木工あれこれ
週2日、開催しています。一つの作品が納得いく品になるよう、完成するまでにかなりの時間をかけています。時には一作品に数ヶ月を要することもあります。現在は10名余の生徒さんが通っていますが、手一杯の状況ですので、新たな募集は控えさせていただいています。
完成間近な多目的棚の製作風景
作業用椅子作り2 材料:パイン
新型コロナ流行で教室も休み休みになりようやく完成にこぎつけ大喜びです。
この作品は安定性がありデザインもよいということで生徒さんが製作を
希望しました。
皆さんの技術向上もありすべての接続はほぞ加工仕上げです。
マガジンラック製作
接合部はすべてほぞ加工ですので完成までに長い時間がかかりました。
サイズはみなさんほぼ同じですが、それぞれデザインに工夫があり、
まさに一点ものになりました。
作業用椅子作り 材料:パイン
踏み台作り 材料:パイン
風呂いす製作
製作工程一つひとつに時間を使い、丁寧に仕上げた新メンバーの作です。
箸置き作り (最新作)
材料:カリン タガヤサン 黒檀 パイン
機械は使わず、ひたすらヤスリ等で削り・磨き、仕上げた
ものです。
手作り木の時計
デザインも少しずつ個性があり、市販品に近い作品に仕上がりました。
文字盤も針も自作です。
沼形さんと石橋さんの作品
サイドテーブル:沼形作 足の悪い知人の依頼で製作 ベットの横に置くとのこと
玄 関 イ ス : 石橋作 自宅の玄関で使用するそうです
お二人とも隙間がほとんどなくなり、ほぞの加工法が随分上達したことが
うかがえる作品です。
最近の沼さん(沼形さん)の作品
額縁、花台、お盆、イス、テーブルと幅の広がりを感じます。
精進の賜で知り合いからの製作依頼が増えているそうです。
カードスタンド作り2 材料:セン
前回製作したカードスタンドを基本にした生徒さんのオリジナル作品です
塗装もかなり上手になりましたので最近は自宅でやってもらっています
バターナイフ作り 材料:ブナ ブビンガ
コースター作り 材料:杉
本立て?調味料立て? 材料:パイン 踏み台の側板のくりぬきを活用して製作したものです
工房名(高夏舎)
由来と言うほどではありませが、私の名前と誕生日から命名しました。
「高」は名前の頭を、「夏」は私の誕生日が偶然、夏至の日ということから、
「舎」はみんなが集い学びの場になればという思いで名付けました。
もっとロマンチックで粋な工房名をといくつか考えましたが、私には似合わないと、
これで落ち着きました。
まひこ(人形)
工房に「名前募集」と張り紙をしたところ、知人や教室の生徒さんから多くの呼び名が寄せられました。
多かったのが「元気人形」 「笑顔人形」 「スマイル人形」 「和み人形」 「やすらぎ人形」でした。
生徒さんに決めてもらおうと話し合っていただきましたが、まとまりませんでした。
そこで当面は私の名字と名前の頭と尻尾をつなぎ合わせて「まひこ」人形でデビューすることにしました。
あくまで仮称ですが・・・・。
製作のきっかけは、反応の鈍くなった母(ちなみに母は、約10年前102歳半で天寿を全うしました)の「笑顔がみたいなあ」が動機でした。
亡くなる5~6年前から病気と老化の進行により表情が乏しくなりました。
人形をみた母は「すっとこどっこ~い」と笑顔で反応してくれました。
木の人形の代表にこけしがありますが、それとは違って立体的で動きのあるものが出来ないかと考え試行を繰り返す中で生まれたのがこれでした。
見本がなく全くのオリジナルですので、納得するまでにちょっと時間がかかりました。
人形は大きさからいって機械は使えませんので、まったくの手作りです。
細かい作業で手間暇はかかりますが、手にした人の気持ちが和らげば、頬がゆるめばと思って手を動かしています。
表情を豊かにするために、素材は基本的に木目が比較的はっきりし繊維の詰まっているケヤキを使っています。
写真の鉋は家内の叔父さんから譲り受けたものです。叔父さんの仕事は建具屋さんでした。障子や襖はもとより、欄間等の手の込んだ細かい作業も手がけていたようです。八十歳を過ぎて、さすがに体力的に厳しくなり、仕事をリタイヤしました。 残された工具類の処遇に苦慮していた叔父さんでした。長年苦楽を共にした道具類です。そこで私に白羽の矢が向けられたということです。送られてきた工具には電気かんなやサンダー等もありましたが、何といっても鉋の数の多さに思わず息をのみました。半世紀近く使い込まれてきたと思われるものもあり、その中には鉋身(刃の部分)の長さが三分の一まで減少しているものもあり驚きました。大切に手入れされていて、どれも現役バリバリです。到底使いこなせるものではありませんが、がんばって活用しようと思っています。「包丁一本サラシに巻いて・・・」という古い歌がありますが、叔父さんにも同じように職人の心意気を感じました。
自作の鉋
私も十数本の鉋を持っていますが削る箇所は多岐にわたります。約十年ほど前ですが、器(うつわ)の内側の湾曲部分を加工しようとしたところ、それに見合うものがありません。店を廻って探しましたが見つかりません。そこで仕方なく、自分で加工してみました。
製作手順
①平鉋の鉋台(木の部分)を丸く削る
②鉋身(刃の部分)を台の曲面に合うようにグラインダーで削る
③砥石を使って刃先を整える
見かけはまずまずですが、結構働いてくれています。
治具作りは製作には欠かせないものなので、心掛けています。
四半世紀ほど前、時間を見つけてはエッセイを書いていました。その中に木工について記した内容がありました。その一部を紹介させていただきます。
木工作家
家具を作ることが何時しか私のライフワークになっている。
はじめは授業の教材として、より多くの作品を見本として生徒に見せたいという使命感で作っていたが、いつしか物を作ることがほんとうに好きになってしまった。
特に多様な表情を持つ木の作品作りには強く惹かれていった。
誰かのまたは何かの影響があって始めた訳ではなく、気がついたらいつしか木に魅せられていたといった方が正しいだろう。
経験を重ねるといつしか作風も変わっていく。はじめは構造がしっかりしていて見場がよければ良く、材料にはこだわらなかった。
市販と同じような作品になれば十分であった。その後、次第に市販に負けない作品をめざすようになった。直線を基調とした作品から曲線を意識した作品に変化していった。
現在は素材の色、形、硬さ、大きさを見て作品を考えているので直線、曲線はあまり意識しない。むしろ、置く場所に似合っているか、オブジェとしての要素を持っているか等を考えながらに変化している。
木と対話をする時間が多くなったのはそのせいであろう。他の作家が作っていない、どこかにオリジナルを感じさせる作品である。木と私がお互いに自己主張しあうなかで一つの作品が出来上がるようになった。
実力が伴わないので思い通りに作れず、木に叱られ、口惜しい思いをすることが多いが致し方ないことである。
振り返ると本格的に先生に付いて学んだ経験はなく、同じ趣味を持つ人も近くに存在しなかった。すべて見聞きし自分で作ることを経験する中で身についてきたものであった。
専門書や季刊誌を読み、家具店をまわり家具の裏の構造や加工法を調べ、家具の製作工場では素材や接合方法などを学び、個人の工房で匠達の技を陰からそっと眺めさせてもらった。
そのすべてが私の先生であったと言えるだろう。
人が一年でマスターできることを十年かけてやっこらおぼえたと言ってもいいだろう。
それにしても木の持つさまざまな表情はこれが同じ木なのかと驚かされる。木はまさに生き物である。同種の木でも育った環境や年齢によっても驚くほど異なる。ひとつ一つの素材の持つ個性を活かすことに配慮しなければ納得いく作品にはならず、自然、木との対話が必要になってくる。
作品製作の前段階のこの構想という工程に多くの時間を要するのは当然であろう。
作品の良し悪し半分は製作前段のここで決まるといっていいからだ。
後世に残る作品や、人の心を惹く作品とはこの前段が決め手になっているように思える。
もう一つ、塗装も作品の出来に大きな役割を果たしている。数多くの塗料の中から素材にピタッとあった塗料で仕上がった作品はそう多くない。塗装は極めて長年の経験を要するからだ。
塗装とは素地を整えることもその範疇にあり、やすりがけだけでも何段階かに分けて行い、その後、砥の粉等を均一に塗り込む作業を繰り返して素地調整は仕上となる。これからが塗装本番であるが、これまた、仕上げまでには多くの工程を踏まなくては作品として日の目は見ないのである。
木の種類や育った環境によって手間暇には大きな差が出てくることは言うまでもないが、素材に見合った下地の調整を入念にすることを忘れてはならないと言える。
女性の化粧に例えると分かり易いかも知れない。さっと化粧しただけで見違えるように活き活きときれいになったり、時間をかけて何度もやり直したが乗りが悪くまだらが消えない。それではと、高価な化粧品を購入しても変わり映えしない。
自分の年齢や体調、季節に合った化粧品はなかなか見つからないのに似ているようだ。せっかくの素材を台無しにし作品にならなかったことが何度もあるからだ。
記述しはじめるときりがないのでこの辺で止めよう。書きながら「おたく」の世界に十分入っていることを感じるからだ。
ご注文によりお創りいたします
ご希望の大きさ、形、予算に合わせて、一点一点お創りします。
ここに掲載しているものは一例です。
工房にはこれ以外にもあります。
ぜひ一度、工房の方へ足をおはこびいただき、作品をご覧ください。
皆様に喜んでいただけるよう、心を込めて作りますのでご了解お願いいたします。
ご注文方法
まずはご相談ください。電話・FAX・メールのいずれでも承っております。
電話・FAX 042-756-0181
email kouboukoukasha@yahoo.co.jp
※ 電話は自宅番号です.
留守にしていることが多いので、FAXかメールにて
連絡して頂いた方がより確かだと存じます。
ご相談を受け次第、こちらからご連絡差し上げます。
ご相談には必ずご返信するよう心がけておりますが、もし一週間以上たっても
返信が無い場合は、通信トラブルも考えられますので、お手数ですが再度お問い合わせ頂きたくお願いします。
※ メールのご返信は数日お時間をいただくことがありますのでご了承ください。
電話もしくはメールで折り返しご注文の確認をさせていただきます。
お支払い方法・送料・納期などについてもお知らせいたします。
※ 納期に関しましては、ひとつひとつ一人で製作しているため
日数をいただくことになりますが、ご了解願いたいと存じます。
※ お支払い方法は代引きにてお願いしております。
ご希望の場合はご注文時にお問い合せください。
もちろんご工房へ来訪されても歓迎です。
お近くの方であれば、お話をお聞かせいただけると有り難いです。
お越しの際は留守等もございますので、事前に連絡頂ければ幸いです。
※ 追記 高夏舎の品には「高日古」の刻印(焼き印)が施してあります。
Faxでご注文されるお客様へ
ご注文の際には、このページをプリントアウトして必要事項をご記入の上、ご送信願います。
お手持ちの用紙に、下記必要事項をお書きの上、お送り頂いても結構です。
ご注文主様の 木工房 高夏舎 行 Fax番号 042-756-0181
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