お知らせ

2025-12-05 16:25:00
【「白ワインありますか?」が通じない。】
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トスカーナでのレストランで気づいたこと。
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今回の研修中、レストランで、
いつもの癖で「白、あります?」と聞いたら、
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持ってきてくれたワインリスト、
めくってもめくっても赤ばかり。
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地元産の白といえば、
サン・ジミニャーノのヴェルナッチャ、
海沿いで造られるヴェルメンティーノくらい。
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それ以外でリストに載っているのは、
アルト・アディジェなど、北イタリアの白ワイン。
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その瞬間、思わず心の中でつぶやきました。
「ああ……ここは本当に“赤の土地”なんだな。」
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▼ なぜトスカーナには白ワインが少ないのか?
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理由はひとつではなく、
「土地・歴史・料理や文化の“積み重ね」の結果です。
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① 気候と地形が“サンジョヴェーゼ向き”だった
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トスカーナは粘土石灰質土壌の丘陵地帯が多い。
日差しが強く、昼夜の寒暖差もしっかりある土地。
この環境は、黒ぶどうのサンジョヴェーゼにぴったり。
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② 歴史が完全に“赤中心”で積み上がった
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キャンティ、キャンティクラシコ、ブルネッロ…
世界的に評価されてきたのは、どれも赤ワイン。
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「赤を造ることで世界と戦える」
この歴史と成功体験が、文化として根付きました。
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一方で白ワインは地元では
“日常飲みの軽いワイン”という扱いだった時代も長く、
名声が積み上がりにくかったと言われています。
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また、白ぶどうはキャンティの"補助品種"としても
長きにわたって使われてきました。
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③ 料理文化そのものが“赤ワイン仕様”
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トスカーナの料理は、
肉のグリルや煮込み、豆料理、
オリーブオイルたっぷりの前菜など、
旨味も食感も力強い料理が中心。
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こういう料理にはどちらかと言えば
赤の“酸×タンニン”のほうが合う。
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料理が赤を呼び、
赤が料理を育て、
また赤の文化が強くなる――
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その循環の中で“赤の文化”が発展してきた地域なのだと感じました。  
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▼ だから現地で “白はありますか?”が通じない
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日本では
「スパークリング → 白 → 赤」
という順番がよくありますが、
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トスカーナのレストランでは
そもそも白の選択肢が少ない。
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現地に行ったからこそ、
“赤の土地トスカーナ”という言葉が
ただの比喩ではないと、改めて実感しました。
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今思えば、
同じ「モンタルチーノ」という土地でも、
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造り手によって味わいが全く違うので、
もっと “赤だけで数種類を飲み比べる”

という楽しみ方をしておけばよかった

とさえ思います。

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それくらい、
この土地の“赤”は奥行きがあるんです。
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2025-12-02 13:50:00

旅の2日目、

最初の銘醸地モンタルチーノへ。

 

モンタルチーノで実際に歩いて

最も印象に残るもの――

それは、“坂”です。

 

どこを歩いても登って、また下って。

しかも、その傾斜がとにかく容赦ない。

息が上がるほどの坂道ばかりで、歩けばすぐに足にくる。

 

けれど、その高低差があるからこそ、

街のどこから見ても斜面の先にブドウ畑が広がっている。

 

そもそもモンタルチーノは、

中世、シエナが外敵に備えて築いた要塞都市。

高台に築くことで外敵を見張り、

急な坂は防衛そのものでもある。

城郭に囲まれたその構造が、

今も街の輪郭として残っています。

 

モンタルチーノは、年間を通して風が抜ける乾いた気候の街です。

雨も少なく、空気はどこか澄んだまま。

 

けれど――

 

冬の朝、特別な気象条件が重なると、

谷から霧が立ち上がり、街が雲海に浮かぶ。

その瞬間を知るのは、住民か、早起きの旅人だけ。

一年のうち、ごく短い時間だけ見せる“隠れた美しさ”です。

 

そして、この「霧が出る朝」は、

昼との寒暖差や気温の切り替わりを象徴していて、

良いブドウが出来るためのリズムにも通じています。

 

乾いた風と強い日差し、そして朝の冷え。

この大きな気温差が、

ブドウに「甘さ」と「酸のバランス」をつくっていきます。

 

日中の光で糖度が上がり、

夜の冷え込みで酸がきれいに残る。

ワインの味わいの根っこは、実はこの毎日の気候のリズムにあります。

 

モンタルチーノは、

昔から知られたワイン産地ではありましたが、

バローロやバルバレスコのように国際的な注目を浴びていたわけではありません。

 

イタリアワインが世界市場で評価され始めた90年代ごろから、

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノは徐々に評価を高め、

今では特にアメリカで非常に人気の高い“高級ワイン産地”として扱われています。

 

そして今回訪れた生産者――

カーゼバッセは、その中でも本当に“唯一無二”の存在でした。

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ただ――

あまりに生産本数が少なすぎて、現地に行っても買えない。

すべての売り先がすでに決まっている。

 

こういう世界があります。

ワインショップに並ぶ前に“市場から消えている”、

そんな生産者が実際に存在するんですよね。

 

「数が少ない」「品質が高い」「世界が注目している」。

この3つがそろうと、現地でも入手できないワインが生まれます。

 

だからこそ、

現地で畑を見て、話を聞き、その場で味わう時間に価値があるのだと、

改めて感じました。

 

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