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2021-10-31 10:37:00

明日のフードビジネスへの展望

【第176回】

 

今回は、「BCG流経営者はこう育てる」()について紹介しましよう。

 

現代経営者の条件(30)

 

(5)失敗しても落ち込まず、失敗から学習する

 

●柳井正

 

 「失敗したことがない人を、私は信用しません。それに、失敗して転んだときの“需要”を知らないと、いざという時に致命傷を負ってしまう」

 「ユニクロは成功モデルといわれるけど、同じようなことを考えた人はたくさんいたはずです。そのなかで私たちだけが実現できたのは、毎日の経営を通じて失敗に対する具体的な回答を出せたか出せなかったかの、この違いだと思います」

 「失敗はだれにとってもいやなものです。失敗から目をそらし、蓋をして葬り去りたい気持ちにもなる。しかし、蓋をしたら最後、必ず同じ失敗を繰り返すことになる。失敗は単なる傷ではない。失敗には次につながる成功の芽が潜んでいる」

 

●高原慶一朗

 

 「失敗とは成功に至る第一歩であり、成功へ導くプロセスである。したがって、成功に遠い人とは失敗を恐れる人である。失敗は人を鍛える。失敗は必ず発生する。だとしたら成功に近いのは、失敗しない人ではなく、失敗に強い人である」

 

(6)無私・倫理観

 

 無私・倫理観は、特に「必要ならば情を捨てても人を切る勇気」を正しく使うために不可欠な要件である。切るべき人と切るべきタイミングを正しく判断しね周囲に与える悪影響を最小化するための要件は何か。それが「無私・倫理観」である。

 

●柳井正

 

 「経営者は鬼にも仏にもなり、会社を引っ張ることです」

 

経営者のア-ト系スキル ②:勇気(まとめ) 

 

●経営者には、経営者しかできないつらい意思決定を行う勇気が必要である。

 

●主な4つの「勇気」が必要。

 

1.トレ-ドオフを理解したうえで、どちらかを捨てる勇気

 

2.不完全な情報下でも必要なタイミングで決断する勇気

 

3.やめる勇気、変える勇気

 

4.必要ならば情を捨てて人を切る勇気

 

●この4つの「勇気」を正しく使うためには、経営者は三つの要件を満たしていなければならない。

 

1.つらい意思決定に耐えうる「メンタル・タフネス」があること。

 

2.リスクを管理できること

 

3.無私な倫理観を持っていること

 

●リスク管理に裏打ちされない勇気の行使は単なる蛮勇であり、企業を滅ぼす。

 

・最もリスクを回避する経営者だけが、最も果敢にリスクを取る勇気を持って実行することができる。リスクを取る経営者ほど、リスク回避に神経を使う。

 

・リスク管理、すなわち失敗に強くなるためのポイントは二つ。

 

1.失敗する確率とダウンサイド・リスクを最小化すること

 

2.失敗しても落ち込まず、失敗から学習すること

 

●倫理観に裏打ちされない勇気の行使は単なる非情であり、長期的には周囲のサポ-トが得られず、企業は衰退する。お客様のため、株主のため、スタッフのためという「無私の心」があってこそ、非情と思われる意思決定もできるし、周囲もついてくる。

 

 

 

 

 


2021-10-31 10:35:00

ドンキが香港ですし専門店 世界初業態、和食激戦地に挑む

総合ディスカウントストア「ドン・キホーテ」などを運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)はあす29日、グループで初となるすし専門店「鮮選寿司」を香港にオープンする。海外における新業態として複数店舗の展開を視野に、世界で最も日本の食材が受け入れられている和食激戦地の香港に「日本のおいしいをそのまま海外に」のコンセプトで挑む。

29日にグランドオープンする「鮮選寿司 海之恋店」(NNA撮影)

29日にグランドオープンする「鮮選寿司 海之恋店」(NNA撮影)

 

鮮選寿司の1号店は、新界地区・セン湾(セン=くさかんむりに全)の「ドンドンドンキ 海之恋本店」に併設する。香港鉄路(MTR)セン湾西駅に隣接する大型商業施設「海之恋商場(OPモール)」内という立地だ。

日本産または日本市場向けに開発された商品を主力ラインアップとするアジア向け業態「ドンドンドンキ」ではこれまでもパックずしを販売してきたが、店内飲食のすし専門店を出すのは初めて。日系、地場を問わず多くの和食店、すし店が林立する香港市場へ進出するに当たっての決意は店名に込めた。鮮度と、選び抜いた素材で勝負する。

PPIHグループの現地法人、泛亜零售管理(香港)の生鮮部門シニア調達マネジャーで鮮選寿司の責任者を務める山口晋治氏によると、世界中から旬のネタを仕入れており、特に一押しのマグロは、生育環境に優れたクロアチアのアドリア海産。香港人に人気のサーモンも、冷凍せず新鮮な冷蔵でノルウェーから空輸している。ウニは北海道産。「良いものだけを握る」方針のため、漁場の状況などによっては人気ネタを出さないこともあり得るという。

■シャリは自家精米

ネタを引き立てるシャリにもこだわった。北海道産の「ななつぼし」に合わせるのは、日本の高級店で使われる赤酢。コメは精米してから時間がたつほど味が落ちることから、鮮度を最大限に保てるよう玄米のまま香港へ輸入し、今月稼働したばかりの自社精米所で精米する。さらにワサビは香りを生かすため伊豆産を少量ずつ個包装で提供し、しょうゆも一般的なさしみしょうゆと九州の甘口しょうゆの2種類を用意する徹底ぶりだ。

本場のおいしさをとことん追求しつつ、営業形態も香港の人たちが日本らしさを感じる回転ずしスタイルとなっている。タッチパネルでの注文にも対応し、価格は皿の色ごとに12HKドル(約175円)、17HKドル、27HKドル、37HKドルの4種類。1人150~200HKドル程度で本格的なすしをおなかいっぱい味わえる。

冷凍せずに空輸するサーモンは自慢のネタの一つ(NNA撮影)

冷凍せずに空輸するサーモンは自慢のネタの一つ(NNA撮影)

■2年前から構想

PPIHグループの常務執行役員(香港・台湾・マカオ事業責任者)で現地法人社長の竹内三善氏は、香港で新業態に挑む理由について「香港のドンドンドンキは、食を中心とした日本商品のスペシャリティーストアという位置づけ。日本の本当においしいすしを香港の人たちに食べてもらうことで、『和食の伝道師』として当社の立ち位置を広げていきたい」と説明。「香港は世界中のおいしい食が集まる場所であり、香港の人においしいと言ってもらえれば自信になる」と話す。

竹内氏によると、香港にすし店を出すアイデアは、九龍地区・尖沙咀にドンドンドンキの香港1号店を立ち上げた2019年7月当初からあったという。「香港人にすしが人気だということは分かっていたので、ずっとすしの研究を続けてきた」。グループとして蓄積したユニー、長崎屋といった傘下企業の食のノウハウも生かし、2年越しの準備を経ての出店となる。

海之恋商場は、香港にあるドンドンドンキの立地の中でも幅広い世代の客層が集まる商業施設。「香港の家庭に和食を広げていきたいというコンセプトがあるので、ファミリー層が多いこのエリアは1号店にふさわしい」(竹内氏)と判断した。

グランドオープンを間近に控えた店舗では連日、オペレーションの確認を兼ねた試食会が開催された。参加した30代の女性会社員は、NNAに対し「シャリもネタも新鮮でおいしく、グランドオープンが楽しみ。でも、長い行列ができそう」と語った。

■商材の卸売りも

ドンドンドンキが香港に進出した19年は大規模な反政府運動で社会が混乱し、続く20年は新型コロナウイルスの流行で市民の行動が大きく制限された。そうした逆境下でも「驚異的な売り上げ」(竹内氏)を実現し、香港の店舗数は既に8店に拡大。都市型店、郊外店、大型店、小型店とさまざまな出店フォーマットを持つグループの強みも生きている。

今後は24年度をめどに香港で24店舗まで増やすことを目指しており、その中で鮮選寿司を含めさまざまな業態を試していく計画だ。9月に1号店が開業したばかりのマカオでも2店舗目の出店を探る。鮮選寿司については、ドンドンドンキへの併設と独立店舗の両にらみで複数店展開を狙っている。

グループとしてはこのほか、香港で商材の卸売り業務にも力を入れていく構え。香港のドンドンドンキでは年間150トンのサーモンを販売しており、マグロの取扱量も大きい。こうした自社流通の規模を背景に、価格競争力のある高品質商品を自社以外の小売店などにも積極的に卸していきたい考えだ。自家精米を始めたコメも、近く自社の販売、使用分を全て自家精米に切り替えた後に他業者への提供を視野に入れている。

同社にとって、他市場と比べても新しいことを始めやすい事業環境という香港。竹内氏は「なんでもチャレンジしてみたい」と力を込めた。

現地法人責任者の竹内氏(左)と鮮選寿司の責任者を務める山口氏(NNA撮影)

現地法人責任者の竹内氏(左)と鮮選寿司の責任者を務める山口氏(NNA撮影)

ドンキが香港ですし専門店 世界初業態、和食激戦地に挑む - NNA ASIA・香港・サービス

 


2021-10-23 21:38:00

京樽/創業以来初の全品一新したメニューを販売開始

2021年10月19日 / 商品

     

来年で創業90年を迎える「京樽」は10月19日、創業以来初となる全品一新したメニューを販売開始した。

<創業以来初の全品一新したメニュー販売開始>
20211019kyotaru 728x514 - 京樽/創業以来初の全品一新したメニューを販売開始

今回、新商品として京都の二つ星老舗料理旅館の野草一味庵「美山荘」四代目主人中東久人氏が監修した「鯛茶きん鮨」(税込300円)、「胡麻香る 鯛ちらし」(890円)の2種類が登場。「鯛茶きん鮨」に使用する混ぜしゃりは鯛のだし汁でふっくら炊き、鯛の身やごぼう・さんしょうを混ぜ合わせた新感覚の仕立てで用意した。

<鯛茶きん鮨>
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うす焼きたまごも、たまご本来の美味しさと滑らかさを生かすように黄身と白身の割合を調整、さらに、食べる所作も美しくなるように包み方も新たに変更したという。

発売から約70年となる「京樽」の看板商品「茶きん鮨」に、新たな自信作が加わった。

<胡麻香る 鯛ちらし>
20211019kyotatu3 - 京樽/創業以来初の全品一新したメニューを販売開始

同じく中東久人氏監修の「胡麻香る 鯛ちらし」は、透き通った鯛の美しさを楽しめるようにあえて醤油は付けず、手仕事で切り身の裏側一枚一枚に香り高いごまだれを仕込んだ。

鯛とごま、イクラの甘みが舌のうえでとけ合い、さんど豆のうまみと、すだちの涼やかな後味が締めくくるこだわりのちらしが楽しめるという。

他にも、色鮮やかな見た目でハレの日にもぴったりな「KYOTO style.」(990円)、「押すし」(3貫で300円)もいろいろな味を楽しめるように小さめのサイズへとリニューアルしている。

京樽/創業以来初の全品一新したメニューを販売開始 | 流通ニュース (ryutsuu.biz)

 


2021-10-23 21:30:00

日本人しかいない住宅街の中華食材店が繁盛する意外な理由【中華ビジネス戦記】

「ライチ500g1500円!予約なしだと1600円!欲しい人はチャットの名簿に書き込んでください!」

中国のメッセージアプリ「WeChat」でこんな一文が投稿されると、「500g買います」「私は2kg」と次々にコメントが投稿され、数時間後には10kg以上の予約が入った。

投稿したのは埼玉県富士見市で中華物産店「錦添(キムテン)アジア物産店」を営む田さん。

店舗がある場所は在日中国人が少ない住宅地で、一見すると経営が成り立つようには思えないが、マンゴーやスイカ、桃、北京ダック、エビなど中国人に人気が高い生鮮食品の入荷情報をオンラインでお知らせして“取り置き”するサービスで、同市外にもお得意様を抱えている。

「池袋や西川口はあえて避けた」

錦添アジア物産店は東武東上線の駅から徒歩5分ほどの住宅エリアにある。

錦添アジア物産店の最寄り駅は東武東上線の鶴瀬駅、池袋から準急で約30分ほどの静かな住宅地だ。実は筆者の実家に近く、外国人が少ない土地柄を知っているだけに、同店が2020年1月にオープンしたときは、他人事ながら客が来るのか心配になった。商圏を富士見市に広げても、人口11万人(平成30年)に対して中国人はわずか1%の1100人(同)。同じ埼玉県内でもチャイナタウン化が進む西川口を擁する川口市は、人口60万人に対して中国人が2万3000人いる。中国人の規模、比率どちらをとっても、錦添アジア物産店は「ぽつんと中華食材店」状態と言っていい。

しかし田さんは、「池袋や西川口は中国人が多いがその分競合店も多い。中国人が少ない場所のほうが競争がない分生き残れる」とあえてこの場所を選んだ。

集客の武器はWeChatだ。オープン時の同店グループチャット参加者は約30人だったが、今は360人を超えた。

WeChatに店舗のグループチャットを開設し客と直接やり取りするのは、中華物産店や中華料理店の一般的な手法でもある。中華料理店の多くはグループチャットから予約でき、500人規模のグループも少なくない。

お店のグループチャットに参加すると生鮮食品の予約ができる。

ただし一般的なやり方だからこそ、人気店になるには独自の魅力が必要だ。錦添アジア物産店のウリは、日本のスーパーや中国の他の物産館では手に入りにくい新鮮な果物や海産物。今の季節は、上海ガニも買うことができる。

10月中旬に上海ガニも入荷された。

果物や海産物など生鮮食品の売り上げが、1日の半分を占める日もあるというが、田さんによると、それだけでは利益にはなりにくいという。

「新鮮なライチやマンゴー、ドラゴンフルーツを売っているお店は埼玉に少ないでしょ? 果物を取りに来たお客さんが、ついでにインスタント麺や冷凍水餃子を買ってくれる。果物は広告で、保存食で利益を確保しているの」(田さん)

大宮市から車で30~40分かけてドラゴンフルーツを買いに来た中国人客は、「フルーツが新鮮なお店はなかなかないし、老板(中国語でオーナーの意味)の人柄がいいから買いに来るんですよ」と話していた。田さんとの楽しいおしゃべりも、この店にわざわざ来る理由だという。

筆者もすぐに田さんと顔見知りになり、おまけをしてもらったり会話をしているうちに、常連になってしまった。今の住まいは“中華の聖地”である池袋に近いにもかかわらず、田さんに会いに定期的に通っている。

中国人が少ないエリアでも、オンラインで人を呼び込みわざわざ来てもらう仕組みをつくり、会員制のような店舗に育っているのだと分かった。

この連載では、人気ブログ「東京で中華を食らう」を運営する阿生さんが、日本の中華料理店事情をビジネス面から紹介します。

阿生:東京で中華を食べ歩く26歳会社員。早稲田大学在学中に上海・復旦大学に1年間留学し、現地中華にはまる。現在はIT企業に勤める傍ら都内に新しくオープンした中華を食べ歩いている。Twitter:iam_asheng

日本人しかいない住宅街の中華食材店が繁盛する意外な理由【中華ビジネス戦記】 | 36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

 


2021-10-23 21:29:00

飲食店の認証取得、98%の山梨県首位 7道県は10%未満

【イブニングスクープ】

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東京都や大阪府は認証取得を酒類提供などの条件としている

新型コロナウイルス感染対策を徹底している飲食店を都道府県が認証する制度に関し、全国約80万店の4割強が取得したことが日本経済新聞の調査でわかった。山梨県はほぼ全店が取得したのに対し、7道県は1割未満だった。取得するメリットや開始時期の違いによる地域差が大きい。

認証店制度はアクリル板の設置や座席間隔の確保、換気の徹底などを点検し、基準を満たす飲食店にお墨付きを与えるしくみ。全都道府県が導入している。9月末まで緊急事態宣言が適用された東京都や大阪府は現在も非認証店に酒類提供の自粛を求めており、集客のため取得を目指す飲食店は多い。

都道府県に1日時点の認証状況をたずねたところ、対象となる全国の飲食店79万7894店のうち、認証を得た店舗は計33万550店と全体の41.4%だった。飲食店の総数が不明だった石川県は集計から外した。

取得率が最も高かったのは山梨県の98.8%で、東京都の79.2%、福井県の72.6%、埼玉県の72.0%が続いた。山梨県は「やまなしグリーン・ゾーン認証」を2020年5月に導入するなど、全国でもいち早く普及に取り組んだ。「Go To イート」の対象を認証店に絞るなどの優遇措置も功を奏した。

福井県も認証店で使える割引クーポンをスマートフォンに配信するなど、優遇措置を取り入れる地域で取得率が高くなる傾向がみられる。認証取得には新しい設備の導入や消毒の徹底など負担も大きく、取得するメリットの大小も飲食店の取得意欲に影響しているようだ。

認証の取得率が最も低かったのは島根県の0.3%で、北海道、青森、秋田、岡山、高知、鹿児島を含む7道県が10%を下回った。4月に政府が認証導入を働きかける通知を出した後に制度設計に取り組んだ都道府県も多く、岡山や高知は8月、島根も9月と開始が遅かった。

認証を取得した店舗でも、感染拡大時に自治体の時短要請に従わないなど対策の緩みもみられる。東京都は委託スタッフが夜の繁華街を見回り、深夜営業の認証店などに時短要請を守るよう促している。それでも認証店数の急増で見回りが追いついておらず、事後のチェック体制には穴もある。

認証制度は全国に広がったが、基準は地域によってまちまちだ。認証取得に必要な感染対策の項目数は福井県と鳥取県が60を超すのに対し、岐阜県は4、徳島県は5。取得にかかる手間が大きく異なり、飲食店側の不公平感を招きかねない。

都道府県への調査では政府に対し「認証基準の統一」(福岡県)を求める声は多く、山梨県は「認証制度の運営を担う全国的な団体の設立」を訴えた。山形県は「認証制度の普及と認証店の拡大には、認証店に限定した需要喚起策が欠かせない」と指摘している。(地域再生エディター 桜井佑介)


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