園だより
子どもの有能感を育てる
「自分で」は自信がついてきた証拠
2歳になると、手先が器用になり、運動能力もついてくるので、自分でやってみたいという要求がふえてきます。自分に対する自信もついてくるので、いままでやっていなかったことにもチャレンジしてみたくなるのです。
そのために、親がやってあげようとすると「自分でやる」と言い張って、なんでも自分でやってみようとします。
言葉をかえていえば、大人のやっていることをじっと見ていて、「自分もやってみたい」という自我が育ってくるのがこの時期です。
大人がやれば10秒、子どもだと10分!
靴を自分ではくと言い張って、どんなにやってもうまくいかず、じれて泣きだす。それならとお母さんが手助けしようものならもう手がつけられないほど怒って、大泣きしてしまう。あるいはごはんを自分で食べるといって、盛大にこばす。たまりかねて食べさせると、怒り狂ってテーブルの上のものを全部床に落としてしまったり、このころの「自分で」につきあうのは本当に大変です。
しかし、子どもが「自分で」と言い出したときは、自我や能力が飛躍的に伸びるチャンスですから、親の都合やうっかりした対応でその意欲をつぶしてしまわないように気をつけましょう。
「自分で」と言ったときのプライドをどれだけ保証してやるかという親のゆとりが、決定的に大事になってきます。
「自分」と言って始めたことでも、できなくてあたりまえと思ってあげましょう。よくできたら「すごいわね」とほめてやるのは当然ですが、失敗したり、途中で挫折しそうになったら、「もうちょっとだったのに、残念だね」とか「じゃあ、いっしょにやってみようか」などと声をかけてやります。
子どもの有能感を育てる
2~3歳のころは「自分はなかなかに有能なんだ」という意識を育てる時期です。この感覚が十分に育つと、子どもは積極的に集団の中に入っていけるようにもなります。
この感覚を育てるのに「自分でやる」ことは大いに役立つので、子どもが自分でやりたがったら、なるべくその希望はかなえてあげましょう。子どもが自分でやりだすと、お母さんのぺ-スどおりにはいかないことが多くなりますが、そういうことをくぐり抜けていくのが子育ての当面のテーマなのだと、心がけてほしいのです。
そのためには、親の精神的なゆとりがあることが絶対に必要です。
3歳ごろになると、パジャマの着かえ、歯みがきなどの自立の訓練が始まりますが、子どもが言いだしたときがチャンスです。やりたくないのに「はい、きょうからよ」なんて言われても、いやになってしまうだけですから。お母さんは、子どもが言いだすチャンスをのがさないようにしましょう。
「自分で」と言いだすには、いろいろなことに興味を持つ心が必要です。もし、あまり「自分で」に固執しない子だったら、親がうまくリードしてやってもいいと思います。しかし、あくまでも子どもの後ろからついていくという原則はくずさないようにしましょう。
たとえばNHKの「おかあさんといっしょ」を見ていて、テレビの前でいっしょに歯みがきのまねをし始めたら、お母さんもいっしょにまねをして、歯みがきって楽しそう、もっとやってみたい、と思わせてあげます。簡単なお手伝いを体験させるのもいいことです。「新聞をとってきてちょうだい」とか「ドアを閉めて」といったことでも、「自分で」やったことがみんなのためになったという体験は非常な自信につながり「ぼく(わたし)って、けっこう有能なんだ」ということを確信することができます。
(0~3才 能力を育てる 好奇心を引き出す/汐見稔幸著より)
乳幼児期の学び
わたしたちが目指したい社会と環境構成
昭和の高度成長期には、指示通りに行動し指示以外のことはしない人間を育てる画一型の教育が行われてきました。
しかしこれからの時代は、変化の激しい予測不可能な社会です。指示通りに行う仕事はAIが行い、人間に残される仕事は創造性と柔軟性が必要な仕事や、複雑なコミュニケーションが伴う仕事です。子どもたちは、これから過去の経験では解決できない課題と向き合うでしょう。社会は大きく変化しています。保育者は自分か受けた画一的な教育とは違う保育を創り出す必要があります。
2017、2018年に改訂された「学習指導要領」は、幼児期から高等教育まで教育課程全体を通して育成をめざす資質・能力として三つの柱を示しています。
1.何を理解しているか、何ができるか。
生きて働く「知識・技能」の習得。
2.理解していること・できることをどう使うか。
未知の状況にも対応できる「思考力・判断力・表現力等」の育成。
3.どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか。
学びを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力・人間性等」の涵養
要領に示される学習者の要はとても主体的です。このような資質・能力を育むには、保育者の指示通りに行う活動中心から、環境に対して子どもが働きかける主体的な活動を中心にする必要があります。
乳幼児期の学び
幼児教育といえば、体操教室、音楽教室など、小学校のような教室のイメージをもつ人も少なくありません。しかし、乳幼児期は、学童期とは異なる発達段階にあり、学童期とは異なる学習経験が必要です。
乳幼児期の効果的な学びは、情緒と体の安定が基礎であること、身体と感覚を使った体験による学びであること、自発的に始まり環境との関わりによる学びであること、抽象化された教材(教科書や視聴覚教材)よりも、自然や物、人など具体物による学びであること、状況の中での学びであること、子どもが必要に応じて学ぶことといえます。
そのために乳幼児期は、遊びを通した教育を行い、保育者は環境を構成して子どもの豊かな体験を支えます。ただし、保育所・幼稚園、認定こども園での遊びは、完全に自由な遊びではなく、保育者の意図に支えられ、保育者が行う環境構成に影響を受ける遊びです。
遊んでばかりでは、小学校で机に座ることができるか心配する保護者もいることでしょう。実は逆で、のびのびと遊び、情緒と身体が安定した子どもは、意欲的に学習に取り組むことができます。教科書を広げる、字を書く、消しゴムで消すといった行動にも、安定した身体と調整能力が必要です。自分で状況を判断し行動する主体的な生活態度と、わからないことを人に尋ねるコミュニケーション能力を身につけている子どもの場合、園と学校の文化の違いは問題になりません。
乳幼児期には、学童期以降の抽象的な概念の学習を行う前に、抽象的な学習の土台となる遊びと生活の体験を積む必要があります。たとえば、小学校以降の計算や応用問題、文章を使って表現する算数を理解するには、乳幼児期に豊かな数量体験を積み、思考力や表現力の基礎を培うことが大切です。保育者は、子どもたちが遊びや生活の場面で、重さや広さ等を身体で感じる体験や、分ける、比べる、順序づける等の体験を積むことができるように環境を構成します。
(環境構成の理論と実践 保育の専門性に基づいて/高山静子著より)
第5回こどもなつまつり御礼 二十歳の同窓会
先日は第5回寺前広場こどもなつまつりに、多くの方に参加いただき誠にありがとうございました。天候が心配される中での開催で、実際に途中雨が強くなる場面もありましたが、皆様のご協力で何とか最後までやり遂げることが出来ました。どなたも祭りを楽しんでいただけたのではないでしょうか。
祭りの開催には大きなエネルギーが必要となります。その源は、「子どもたちに祭りのワクワク感を味わってもらいたい。一生残る楽しい思い出を作ってもらいたい」という熱い思いです。こども園の父親の会とそのOBを中心に実行委員会を作って、一生懸命準備をしてきました。実際に大変なことがたくさんありましたが、子ども達の喜ぶ姿、楽しそうな様子を見て、全てが吹き飛びました。
祭りのために頑張るスタッフのお父さんを見て、参加していたそのお父さんのお子さんは誇らしげでした。今後もこの祭りが「新しい伝統」となるまで続けていく所存です。より多くのお父さんたちにこの思いへの共感をいただき、仲間に加わっていただきますようにお願いいたします。
お盆の時期には、遊戯室で20才になった卒園生の同窓会がありました。これまでこうした同窓会が開かれたことはなく、卒園児が自発的に開催したものです。59名の卒園生のうち、37名と当時の担任が集まり、近況を報告して、旧交を深めました。当時の面影を残しつつも立派になり、頼もしくなった卒園生の言動に、職員の頬は終始緩みっぱなしでした。
さて、7月から始まったプール遊びも終わります。2か月にわたり、プール道具の準備等ありがとうございました。年長年中では午睡も終了します。ご協力ありがとうございました。9月からは新たな生活リズムで保育が進みます。運動会、発表会と大きな行事がありますが、行事だけに囚われることなく、日常の生活や遊びを大切にしていきます。
つぶやき(R5.9)
年長
無言で肩たたきをして
保:「あー。気持ちいい!」
しばらくマッサージを続けた後
子:「60万円!」
水泳大会前
子:「あと1回寝たら、水泳大会。」
保:「勝てそう?」」
子:「うん(うなずく)。
だってさぁー、顔つきロケットスタートとか伏し浮き頑張ってきたもん。」
水泳大会
子1:「メダルもらえなくて、本当に悔しいよ。」
保:「悔しい気持ちがある子は、これからもっといろいろチャレンジできる子だよ。」
子2:「悔しくて泣くのは、今日までだね。」
年中
川遊び
子1:「魚、泳ぐの速すぎ!」
子2:「魚みたいに速くおよげたらいいのになー。」
子1:「川に住んで練習するしかないね。」
夏祭り
子1:「先生の作ってくれたかき氷、すごい美味しかったよ。」
保:「愛情たっぷり入れておいたで当たり前じゃん。」
子1:「え?何?照れるんやけど。」
ままごと
子1:「いらっしゃいませー!唐揚げとポテトとゼリーがありますよー。」
子2:「お金を払ってくださいねー。じゃないと、つかまりますよー。」
年少
スズムシ
子1:「あれは羽をこすっとるんだよ。」
子2:「リンリーンって、何て歌ってるんだろうね。」
ザリガニ
子1:「ザリガニ、全然エサ食べないね。」
子2:「どうして?」
子1:「寝てるんじゃない。」
子1,2:「おはよー!」
子2:「あれ、起きないね。」
ばら
病院ごっこ
子1:「どうしましたか?」
子2:「赤ちゃん、お腹痛いの。」
子1:「ポンポンしますね。調子悪いですね。お薬どうぞ。」
子2:「ありがとう。」
絵本(くだものだもの)
子1:「ごめんなさいしてるー。」
子2:「なんで?」
子1:「悪いことしたから。」
つぶやき(R5.8園だより)
年長
とうもろこしのひげを
子:「これって、おケケって皮の上にあるだけ?」
保:「皮、めくっていいよ。」
子:「実の間にもおケケがあるね。とうもろこしはおケケだらけだね。」
玩具で配膳ロボットを作って
子:「これ、配膳ロボットだよ。」
保:「すごいね。何をのせてるの?」
子:「冷凍食品。」
雨とは
子1:「雨ってさー、降る前に雲が出てくるから、その雲のおしっこじゃない。」
子2:「ちがうよ。雪が雨に変わるんだよ。」
子1:「でも雪降ってないじゃん。」
子2:「雲の上では降ってるのかも。」
保育室にお化け屋敷を作った時
子1:「先生、怖そうな音、ピアノで出して。」
保:「このピアノは怖そうな音、出ないんだよね。」
子2:(ひそひそと)「先生、怖いんだろうね。」
年中
花を持って登園
保:「きれいなお花だね。お庭に咲いてたの?」
子:「違うよ。道に落ちててね、かわいそうだなって持ってきたんだよ。」
保:「そうなの。〇〇子ちゃん、やさしいね。」
子:「きっと、この花のお母さんいなくてね、こども園に持ってきたらみんなもいるし、喜ぶと思ったんだあ。」
泥遊び
保:「何作ってるの?」
子1:「お豆腐のスープ。」
子2:「私はリンゴジュース。ママにどうぞするの。」
年少
子:「今日のおやつは何?」
保:「ポテトですよ。」
子:「やったー。ポテト好き。」
「あ。スマイルは売ってますか。」
保: (^▽^)/
子:「0円でいいですか。」
ばら
子:「ママの顔、描いて。」
保:「できた!」
子:「ツンツンも描いて。」(まつ毛)
子:「つぎはパパ。」
保:「パパは髪、短い?」
子:「もじゃもじゃ!」