工房ひとと記(2015)

 

   アート・フェスタ 無事終了 11月22日)

 

  陽差しがなく肌寒い一日でしたが、お客は午前中を中心に終了時間まで

  絶えることはありませんでした。

  我がお店の場所もよかったのか?昨年にも増して多くのお客様が足を止めて

  下さいました。

  慣れない客対応でさすがに疲れましたが、お客様から次の作品のヒントが

  いただけたりとよいコミュニケーションの場にもなりました。

 

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  本日の会場の様子の一部をパチリ (11月22日)

  

 

 

 

 

 

         第3回!アートフェスティバル参加  (10月20日)

 

   3年連続で出店することになりました。

   私の作品は他の店舗と多少趣向が異なっているようですが、多くの方と交流するよい

     経験の場ですので参加することにしました。90近い店舗が並ぶそうです。

    日時:2015年11月22日(日) 時間:10時~15時半 

                             雨天時は23日(月・祝)となります。 

              場所:JR横浜線 相模原駅ペデストリアンデッキ

 

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  会場写真は主催者の開催要項からお借りしました。無断借用申し訳ありません。
 左は昨年の一コマです。
   販売できる一店舗のスペースが一坪ほどですので、人形や一輪挿し・額・お盆等

  といった小物を中心に考えています。

  もし時間がありましたら、冷やかしかたがた足をお運び下さい。

 

 

 

 

 

        鉛筆立てからの発展       (9月22日)

 

  木工教室では鉛筆は必需品です。目の前にあったら探す手間はいらないと思い ①を製作しました。

  ②様々な大きさの鉛筆やペンが立てられるよう穴の直径を3つに分けました。自分用です。

  ③角材を加工したものでペンを立てる部位と底板は一体です。材はナラです。

  ④人の出入りの多い玄関には筆記用具が欠かせません。

   2種の穴があれば十分かと・・・ 豚さんの鼻みたいになってしまいました。

  ⑤コンパクトながら数多く立てられることと安定性を考え作ってみました。穴は直径35ミリです。

 

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    ⑥~⑧は塗装を変えてみました。

    ⑥透明ウレタン  ⑦拭き漆  ⑧有色ウレタン

 

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  気がついたらこんな数になっていました。工房隣の住人が苦笑いしていました。

  

 

 

 

       テーブル天板の削り方       (8月16日) 

 

 

  テーブルや座卓の天板には幅広く分厚い材を使用する。
  特に木目のよい無垢材の一枚板は魅力的です。
  長年寝かせた無垢材は曲がったりねじれたりと大きく湾曲変形する。
   この材の表面を平らに加工するのである。
   大手家具メーカーならコンピュータ制御のルーター盤やフライス盤等で仕上げるが、大量生産しない私たちには高嶺の花です。
  ということで、こんなものを作ってみました。
  昨年このコーナーで紹介した宮田(宮田住建)さん製作の「天板削り機」を見本にしました。削る機械は「胴ブチ溝きりカッター」というもので、周りに移動できるための治具を取り付け加工していきます。

  私もさっそく同製品を購入し、工房隣の石井ステンレスの若社長(竜ちゃん)に金属部分を製作してもらいました。
  従来は電気カンナやルーター等を使用し製作していましたが完成までの時間や正確性に問題があり、悩みでした。新作の登場でこの二つは大きく改善されました。

 

 

 

 

  手作り家具を手がけている方には参考になる一品だと思います。
   参考:溝きりカッターは襖や障子を移動させるための溝を作る機械です。刃は大きいものは直径120㍉幅40~50㍉あります。(写真)

 

 

       真空管アンプ  (6月24日)     

 

  真空管アンプを製造販売している「音の工房」のHさんから「アンプ外枠に飾りとしてそれに見合った木を取り付けてもらいたい」との依頼がありました。

  真空管とは何とも懐かしい。ご存じのように昭和40年代まではラジオやテレビをはじめいろいろな電気機器に使用されていました。

  恥ずかしながら昔バンドを組んで演奏していた私にとっても真空管アンプは身近にあり欠かせない存在でした。トランジスタの発明により役目を終えたと思われていましたがオーディオ界ではまだ根強いファンが存在しているようです。近年レコードの売り上げが伸び生産量も増加しているという話は頷けます。

  アナログ回帰現象が起きているようです。

 

 

 

 具体的に言葉で表すのは難しいが、真空管で聞く音楽の音の広がりや豊かさは心地よく私にもわかります。市内にある大型電気店のオーディオコーナーで試聴してみましたが包み込まれる感じがありました。無垢材を使った木製品は安らぎを感じます。これもアナログ現象なんでしょうかね?

                  音の工房ホームページ:http://otonokobo.jp/

 

 

 

 

 

        座卓のリフォーム依頼  (5月31日)

 

  「座卓をテーブルにしてもらえないか? 」という話が知人から舞い込んできた。

 懇意にしているお寺さんが困っているので何とかお願いしたいとのことであった。

 お寺には法事・法要を含め様々な仏事があるが最近は椅子に座っての進行がほとんどのようである。

 主な理由は檀家さんをはじめお参りする方の高齢化にあり、健康や怪我等を配慮してのことらしい。そんなこともあり、すっかり出番の少なくなった座卓である。奉納品ということもあり処分できず思いついた案がこれであった。

  実物を見て判断しようと一台(依頼は6台)を持ってきてもらいました。天板が無垢材ではなかったので思った以上に軽く、製作可能と引きうけることにしました。

 

 

  全台(6台)が届いたところで作業を開始しましたが、脚だけでも24本あり完成までに予想以上の日数がかかってしまいました。写真がテーブルに変身した座卓です。折りたたみ可能にしましたが日常使用には影響ない丈夫さです。完成品を見て住職さんも喜んでいたとのことで安心しました。

 

 

 

 

          生きている作品  (5月12日)

 

  このコーナーで「竹林の住人」として何度か登場していただいた石橋さんが突然逝去された。

   その10日ほど前、「知り合いの大工さんから木目のいい材を頂いたのでしかるべき大きさに加工してもらえないか?」といって私の工房を訪ねてきた。その部材を片手に製作の手順を熱く語っていた彼でした。

   彼は私の教室の生徒でもあったが、同好の士として深く繋がっていた。

   奥様からの訃報に頭が真っ白になり返す言葉が見つからなかった。午後八時過ぎに自宅で急に倒れ救急車で運ばれ、次の日になくなられたとのこと。死因は脳溢血だそうです。

   急に思い立って旅行に出かけ、ちょっと留守にしているとしか思えない。

   奥様をはじめご家族の皆様はなおさらだとお察しいたします。心よりご冥福を祈ります。

 

 

  写真は前回の訪問時(一ヶ月ほど前)に撮ったものです。「最近はこんなものを作っていますが、塗装がイマイチうまくいきません。どうしたらよいでしょうか?」と持参した手作りのフクロウです。なんと生き生きとした可愛い作品でしょう。無念にも遺作となってしまいました。

  彼の作品はどれを見ても手間と時間をかけコツコツと丁寧に製作していることが窺えます。

  作品からも温かで誠実な人柄が偲ばれます。彼は多くの人の傍らで作品とともに生き続けることでしょう。

 

 

 

 

         メープル(楓)の衝立  (4月14日)

 

    恒例の木材購入に新木場に出かけました。

   作品の関係上、ここでしか入手できない材が多々あるのでよく足を運びます。さすが日本最大の木材集積地です。

  購入後、以前見学したことのある「木材・合板博物館」をのぞいてみました。様々な木材や木製品が展示されています。また実技体験ができるスペースもあり一般を含め、小・中学生がよく利用するそうです。 偶然にも見学者が誰もいなく貸し切り状態だったので、広い玄関の手作りベンチに腰を下ろしのんびりとながめていると奥に鎮座する巨大な衝立が目に止まりました。

 近づいてみると「北米産メープル(かえで)の衝立」と書かれ、その瘤や杢の異形に圧倒され目が点になりました。

  説明に「杢とは異常成長で生じた局部的なねじれや湾曲を起こした箇所を切り出したときに、希に現れる複雑な模様の木目のことです。林野庁長官賞受賞商品 大変珍しい希少価値のある逸品です」と書かれありました。 

              

 

     サイズ 高さ:2200×幅:3030     価格は何と千数百万円するそうです。

  瘤木は花梨や欅、屋久杉等がよく知られているがメープルは初めてだったので驚きでした。

 

 

         鹿の角 飾り台  (3月16日)

 

 以前登場してもらった、工房隣の自動車屋さん(レオ・カーズ)の主【通称=カマさん】から面白い製作依頼があった。

 「長年の客でもある知人がこんなものを持ってきた。何とかならないかなあ?」と棚から取りだしたものは大きな一本の鹿の角であった。その知人は登山が趣味でたまたま丹沢山に登った際に偶然拾ったそうである。処遇に困りここに持ってきたとも話していた。とにかく預かることにして工房に持ち帰った。

 一対ならば刀等の飾り台も考えられるが、一本なので壁に掛け飾るのもいいか・・・?とながめていたら半年が経過していた。よい案が浮かばないので、シンプルをベースとしたデザインで製作してみました。

    

   

                 高さ480 幅 270

  黒く汚れていたので洗剤を使いブラシで時間を掛けてよく磨いたところ、こうなりました。

 角が安定するよう土台を角の径に合わせて加工しました。 出来は別として出来上がったものがこれです。

 私はいったい何を作る人なんでしょう・・・?

 そのまま飾るもよし、アクセサリー等を掛けるもよし、使い方は手にした人に委ねようと思います。

 

 

 

 

     ネットショップ開店  (2月5日)

 

  ところで、私もネットショップに出店しました。

  NTTドコモが運営する 「dクリエーターズ」というショップです。

  担当者からの出品依頼があり、迷いましたが手作りでしかもオリジナルな作品だけしか出品できないという仕組みに心が動きました。

  10作品余出品しましたので是非のぞいて下さい。これから徐々に出品数を増やしていこうと思っています。

  dクリエイターズと検索するとショップ画面が表示されます。家具・インテリアの項の家具をクリックすると高夏舎の作品を見つけることができるでしょう。(「いちいち言われなくても分かってるよ!」という声が聞こえてきました)

 

   http://creators.dmkt-sp.jp/

   

   http://creators.dmkt-sp.jp/goods/GI60407VCXCU

 

 

  ネットは日常購入によく利用しているが、立場が逆転・・・・。

  注文が来たらどう対処しよう・・・・、困った困った・・・。

 

 

 

 

 

       面白い製作依頼2  (1月19日)

 

  昨年の”ひとと記”で紹介した彼がまた面白い製作依頼を持ち込んできました。

  「部屋の中に置いてもマッチするゴルフクラブスタンドの製作をお願いしたい。ゴルフ店やネットショップ等で探したがピンとくるものがなかったので・・・。また、置くスペースの関係でできれば3本立てられるスタンドにしてほしい」との話でした。

  ゴルフをやらない私にとってちょっと面食らったが、何事も経験と思い「デザインはこちらに任せてください」と引き受けることにしました。

  私もネットで調べたがその形状は玄関に置く傘立てと似ているものがとても多くあまり参考にならなかった。

  機能・構造もさることながら、部屋に置いたときに違和感がないデザインということで、デッサンにかなりの時間を費やしました。

  ようやく完了しました。写真が完成品です。

 

 

                                  材料:ケヤキ   寸法:W280 D210 520 塗装:ウレタン

 

  確認のため彼に見せたところ、終始よい笑顔だったのでホッとしました。