写真の鉋は家内の叔父さんから譲り受けたものです。叔父さんの仕事は建具屋さんでした。障子や襖はもとより、欄間等の手の込んだ細かい作業も手がけていたようです。八十歳を過ぎて、さすがに体力的に厳しくなり、仕事をリタイヤしました。 残された工具類の処遇に苦慮していた叔父さんでした。長年苦楽を共にした道具類です。そこで私に白羽の矢が向けられたということです。送られてきた工具には電気かんなやサンダー等もありましたが、何といっても鉋の数の多さに思わず息をのみました。半世紀近く使い込まれてきたと思われるものもあり、その中には鉋身(刃の部分)の長さが三分の一まで減少しているものもあり驚きました。大切に手入れされていて、どれも現役バリバリです。到底使いこなせるものではありませんが、がんばって活用しようと思っています。「包丁一本サラシに巻いて・・・」という古い歌がありますが、叔父さんにも同じように職人の心意気を感じました。
自作の鉋
私も十数本の鉋を持っていますが削る箇所は多岐にわたります。約十年ほど前ですが、器(うつわ)の内側の湾曲部分を加工しようとしたところ、それに見合うものがありません。店を廻って探しましたが見つかりません。そこで仕方なく、自分で加工してみました。 製作手順 ①平鉋の鉋台(木の部分)を丸く削る ②鉋身(刃の部分)を台の曲面に合うようにグラインダーで削る ③砥石を使って刃先を整える 見かけはまずまずですが、結構働いてくれています。 治具作りは製作には欠かせないものなので、心掛けています。