製品は教科書でできている!?
2024-01-06 14:29:00
長方形の性質
板金加工では定尺の材料から任意の大きさのスケッチ材に加工するのに
シャーリングという機械を使うことがあります。
写真はアマダさんのホームページから引用したものですが、任意の寸法に
バックゲージを設定し、材料を切断します。
まず必要な寸法になるようバックゲージを移動させ、突き当てに材料を当
てて切断すると、任意の寸法で平行に切断することが出来ます。
続けて切断した辺をサイドゲージに当てながら、任意の長さに設定した
バックゲージの突き当てに材料を当てて切断すると、長方形(もしくは正
方形)のスケッチ材ができる・・・・はずです。
実はこの時サイドゲージが何かの原因で少し傾いていたら長方形にはなり
ません。平行四辺形になっているんです。
この時に長方形の性質を理解していると、ノギスだけで4つの角が直角に
なっているかどうかを確認することが出来るんです。
その性質とは・・・対角線の長さが等しい。
平行四辺形やひし形の場合、向かい合う辺は平行ですが、角は直角では
ないので上の右図のように対角線の長さは異なります。
対角線が同じになるまでサイドゲージの傾きを修正すればOKです。
ところで、精確に200㎜の幅のある材料を正確に100㎜切断すると残った
材料の幅はどうなるでしょうか?
実は100㎜にはならないんです。
バックゲージに当てたほうは100㎜ですが、上刃と下刃のあいだにはわずかで
すがクリアランス(隙間)が必要なんです。このクリアランスの大きさは材質
や板厚によって適正な値があるのですが、残りの材料の長さはこのクリアラン
ス分大きくなってしまうので、注意が必要です。