マスターのひとりごと①

 

薪ストーブ考 其の六
「遠赤外線効果あり?」

 冬季の出勤は早い。勿論、ストーブに火を入れるためだ。
正午ごろ出勤して、まず、火を入れ、買い物に出たり、掃除を始めたりする。
その日も火を入れ、廊下の掃除やら階段の掃除を始めた。十五分ほどして
店内の戻ると、何てこった、店中煙りだらけだ。煙突の詰まりが原因なのは明らか。
 さて、これから煙突掃除を始めると営業時間に喰い込むのは確実。
 そんなわけで非常用に用意してある、灯油ストーブを持ちだした。
 夜、女性客が二人やってきた。
 「前回来た時の夜、とっても良く眠れたの、多分、この薪ストーブの遠赤効果よ。
今日も温まって帰るわね。ああ、やっぱ、薪ストーブはいいわね」
 「いや、実は今日、薪ストーブじゃないんですよ、煙突が詰まって、灯油ストーブ
なんです、スミマセン」
 「えーっ、そんな!じゃあ、今夜は寝られないかも」
 早く帰って、旦那に抱かれて寝てくれ!



薪ストーブ考 其の五
「続 煙突改造断行」

ストーブの背後から出ている煙突を上部から出す改造に着手。
そうすることによって、煙突の曲がりを一ヶ所減らすことができる。
今まで三ヶ所あった曲がりが二ヶ所に減ることによって、より容易に
煙が温かいまま空に抜け、燃焼効率がアップするに違いない。
ストーブ上部から出る煙突にもストーブ内部の熱が直接伝わるために
煙突そのものが熱を持ち、店内を暖めるのに一役買う。これでも燃焼効率がアップ
する。
 年代物の鋳物のストーブだからネジのネジ山が燃えてなくなっていて、
容易に取り外せない。ドリルでネジ自体を破壊し、なんとか取り外す。
新たに鋳物にドリルで穴を開け、煙突を取り付け完了。
 ついでに煙突の温度を管理するための温度計を購入、¥3334なり。
これが燃焼具合を確認するのに役立つ。やはり薪ストーブはある程度燃やしてやらないと
不完全燃焼になってしまい、クレオソート、いわゆる木酢液が発生してしまう。
煙突の下にたらりたらりと流れ落ちるあの黒っぽい液である。畑には良い肥料になるらしいが
私には必要ない。煙突の温度計が120℃300℃になるように燃やしてやるのが最良の状態らしいがそこまで燃やすと熱すぎて店内にはいられません。今ではストーブを燃やしながらドアを開け放して室内温度を調整することもあります。
 
 何度目の煙突改造でしょう。今回で決着したような気がしています。
 本当に手がかかる愛しの薪ストーブちゃんです・・・が、この温かみを味わったが最後、もう
離れられません。
 私と、この薪ストーブちゃんどっちが長生きすることでしょう。






薪ストーブ考 其の四
「煙突掃除は命懸け」

 
愛しの我が薪ストーブ、この冬も活躍してもらう為に大掃除。
普通、春にするものですが、ついつい秋まで延び延びになってしまいました。
 本体の掃除は容易ですが、問題は煙突。何しろビルの二階部分から屋外に出る
煙突ですから、そこまで梯子で登らなければなりませn。まず屋上に登り、上から下に向かって
縦引き煙突を針金の毛虫みたいな掃除具でゴシゴシ。次に店内から横引きの煙突をゴシゴシ。
 そして、いよいよ梯子に登る。
 しかし吾輩の右足は先日、骨折の際に埋め込んでいたピンを抜いたばかりでいまだに感覚が妙なまま、ちょっと怖い。何しろ、ここんところとことんツキのない吾輩。何か悪い結末が待っていそうな気がしないではないが、避けて通れない掃除、運だめしだ!
 二連梯子を思いっきり伸ばして、辿り着いた場所は、縦引きと横引きの煙突が直交するところの真下。出来れば、そこを真横に見られる場所に辿り着きたかったのだが、そこまでは辿り着かず。というかそれ以上、上には怖くて登れません。尻の穴がキュッと締まるあの感じがビンビン!六メートルぐらいはありそうです。
 ススなどが溜まっているはずの煙突の蓋をトンカチで叩いて抜こうとしても容易に抜けてこない。思いっきり叩くと勢い余ってバランスを崩しかねない。梯子から転落、あるいは梯子ごと転倒ってことになっては大変だ。しかし、蓋が抜けん。半ばやけになって、煙突の横っ腹を強打すると、真っ黒な液体が大量に私の頭に降ってきた。眼鏡は真っ黒、視界不良。昨日の雨が溜まっていたらしい。やっぱりツキがない。水は出てきたものの、肝心の蓋はまだ抜けてこない。またもや煙突の横っ腹を強打、連打。すると今度は念願叶って蓋が抜けてきたが、大量のススとともに再び私の頭に降ってきた。
カランカラーン、蓋が地上で甲高い音をさせていた。今度は全身煤だらけに。煙突の下から上を見上げるとそこには空が・・・、と思ったら漆黒の闇?あれあれ、いったい何が。煙突は完全に詰まっていたのである。普通の煙突よりも50%太い煙突を使っているので、詰まることはないと思っていたのだが、甘かったようだ。今年からは月一回程度、掃除しなければなるまい。
 ホームセンターから畑を耕す道具を買い込んできて、その部分を突くと今度は固まったススがばさばさと頭に落ちてきた。
 しかし煙突の穴の先には真っ青な秋晴れの空がのぞいていた。
 
 「秋晴れの空覗く煙突の先に、我が人生思う」   読み人 ひろし
 
 これにて煙突掃除終了。
 しかしこれから先、こんな作業を月一回しなきゃないなんて・・・。
 いやいや、愛しい物(人?)に労力を惜しんではいけません。健診、いや献身あるのみです。
 




「どのように、痛いですか」と聞かれても・・・

先日、右足小指に入っていた二本のピンを抜いた。
骨は無事、成長を遂げ、くっついてくれたらしい。
手術室に入り、局部麻酔の注射を四本。
即、切開。グリグリグリ。痛い。
看護婦さんに「どうですか、痛いですか」と聞かれるので、
「はい、痛いです」、と即答。
「いでえでばー」と方言で追い打ち。これは説得力ありそう。
しかし冷静に「どのように、痛いですか」と聞かれる。
こんなに痛みを我慢している人間に「どのように」を説明しろというのは酷ではないかい、看護婦さん。
「麻酔がまだ効いてないんじゃないの」という言葉をいいたいのだけれど
なぜかいえず我慢。いつのまにか両手を赤ん坊のようにきつく握りしめ、
奥歯も噛みしめ、目からは青春の汗が・・・。
ああ~だめかもしれない。少し気が遠くなってきた。という辺りで、痛みから解放された。
やった~、遂に麻酔が効いてきたんだ!!!と思ったら、手術は終わった。




=水難は続く=

今朝、早朝、大家から実家に興奮した声で電話。
「カントリーさん、大変です!ビル中が水浸しです。すぐ来てください!」
松葉杖を抱え、タクシーに乗る。
(俺、昨日、水出しっぱなしで帰ったかなあ?)
などと最悪の状況を想像する。船に轢かれてまだ二週間、またしても水難か・・・。
暗い気持ちでビルに。ビルの前はなるほど水浸し。一階のテナントさんが店の物を
全て外に持ち出している。全てびしょ濡れ。全フロアー完璧な床上浸水。
(原因は俺なの?二階、三階を借りている俺が何かしくじったって訳?)
「カントリーさん、二階と三階の水が出るか至急確認してみて下さい!」
と大家さん。至急といわれてもこちらは松葉杖・・・。
二階三階が水浸しになっている映像を思い浮かべながら暗い気持ちで、まず二階へ。
いつもと変わりないうらぶれた店内を見、とりあえずひと安心。水も出る。
ということは三階も大丈夫なはず。三階の水が二階を飛び越えて、一階に溢れることなどあるまい。
三階。これまたいつもと変わらぬ、辛気臭い店内。水が出ないのは、水道屋が元栓を閉めているからだろう。
「大家さん、二階も三階も問題ないですよ」
「そうか、じゃあ、地下のパイプから一階に立ちあげる間のどこかから漏れてるってことか」
どうやら嫌疑は晴れたようである。私もひと安心。
一階のテナントさんは大損害である。物を外に運び出すのを手伝うこともできず、口だけ出す俺。

水道屋さんがきてコンクリートを掘り始めた。ドドドドドッツ!!!!うるさいが仕方あるまい。

大家さん、ひとことポツリ。
「ああっつ、全部俺の負担だよ!」
悲痛な叫びを聞いた。






残暑お見舞い申し上げます

諸事情により一ヶ月ほど松葉杖での営業を余儀なくされることになりそうです。
日頃よりも増して皆さまにはご迷惑をおかけすることになりますが、ご了承、ご容赦
頂ければ幸いであります。                        



=怪= 海中生物にやられるの巻

本日6:00amからSWIMの練習。1.5km泳いだ後、休憩中に海藻を海底から引き抜き、ゴーグルを拭いて曇り止め。海藻を掴んでいたその手で顔を擦った瞬間、ビリッ!!!顔に物凄い電気が走りました。急いで海水で顔を洗いましたが、右目付近が腫れてきた感じは明らか。
しかしまだ往路、右目付近はビリビリしびれっぱなし。我慢して復路30分を泳ぐ。車に行って、バックミラーで確認するとまさに「おいわさん」状態。ヤバイ。そのまま家に帰ってRUN20km。シャワーを浴びてひと寝入りしようかと思ったら、右目付近が痺れて眠れない。それどころか全身至る所で、チクリと針で刺されたように痛みだす始末。市内の皮膚科に直行。「海藻?へえー、あまり聞かないなあ」そう言われながら、採血、注射。薬をもらい店に。今現在も、右目付近をたくさんの針で一度にチクリチクリされているような痛み。全身のビリビリ感も収まらず。まいっちまいますよ。今夜寝られるといいんだけど。




帰還まぢか

「はやぶさ」が帰ってくる(カプセルだけが戻ってくる?)のを
実はとても楽しみにしているのであります。しかし、違う惑星
の何かを地球に持ち込むっていうのは、倫理的にやっぱり、
良くないことなはずです。近くの川にブラックバスがたくさん
いたり、河原に背高アワ立ち草が群生したりってことと同じこと
なんでしょう。おまけに「いとかわ」に地球製の何かを
置きっぱなしで帰ってきているはずです。地球人ってどこまで
勝手なふるまいを続けるのでしょう。




発熱!!

先日の日曜日、夕刻から悪寒発生、店は暇でソファーに
寝転んで毛布にくるまるも、悪寒は収まる気配なし。そうしているうちにも
体温が上昇するを実感する。3階の練習メンバーが来たので、後始末の
要領を教えて、2階は即「閉店」帰宅。7時、就寝。体温計を脇の下に挟んで、検温。
ドヒャー!!何たるこった、39.9℃!生涯最高値。そのまま寝ようとしたが、病院行きも頭をかすめる。あまりの高体温にすぐには寝つけず。朝3:00,目が覚め、少しイイ感じなので、検温。36.0℃!何だ、平熱じゃねえか。朝までまた寝る。再び、検温。35.6℃極めて、平熱。見事に復活!その日は月曜日、店は休み。少しトレーニングをしようかとも思ったがさすがにやめて、安静に。夕刻、街に繰り出して、ちょっとだけ晩酌し、8:00pm就寝。翌朝、さわやかに起床。
いったいあの39.9℃の熱は何だったのだろう。

「マスターの知恵熱、結構、高熱なのね」とつぶやく奴がいた。





薪ストーブ考 其の三

「薪はやはりに限る」

ここ宮古も少しは暖かくなってきましたが季節はまだ三月、
ストーブは依然、絶対必需品です。この四月に宮古市に合併したばかりの
旧川井村の区界峠ではつい先日-20が記録されたとか。
というわけで我が家(店?)の薪ストーブも依然大活躍しています。
そのおかげで我が家はすっかり薪臭い店になりました。女性の方々
決して、お気に入りの服ではいらっしゃらないようお願い申し上げます。
洗濯代はお支払いできませんので・・・。ファブリー〇の貸し出しは致しておりますが。

 先日、私が契約している薪業者さんに行き、「今日も薪もらっていきます」
(年契約=使う分はいくら持っていってもよい)と声をかけると、
「そこにある分は、よく乾いていてよく燃えるぞー」といわれたので、それをたんまり
車に積んで持ってきた。なるほど、軽い。二階にあげるのもたいした楽ちん。
そしてよく燃える。こりゃいい、イイことずくめだと思っていると何や妙な臭い。
そしてどこからともなくタツッ、タツッと滴が垂れる音。
何かよからぬことが起こっているに違いないと思い、狭い店中を徹底調査!
すると煙突の継ぎ目部分から何やら黒い液体がひとしずく、ひとしずく。
おお、これは水で百倍に薄めて畑にまけば天下無敵、魔法の肥料と噂される、
麗しの木搾液ではないか、と喜んだのは一瞬のこと。翌日も翌々日も木搾液はだらだら
煙突の継ぎ目から流れること流れること、その様はまるで白糸の滝。
毎日、出勤し一番に、その流れた木搾液をふき取るのが仕事となった。その頃から、
(ちょっとおそい)こりゃ、なんでこんなことになったんだろう?と考え始める。煙突の詰まりが
原因かもしれん。そういやあ、薪を変えたなあ。と思いながらも、まあいいやと
一日、二日、三日と経った。来る日も来る日も木搾液はだらだらと流れ続け、
近頃その様は、ナイヤガラ大瀑布の如し。おととい風邪気味で早くこの風邪直さねばと、
昨日の定休日から今日の午前9時まで33時間寝続け、完全復活。ついでに薪を
もらいに出かけた。「薪もらっていきますよ」「ああ、どうぞ」。ああ、そういえば、と思い、
今回は楢だけを選んで持ってきた。ワタクシめは表皮で判別する(なにか偉そうに聞こえそうですが、
大したことではない)。
そして今日!(まえふり、長すぎ?)
はい、さすが楢です。薪は楢に限ります。
<失敗から学ぶ生活実学の薪>でした。おあとがよろしいようで・・・?





「アメリカ人がのマージャンをするの巻」

今日、店内でアメリカ人がマージャンを始めた。
店が暇なので眺めていた。ソウズは「スティック」
マンズは「漢字」、ピンズは「ニップル(乳頭)」
と呼んでいる。香港式のマージャンで捨てハイは
河に並べず、ただ河にぼろぼろ捨てるが、何を捨てたかは
きっちり発言しなくてはならない。「ツースティック!」
「スリー漢字!」、「ワンニップル!(イチ乳頭!)」って感じです。
牌も日本のものより大きく、ハクにはなぜか「P]の文字が。
彼らの役つくりや点数勘定はどうもいい加減のようでしたが、
やはり日本人がするそれと同じように、くだらない冗談をいいながら
ゲームは進むのでした。マージャンはくだらないギャグやだじゃれを
いいながらやるものです、とはどこにも出ているはずはないのですが、
どうもこのゲームはそういった進行が好まれるようです。そしてアメリカ人も
三味線を弾くようです。「えー、お前そりゃないよ、さっきは・・・」すると、
「フャックユー!」とか「サナガビッチ!」などを笑顔で連発しています。
そのうち珍しく当店にも客が来まして、続きは見られませんでしたが、
なかなか楽しい集いのようでした。ちなみに彼らは金銭を懸けてのゲームを
していたわけではありません。彼らの名誉にために。飲食の支払いもきっちり
四等分していきました。
ひとり¥733なり・・・そこまできっちりする方々なのです。





ZILDJIAN
シンバルが割れている!
それも二枚・・・。ライドまでもが・・・。
君たち、なぜにそんなに叩くのか・・・。






薪ストーブ考 其の

 「煙突改造断行」
 
 ストーブの背面から出ている煙突をいきなり屋外に出さずに
一度屋内で天井付近まで立ち上げ、そこから壁を抜いて屋外へ出す。従って
暖められた煙突自体の暖房効果も余すことなく使えるであろう、という作戦。
またしても外壁に沿って高々と足場が組み上げられていった。(これが$$$)
その甲斐あって、温かいです!最近は、閉店時に空気口を閉じ、しばらくして、
煙突のダンパーも閉じ、燃えかけの薪を炭にする技術を偶然発見!(店内
に臭いが残るのが少々難点)。これによって翌日の点火が楽になりました。
薪ストーブはつくづくアナログだなあと感じる新年です。アナログといえば当店の
アナログプレーヤーが一台故障。修理に出す。いったいいくらかかるのやら。
練習用のFenderギターアンプも故障。大変だ。そういっていたら、真空管アンプの
整流管もぶっ壊れた。次は何が壊れるのやら。 
 
 あけましておめでとうございます。今年は(去年?)年賀状も書かずじまい。
皆さまに非礼をお詫びいたします。今から書くつもりです。

 薪ストーブの温かさは口では伝えられません。ましてや小生の書く稚拙な文章などでは
とても伝えられるものではございません。誰もが、「俺も家にほすう~(欲しい~)、
私の部屋にもほすう~(欲しい)」と念仏のように唱えます。ぜひ購入を検討ください。
ただし・・・カメムシと同居する覚悟が必要です。






新しい記事は上の方に書いた方が読みやすそうですね by 管理人
なるほど!by 本人

考古学に思う


過日、丹波で見つかっていた恐竜の骨を、トリケラトプスの
祖先のものだと断定したという発表があった。一億年以上も前の骨
を考古学者はそれが何か見極めるというのだから凄い。そして、三日前にも
岩手県内で発掘がすすめられていた建物跡が千年以上も前の前九年の役の柵の跡だと
判明したという記事もあった。考古学者はやはり凄い・・・のだろう。
しかしそういった歴史のロマンを解き明かしたとされる発表のたびに思い出される
事がある。それは二十年ほど前のことである。
「古代人の書いた落書きが洞窟から発見された」という発表があった時のことである。
その発表の直後に発掘場所の近くに住むという初老の男が現れて、
「古代人?ちがうちがう、ありゃ、わしが子供のころ書いたもんじゃ」
と声高らかに発表したのでありました。それ以来どうも、考古学には・・・?の私であります。
高松塚の飛鳥美人の保存の件といい、神の手と崇められていた考古学者が前の晩に世紀の大発見


を予め埋めていた件といい・・・。スミマセン、考古学者様。