NEW ARRIVAL(Literature)

池澤夏樹

 

「スティル・ライフ」   1988年

 

 

 

龍 應台   天野健太郎訳

 

「台湾海峡 1949」    2009年

 

 

 

 

 

 台湾の一番辛かった年を綴った、ルポルタージュといいますか

ノンフィクションです。台湾では42万部売れたらしいです。

ものすごい量の資料との

戦いだったことがその文章からよくわかります。

 今の台湾の繁営の始まりはこれだったんだなあ、とつくづく思います。

 訳者も大変だったと思われます。 大作です。

  

 

 

 

 

コレット

 

「シェリ」   1920年   工藤庸子訳

 

 

 

 アンドレ・ジッドが絶賛した作品です。

 コレットはこの小説に出てくる主人公、レア以上に

自由奔放に生き、パリの社交界の主役に君臨していた

というのですからまったく恐れ入ります。

コレット自身が同性愛者です、当時としては相当、

生きにくかったことでしょう。パリが世界にその名を

とどろかせていたころの姿が垣間見れます。

 

 

 

開高健

 

「夏の闇」  1972年(昭和47年)

 

 

 

 何度読んでも、緊張感漂う文体で、気を抜けるところがありません。

 どこまでも高貴で崇高です。性描写までをもこんな高みにまで

書き上げた作品が他にあるでしょうか?

 「輝ける闇」は人にやっちゃいましたが、また買って読むよりないでしょう。

 

 

 

 

野坂昭如

 

「文壇」   2002年

 

 

 独特の文体にまず、ビックリします。 そして出てくる

作家たちのメンツといったらありません。まさに文壇員大集合の感。時代ですねえ。

今の世の中にはそんな作家世界は存在しないのでしょうねえ。

 巻末の人物紹介の欄も非常に面白いです。

 野坂さん、いつまでも元気でいてほしいです。

 その昔、映画監督、大島渚さんを晴れの舞台で思いっきりぶん殴ったシーンが

忘れられません。監督の眼鏡が吹っ飛んで、殴り合いになりそうなところを監督の

奥さんが必死で、しかし和やかに収めようとしていたのが印象的でした。

 

 

 

 

 

 

伊集院静

 

「浅草のおんな」   2010年

 

 

 

 飲み屋での描写は凄いですねえ。食べてもいないのに

すっかりそこで食べている気にさせます。

 話もよく出来てますねえ、さすがって感じです。

 よそ者が浅草のおんなになっていく様が丁寧に描かれています。

 余韻が残る感じがいいですねえ。

 

 

 

 

William Melvin Kelly

 

「CRY FOR ME」    1964

 

 

 

  いやぁ、こりゃ、いい本です。16編の短編が入ってますが

どれも素晴らしいです。いわゆる風刺小説なのでしょうが、

黒人作者ならではの視点から描かれていて非常に満足する

読後感です、超お勧めの一冊。

 1937年生まれでまだご存命!!!FACE BOOKもやってます!

 他の著作も読みます、KELLYさん!

  訳者に脱帽!!!

 

 

 

 

勝目梓

 

「雨の逃亡者」  昭和63年

 

 読み始めたら、わが郷里、ここ宮古が

舞台になっていてビックリ仰天。登場する

寿司屋の名前も実在するし、走る車のコース、

地名もまったく正確です。ベッドシーンも詳細かつ強烈!

 

 

 

 

 

岡田昇

 

「カムチャッカ探検記」  2000年

 

 

 

 

 著者が2002年に穂高岳でなくなっていると知って残念。

 クマの写真が素晴らしい本です。カムチャッカのクマに

極限まで接近するあたりの描写は真実だけに、迫力十分。

 カムチャッカには今でも当時の風景が残っているのでしょうか?

 この本を通していつかは行ってみたいところになりました。 合掌

 

 

 

 

 

百田尚樹

 

「風の中のマリア」  2009年

 

 

 

 うわっ、新しい百田さんですねえ。

 頭が悪いので、ゲノムの話が途中からわからなくなりました。

しかし、スズメバチの生態がそんなところまで解明されているんですねえ、

といった具合に、楽しくためになる本でした。近所のお百姓さんに

貸し出します。この人、蜂でしょっちゅう困っている人ですので。

 

 

 

 

 

桐野夏生

 

「魂萌え」        2005年

 

 

 

 ストーリー的にはありがちな話ですが、そこは桐野作品、しっかり引き込みます。

といいますか、読みだしてすぐ、「あれっ、これ読んだなあ」と思いましたが、

桐野作品ですから、絶対に外しませので読み始めました。決して、

派手な展開がないにもかかわらずじっくり読みたい気にさせます。

 毎日新聞に連載した作品です。長いです。

 

 

 

 

 

道尾秀介

 

 

「月と蟹」    2009年

 

 

 

 

 全編を通して漂い続ける、何ともいえないもどかしい感じがたまらないです。

これを緩めることなく最後まで漂わせるっていうのは至難の技に違いありません。

 良いもの読んだっていう読後感に浸れます。

 第144回直木賞 受賞作品です。

 

 

 

 

ブッツァーティー

 

「タタール人の砂漠」   1940年

 

 

 

 イタリア人です。発刊された翌日にイタリアは

大戦に参加。数日後には、英仏軍にジェノバが

砲撃されるといった時代の小説です。

 誰もが自分の人生と対比して読むことになります。

 「無駄に生きてないか」と・・・。

 

 

中村計

 

「歓声から遠く離れて」  2013年

 

 

 スパースターになれなかったスポーツ選手、五人の軌跡もの、ドキュメント。

スポーツもの、大好きです。

 第一話に出てくるマラソンの「小鴨由水」さんの優勝した、

あのレースはテレビで実際に見ていたので、興味深く読みました。

 

 

 

 

 

池井戸潤

 

「ようこそわが家へ」  2005年

 

 

 

 池井戸さん、決して外しませんねえ。

 読んでいる間は本当に幸福で、終わるのが

惜しいぐらいでした。<倍返し>で人気のようですが

読者が増えることでしょう。銀行物でなくても凄い。

 

 

 

山本一力

 

「おたふく」   2010年

 

 

 

 えー、あまり面白くなかったです。いったいどうしたことでしょう?

仕事が多すぎて、大変なんでしょうか?

 

 

 

 

乃南アサ

 

「凍える牙」  1996年

 

 

 

 乃南さん、初めて読みましたが、すっかり引き込まれました。

 狼犬と主人公が完全に閉鎖された夜中の首都高を

走る辺りの描写は、情景が浮かんできて感動ものでした。

 エピローグではしっかり話を終わらせます。

 

 

 

藤沢周平

 

「闇の穴」   昭和60年

 

 

 

 

 短編7編が収められています。

 

 最後の三編あたりはエロかったりグロだったりして、少し味わいが

異なりますが どれもが読み応え十分。さすが・・・・。

 

 

 

 

丸谷才一、山崎正和

 

「日本の町」     1987年

 

 

 うひゃー、面白く読みました。この二人が旅すると

こういったところまで見えるんですねえ。俺の旅の

薄っぺらいことといったらないですねえ。

 いい本です!

 

 

 

 

 

ノーマン・メイラー

 

「タフガイは踊らない」  1984年

 

 

 

 ノーマン・メイラーは「ザ・ファイト」から入りましたが、

このようなありがちな切った、張ったものは、どうでしょう?

特に面白いとは思えませんが・・・。

 ピュリッツアー賞二度受賞の作家のものとしては駄作に思えます。

 

 

 

 

丸谷才一

 

「ゴシップ的日本語論」  2004年

 

 

  天皇の話し言葉に関する項は目からうろこ&納得。

 相変わらずの博識、含蓄にとんだお話の連続です。

 最後の対談集もよいですなあ。

 

 

 

 

梶山季之

 

「人生だあッ」    昭和40年代

 

 

 

 みなさん壮絶な人生やってます。

 

 

 

 

伊坂幸太郎

 

「グラスホッパー」  2004年

 

 

 

 あれ、なんか想像していたものよりもつまらんなあ。

もうひとヒネリ効いているのだろうと思っていたのだが

あっさり終わっちゃった感じ。

 違った三場面それぞれの展開が最後は一か所に・・・

という展開は良くあるしなあ。いまいち消化不良。

                        提供 ノンちゃん

 

 

 

 

 

真保裕一

 

「密告」   1998年

 

 

 

 文庫本で550ページの大作、

一週間かかって読みましたが

その間は次の展開が楽しみで

わくわくの日々を過ごしました。

 真保さん、初めて読みましたけど

もう一冊、読んでみようかと思いました。

 

 

 

 

池井戸潤

 

「最終退行」   2004年

 

 

 

 

 

 読みごたえありの一冊。

 登場する銀行トップの

 人たちに憎しみを覚えさせる筆力は

さすが。それにしても、宝探しのストーリーは

よく考えたなあ、と感心いたします。

 

 

 

 

 

 

Jeffrey Archer

 

「KANE and ABEL」  1979年

 

 

 

 ジェフリー・アーチャーなのでミステリーなのかと思っていたら

いやはやどっこい、四代にも及ぶアメリカン大抒情詩。

 登場人物を時々、確認しながら読む羽目になりましたが

夢中になりました。

 20世紀中期のアメリカの様子もよくわかります。

 

 

 

 

 

 

東野圭吾

 

「夜明けの街で」   2007年

 

 

 いやあ、最後まで展開がよめなかったなあ。

 東野さん、凄いなあ。

 

 

 

 

三浦しをん

 

「風が強く吹いている」  2006年

 

 

 寄せ集めの10人にしてはあまりに凄すぎる

その走力の設定に疑問が残りますが、それを忘れさせてくれる

内容に満足しました。

 恋愛がらみの話は必要なのかなあと思いました。

 チームメイトにも回し読みをすすめるか。

 

 

 

 

 

 

丸谷才一

 

「たった一人の反乱」  1972年

 

 

 

 

 丸谷さん、しっかり読みました。

 

 

 

 

 

コルタサル

 

「悪魔の涎・追い求める男、他八篇」   1955~

 

 

 

 アルゼンチン人、コルタサルの短編集。

 八篇全部、二度読みしましたが、よくわかりませんでしたねえ。

 チャーリー・パーカーを題材にしたという「追い求める男」

はなんとなくわかるものの、そのほかの話にはほとほとまいりました。

こういう話はどういうジャンルにあたるのでしょうか?他人にも

説明しにくいですねえ。まいった!

 

 

 

 

HENRY JAMES

 

「THE ASPERN PAPERS」     1888年

 

 

 

 

 難解とされるヘンリー・ジェイムスですが、

これは大丈夫でした。というか、すごくわくわくして読みました。

   ミステリー、サスペンスを読むような感覚でした。

 いちど絶版になった日本語版が98年に再出版されました。

岩波さん、ありがとうございました。

 

 

 

 

デビット・ハルバースタム

 

「さらば ヤンキース」  1994

 

 

 

  1964年のワールドシリーズ、ヤンキースVSカージナルス

の様子を伝える一冊。黒人プレーヤーが台頭してきた時代の

アメリカの野球事情がよくわかります。

 現実では、今年、2012年、一週間前にヤンキースはリーグ決定戦で

敗退したばかりですが、イチローはよくやりました。

 今日、ジャイアンツが勝って、ジャイアンツ2勝、タイガース0勝

このまま、ジャイアンツがいちゃいそうです