◆終了した講演会◆令和 7年9月27日
テーマ 正倉院を掘り下げる
第一部
演題:正倉院宝物の魅力と謎
講師:吉澤 悟氏(奈良国立博物館 学芸部長)
講演は正倉院宝物の成立に関してからのはじまりでした。
1.聖武天皇の崩御に際し、
聖武天皇・光明皇后の遺愛品の献納から始まります。
正倉院宝物については:
北倉 聖武天皇の遺愛品
中倉 東大寺の宝物
南倉 東大寺の宝物(法会用具等)
正倉院宝物の特徴:
① 宝物の点数が多く、種類・内容が多岐にわたる
② 人々の生活に関わる品が豊富
③ 保存状態がいい。土中品にはない価値がある
④ 工芸品の素材が豊富で、それに伴い工芸技法が多岐にわたる
⑤ 国際性豊か
⑥ 玄宗皇帝、聖武天皇、東大寺という8世紀東アジアの最高峰の関連品
(正倉院宝物の起源図 林良一「正倉院とシルクロード」昭和41年)
正倉院宝物の文化史的背景として:
■唐の世界帝国化
■唐文化における「西域」ブーム
■ササン朝ペルシャの滅亡
ゾグド系商人の往来
斬新なデザインと異国情緒が、装飾に取り入れられる
遣唐使により日本は積極的に唐文化のい吸収をはかる
「西域」様も唐文化の一部として吸収
■ 正倉院における奇跡的伝世
多くの異国情緒ある宝物が正倉院へやってきた経緯と背景であるとのこと。
素晴らしい感銘を受ける講演でした。
遠くペルシャ等の国からはるばるシルクロードを伝わって、
この日本列島まで伝わってきた品々。
それを大事に保存してきた古人の熱意と労力。
頭の下がる思いです。
第二部
演題:飛鳥・奈良時代の群馬と正倉院
講師:右島 和夫氏(歴史と文化を学ぶ会 特別顧問)
正倉院は、群馬の地まで、その影響力を持っていました 。
今回の右島先生の講演は、数多くある構成要素の中から
「格狭間(こうざま)、「唐三彩・奈良三彩」に焦点を絞って論じました。
(前橋市宝塔山古墳の横穴式石室に置かれた家形石棺の脚部には格狭間が掘り出されている)
「右島氏講演資料より)
正倉院の宝物の中には、聖武天皇愛用のすごろく盤とされる
「木画紫檀双六局」があります。
やはり格狭間があります。
飛鳥時代、古墳に埋葬された棺台の脚部にも認められます。
高松塚古墳の漆喰木棺の台座部分にも格狭間が採用されていたであろうと
推察されています。
また有名な「玉虫厨子」の脚部にも、
はっきりと格狭間はデザインされています。
これら格狭間が、奈良という日本の中央部から
遠い群馬の地まで影響を明確に与えていたということは、
言い換えれば、群馬の地が、
中央と密接に結びついていたことを表しています。
第三部
最後の二十分間は、右島氏と吉澤氏との対談でした。
堅苦しい学問の話は、少し遠ざけて、
ざっくばらんに正倉院のことについて話し合いました。
いつも正倉院は、混雑していて、
どの時間帯に行けば、ゆっくりとみて回れるとか、
コロナ禍以降は、予約制を採用しており、
現在は、昔のような混みあいは無くなったとか、
そのような話に花が咲いていました。
お二人の講演会が、上毛新聞系の「タカタイ」紙に載りました。
ー終わりー
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