◆終了した講演会◆令和 6年7月20日

テーマ 八ヶ岳西南麓の縄文文化

演題:黒曜石と国宝土偶「縄文のビーナス」「仮面の女神」について

講師:守矢 昌文 (茅野市尖石縄文考古館 特別館長)

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(講演中の守矢 昌文氏)

 

長野県諏訪地域の縄文文化の特性を探ることから講演は始まります。 

諏訪地域は、日本の東日本と西日本のちょうど接点に位置します。

標高は高く、しかも寒冷地であり、水田面積は少なく、その本質は豊かではない場所です。

 

◆諏訪地域における縄文文化の繁栄

諏訪地域は、なにしろ黒曜石が多量に産出されました。

特に霧ヶ峰産の黒曜石は、斑晶を含まず、上質な石器素材として、

日本のあちこちで用いられました。

そして黒曜石の採掘、集積、加工、流通等を通して、

諏訪地域にはムラが数多く発生します。

またそれらのムラは、日本のあちこちと流通し、

ヒスイ製品が糸魚川からもたらされ、コハク製品が千葉の銚子方面からやってきます。

また土器が、西日本から、北陸から、北関東からもたらされます。

 

縄文時代、黒曜石の採掘と流通により、諏訪地域は活況を呈します。

あちこちからもたらされた土偶は、洗練を加え、頭部、顔面は、

妊婦を意識した豊饒性へのバランス感覚が発達します。

「縄文のビーナス」の背景です。

 

また「仮面の女神」には、ムラの中の上位埋葬者とかかわりを持ち、

「土偶の埋葬位置まで様々な所作を与えられ、

ムラの中の社会的優越者の埋葬に際し、

再生を願う供義的な役割、社会を背負っての結果、

最上位の葬制が執り行われたことが想定できる」

と守矢氏は明言します。

 

まとめとして守矢氏は次のように言います。

「諏訪地域の縄文時代の繁栄理由を考える」と題して

A.黒曜石の原産地

B.他地域との交流

C.安定したムラと社会の形成

D.ムラの社会とマツリ

これらを持った諏訪地域は、

「(仮説として)ブランド力を高めるために、パッケージ(土器) 

のモノガタリ性を高め、地域の独自性を強調することで、

伝来の強調するパッケージとなり得るのではないか。」

とまで強調します。

 

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(熱心の耳傾ける聴衆)

多くの参加した方々の中には、

長野県出身の方々もいて、

これほど明快に自分の故郷信州を語ってくれたのは、

初めてです、と感激に震える人もいました。

自分の国、信濃にあらためて感激しましたと言う方もいました。

 

縄文時代、最も優れた石器素材であった黒曜石、

この黒曜石が因となり、ムラが数多く存立し、繁栄し、

またムラ自体の安定が継続し、

「縄文のビーナス」や「仮面の女神」の作成の遠因となった背景。

 

今回の守矢氏の講演で本当によく理解できました。

 

pdf 守矢昌文講師資料.pdf (0.54MB)

 

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(上毛新聞 2024年 7月26日号)

上毛新聞の7月26日号の第18面には、大きく掲載されていました。

 ー終わりー