定をみると、味の種類についてはいつも・ほとんど同じが81.8%、ブランドについてはいつも同じ・いくつか候補ありが77.6%といずれも8割前後と高い。また、コンビニ利用者のうち、2割を超える人が10年以上利用しているブランドがあり、缶とボトル缶ユーザーは3割を超えている(図表13)。このことから、コーヒーは事前決定度が高く、ブランドへのロイヤリティが高いと言える。次に、今後の利用意向をみていく。購入場所についてはコンビニ、コーヒーチェーン店が高く、図表6の現在利用率を上回っている(図表14)。コンビニにおけるコーヒーの形態についてはセルフ式がもっとも高く、いずれの形態も3ヶ月内購入率を上回っている(図表15)。

 コンビニのサブスクサービスについてみると、認知率は24.1%で、月額2,000円での利用意向は17.8%、1,500円で31.0%となっている(図表16)。

 ここまでみてきたように、コーヒーの市場は伸びており、今後の成長も期待できる。そして、形態が多様化するなかで各々を支持する属性の存在が明らかになった。コンビニにとってコーヒーはこれからも重要な商材になるだろう。

図表
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「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 成長するコーヒー市場 6つの形態が店頭に共存するワケとは? - J-marketing.net produced by JMR生活総合研究所 (jmrlsi.co.jp)

 


2023-12-08 12:33:00

マクドナルドの新コンセプト店「コスマックス」週内オープン、スタバに対抗

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米マクドナルドはイリノイ州ボリンブルックにコンセプト店「コスマックス」1号店を開店する予定/Courtesy McDonald's

米マクドナルドはイリノイ州ボリンブルックにコンセプト店「コスマックス」1号店を開店する予定/Courtesy McDonald's

ニューヨーク(CNN) 米ファストフード大手マクドナルドは6日、新しいコンセプト店舗「コスマックス」に関する詳細を明らかにした。

コスマックスは、スターバックスに対抗するカフェ形式の店になると思われる。この名称は、ほとんど知られていないマクドナルドの宇宙人のキャラクターに由来する。クリス・ケンプチンスキー最高経営責任者(CEO)は7月の時点で「マクドナルドの全てのDNAを受け継ぎながら、独特の人格をもった小型コンセプト店」と説明していた。

ケンプチンスキーCEOは6日に開いた投資家イベントで、バーガーの大型化や店舗の増設などについて説明した後、故スティーブ・ジョブズ氏方式のイントロでコスマックスを紹介した。

「それからもう一つ」とケンプチンスキー氏は切り出し、「コスマックスです」と言及。「一部が宇宙人、一部がサーファー、一部がロボットだった1980年代のマクドナルドのキャラクターが、2023年にレストランを開いたとしたら、何が起きるでしょう」と問いかけた。

ロボットのサーファー宇宙人がスターバックスに対抗する店を開いてもっと魅力的な飲料をそろえ、それに自分の名を付ける――。それが答えだった。

マクドナルドは「魅力的な急成長分野」であるスペシャルティーコーヒーに進出したい意向だとケンプチンスキー氏は言う。

コンセプト店ではチュロフラッペ、スモアズ・コールド・ブリュー、チャイ・フラッペ・バーストといった飲料を試験的に販売予定。クッキーやアイスクリーム、サンドイッチなどもそろえる。

週内にイリノイ州ボリンブルックに開店する1号店を皮切りに、来年前半にかけてテキサス州内で9店舗の開店を予定している。

マクドナルドの新コンセプト店「コスマックス」週内オープン、スタバに対抗 - CNN.co.jp

 


2023-12-08 12:29:00

マクドナルドが「同社史上最速の店舗数拡大」計画、2027年までに1万の新規出店

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Getty Images

マクドナルドは、12月6日の投資家向けサミットで、2027年までに全世界で1万店舗の新規出店を行い、世界の店舗数を5万店舗に拡大する計画だと発表した。世界最大のファストフードチェーンである同社は、この計画が「史上最速の拡大」になるとしており、人工知能(AI)を使ったレストランの自動化に向けたグーグルとの提携も発表した。
 
マクドナルドは、新店舗によって全体の売上が2%近く成長すると予測している。
 
同社の広報担当者は、CBSに対して米国では900店舗が新たにオープンし、残りは海外にオープンすると語った。マクドナルドはまた、メニューの一部を刷新し、2026年までにハンバーガーの品質を向上させる取り組みである「ベスト・バーガー・イニシアチブ」をほぼすべての市場に拡大し、成長中のチキン事業に関しても、2025年までにクリスピー・チキン・サンドイッチを全市場に拡大する計画という。
 
同チェーンは、生成AIの活用で店舗の自動化を加速させたいとも述べている。
 
AP通信によると、マクドナルドの最高顧客責任者であるマヌ・ステイヤートは、同社が最初の1万店舗をオープンするまでに33年かかり、その後は3万店舗から4万店舗に伸ばすのに18年かかったと述べたという。ステイヤートはまた、デリバリー部門の爆発的な成長が新店舗の需要を後押ししていると語った。
 
同チェーンは、2027年までにデリバリーの30%がアプリからの受注になると予測している。マクドナルドは、AIへの投資を増やしており、直近では史上初の完全に自動化された店舗のテスト版を公開した。
 
この試みは一部のSNSユーザーの批判を浴びたが、マクドナルドは、自動化が厨房スタッフの業務を効率化すると主張している。他のファストフード店も同様にAIへの投資を進めており、ウェンディーズは今年初め、ドライブスルーでの注文を手助けするAIチャットボットをテストした
 
今回の発表には、同チェーンが秘密裏に進めているスピンオフ・レストランの「CosMc」に関する新たな詳細は含まれていなかった。マクドナルドは、このプロジェクトでスペシャルティドリンクに焦点を当て、スターバックスらと競合する可能性があると予想されている。
 
forbes.com 原文

編集=上田裕資

マクドナルドが「同社史上最速の店舗数拡大」計画、2027年までに1万の新規出店 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

 


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