「IRONMAN LANGKAWI 参戦記」

 

IRONMAN LANGKAWI(MALAYSIA) 参戦記

 

 

 

 

  11/6(mon) 夜、羽田を出てMalaysia クアラルンプールへ向けて飛び立つ。はずが、その前にチェックインカウンターでひと悶着発生。

 

 「この荷物の中身は何ですか?」

 

 「ハイ、自転車です」

 

 「自転車ですと、スポーツ貨物扱いになりまして、別途料金が発生しますが?」

 

 「えー、預かり荷物に関しては20kg以内であれば無料とお聞きしたものですから、こちらの会社のチケットを購入したんですが」 

 

 「あくまでもスポーツ貨物は除外しております」

 

 「そんなことどこかに書いてましたっけ?」

 

 と、一気に嫌悪なムードに突入。

 

 私の購入したチケットは6泊のリゾートホテル、オーシャンビュー&キングサイズベット(一人旅行にも拘わらず)+羽田→クアラルンプール→ランカウィ島の航空チケットで合計¥90000という破格の代物。少々の超過料金はやむを得ないと思いつつも、実際、スポーツ貨物云々という文言を読んだ覚えもないので、少し粘ってみる。

 

 「どのぐらいの超過料金になるんですか?」と聞いてみる。

 

 「44000円です!」

 

 「はぁ!」

 

 単純にホテル代と飛行機代が半分半分だと考えよう。¥45000がホテル代、¥45000が飛行機代という事になる。44000の超過料金ってことは、人間ひとりをもう一回、Langkawi島まで往復させることができるほどの金額ってことになる。そりゃ、あんまりだろう。LCCと呼ばれる格安運賃が魅力の飛行機会社だからであろう、基本料金を低く抑えている分、どこかで料金上乗せを目論んでいる思惑が透けて見える。

 

 「¥44000もここで払ってしまったら、私のマレーシアでの生活費がなくなります」

 

 「そう、いわれましても・・・」

 

 「何とかなりませんか」

 

 すると、電卓をはじき始めた。値引きのサインか、良い兆候である。

 

 「やっぱり、¥44000ですねえ」

 

 何の為の計算だよ、若い衆!

 

 実は、その時点で飛行機の搭乗開始時間が迫ってきていた。チェックイン作業が終了したカウンターが次々を「CLOSED」のサインを出していく。私の担当者もそわそわし始めた。私の覚悟を思い知ったためであろう。

 

 その時、カウンターの後方を上司と思われる男が通り抜けて行った。

 

 「こちらのお客様が・・・・・・」

 

 「それでは今回は、破損、紛失等のクレームは一切受け付けない旨の同意が頂けましたら超過料金は頂かないことといたしますので、こちらにサインをお願いいたします」

 

 と、その上司。

 

 私は満面の笑みでそれにサインをして、島での滞在費¥44000を確保することができたのであった。何とか一件落着。ふぅ!うむぅ、復路が少し心配だなあ。まぁ、苦労の先取りはやめてレースに集中することにしよう。

 

 

 

 クアラルンプールまで7時間。その間は夜間飛行という事もあり、静かに飛ぶ。食事も予め予約した人にしか与えられない。ジュースすらもナシ。欲しかったらその都度お金を払って買うという徹底した節約フライトで、通常、前の人のシートの背もたれにあるはずの映画観賞用のTV画面も音楽を聴くためのイヤホーンすらも設備されていない機体である。見事なまでのLCC振りでアッパレ!

 

 

 

 

クアラルンプールの飛行場でトイレへ入る。ごく普通に男性用、女性用があるが、その隣が普通ではない。お祈りの部屋があるのだ、さすがイスラムの国。

 

 トイレへ入り便座に座り用を足す。汚物を流そうと思ったがそれに該当するレバーがどこにも見当たらない。こりゃあ参ったぞ。まさかそのまま出るわけにもいくまい。ふと壁を見るとそこから金属製の蛇腹状ホースが出ている。先端には何やらレバーが。ははぁ、これで流せっていうことか。国によって汚物の流し方も千差万別って訳だ。その蛇腹状のホースを手に取り、自分の汚物めがけて水を出すべくレバーを引くと物凄い勢いで水が出た。なんてこった!水流が強すぎて、たった今出したばかりの自分の汚物が飛び出してくるではないか。そしてあろう事か、自分に跳ね返って、糞まみれになってしまった。しばし呆然自失。トイレットペーパーで汚物を拭き取り、意気消沈。うーむ、旅の始まりから糞まみれとはなあ・・・。レバーの引き加減を少し緩くして何とか汚物を処理。一難突破。うなだれてそこから出ると、ほうきを持った青年がいきなり入れ替わりにそこへ入ってきた。他が空いているのに何でわざわざここに入るんだよ、と思ったら、例の金属製の蛇腹ホースを手に持って床に水を流し、ほうきで掃きはじめた。まるで俺の粗相を見ていたかのようだ。私が流しで歯を磨いている間、青年は私が汚した床をきれいに掃除し終えるとトイレの入り口脇に座り込んで、休憩を決め込んだのだった。ふむふむ、彼はトイレ掃除専門なんだなあと納得。そういえば、国の数だけ慣習があると、ある高名な方がおっしゃっていたことを思い出した。

 

 

 3時間ほどのトランジッションを経て、決戦の地Langkawi島に到着。気温28℃。一週間前、雪の峠でBIKEを漕いだことが夢のよう。

 

タクシーを捕まえないといけないが、空港から行き先を告げてチケットを予め買うシステムでぼったくられる心配は無用。どうやら、結構しっかりした規律が根付いているようだ。ひと安心。

 

私の部屋からビーチまでは50mほど。昼過ぎだがジェットスキーやらパラグライダーやらありとあらゆる海の遊具のオンパレード。混然一体、人種もさまざまで、結構賑やかだ。バルコニーでしばし休息した後、10kmほど軽くジョギングして街を散策。舗装と煉瓦敷きが混じったような路面だが地面がむき出しの所も多く無残だ。街路樹の根が埋め込まれた煉瓦の隙間から這い出し、歩道を無残に破壊し尽くしている。「只今、新装開店に向けて街ぐるみで絶賛化粧直し中」といった趣。雨季開けの11月だから、これからが工事の本格再開ですよといったところか。

 

翌日、水曜日からSWIM競技開始時間に合わせて、朝7:30amSWIM練習を開始する。

 

地元の温水プールよりも温かい海、ウェットスーツ着用義務なしの意味が知れる。心もち塩分が薄く感じるのは気のせいか。2kmほど続く白い砂浜をのんびり泳ぐ。砂浜の白砂もきめが細かいため非常に固くしまっていて、自転車でも走れるほど。

 

8:00amになるとどこからともなくビーチに人が集まり始め、商売の支度を始める。南の島の人たちだからもっとゆるい感じの人種を想像していたが皆、真面目な様子。「旦那、私のジェットスキーに乗りませんか」と客引きはするものの、一度断るとそれっきり、くどくない。半年かけて8kg絞り、55歳にしては見事な体躯を作り上げ、自ら惚れ惚れしていた我が肉体だったが、上半身裸で働くそこのマレー人達の肉体は私のそれより遙かに見事だった。トホホ。

 

私が滞在したChenangという街は距離にしてせいぜい2kmぐらいの通りにレストラン、食堂、土産物屋、マーサージ屋(なぜかマサージ屋多し)などが雑然と並ぶだけの通りだがそこを歩くほとんどが観光客だ。どうやら世界中から来ている様子だ。

 

昼食をしに外へ出る。通りをぶらぶらして「地元の人が地元の料理を食べる」という看板を出した店を見つけた。

 

「どうやってオーダーすればいいんですか?」

 

「好きなものを好きなだけ皿に盛りゃいいんですよ」と女の子。

 

20品ほど並んだ鶏肉、ラム肉(勿論、豚はナシ)、魚、野菜等の中から、5品ほど選んで皿に盛る。脇にあった巨大なバケツを開けるとご飯が入っていたのでそれを盛って食べ始めた。すると女の子がやってきて私の食べている物を目で確認しながら紙切れに何か書いて置いて行った。なるほど、品数で料金が決まるらしい。私は色々なものを少しずつ食べたいがために5品ほど選んだから少々高くなるのだろう。周りの地元民はというと2品ほどしか食べていない。しかし皆、山盛りだ。料理はどれを食べても美味しく、少し辛い味付けがされているが、明日の朝、肛門がひりひりするほどの辛さではない。フレッシュなスイカのジュースを頼んで合計¥300弱。こりゃ安い!というわけで毎日昼食はその通りにもう一軒あるそんな店とを一日おきに訪ねることにした。しかし、どういうわけかその店たちは晩御飯時になるとそのバイキングスタイルはやらず、ごくごく普通のレストランとなってしまっているのでした、残念。