栄月日記
【自問自答】情報発信の「文法」ついて考える Ver.1.0.0
栄月製菓をどうしていくか。
2023年はこのことについて考えていく年にしようと思っています。
「栄月製菓」をでっかくして全国に売り出していくぞ! ということはいまのところ考えてはいないのですが、かといって何もせずこれまで祖父が積み上げてきたものをそのまま踏襲しようとも、思ってはいません。同じことをしていればそのまましぼんで、いつかはなくなってしまうだけでしょう。
これまで「煎餅を焼くことが私の仕事」と考えていました。それは技術を継承するという至上命題があったからですが、これからは「栄月製菓を経営していくことが私の仕事」というマインドも必要なのではないかと考えたわけです。
栄月製菓をどうしていくか。
私は経営について明るくありません。大学時代は文学部で小説の書き方、物語論、音韻学、文化人類学なんかを学んだ根っからの文系なので、「どうしていくか」は文章に起こしながら、自分に問いを投げかけて自分で考えて答えを出したり、あるいは新たな問いを出したりと、少しずつ整理しながら深めていきたいと思っています。
「ひとりブレスト」という言い方もあるようですが、ここはシンプルに「自問自答」として進めていきます。
そして、その行為自体が「栄月製菓」を紐解いていくものになればいいなとも思っています。
手始めに情報発信について考えたいと思います。
いま栄月製菓はこのブログ「栄月日記」とTwitter、Instagramを細々とやっています。
それぞれの媒体にはそれぞれの強みとユーザーの傾向があり、それとマッチしていないとうまく情報が伝わらないでしょう。
ブログの強みは、文章によって伝えられることでしょう。そこでは文字数制限がないので長文であってもいい。考えをつらつら書くにはちょうどいい。
このページ「栄月日記」に関して言えば、ECサイトにリンクをつけたうえで別タブによって表示されるようにしていますので、なかなかに読むハードルが高くなっているのではと思います。ECサイトにおいて注文完了までのクリック数が増えることは離脱(注文をやめてしまう・サイトから離れてしまう)につながりかねませんが、逆に、商品をまずは見てほしい、「栄月日記」は二の次で良い、という狙いがあります。まあ、狙いが的中しているかはわかりませんが、少なくともここは読まれなくても読まれてもよくて、それでも活動している・稼働していることを目に見えるようにしたいと思ったのです。
別タグで表示されるこのサイトは「グーペ」というサービスで作成したもので商工会会員は無料で使うことができ、「おしらせ」を更新すると連動して大月市商工会の「会員からのおしらせ」にアップされます。(私は「おしらせ」のタイトルを「栄月日記」に変えてブログとして使ってはいますが)
ここまでたどり着くにはECサイトの「栄月日記」リンクを踏むか、大月市商工会の「会員からのおしらせ」からやってくるか。この文章を読んでいるとしたら相当なもの好きかもしれませんね。
Twitterの強みは、短い文章と画像を手軽に発信し、他のユーザーと交流しやすい点でしょうか。
140字の制限はあれど、発信のしやすさは圧倒的。個人と企業がまぜこぜになっていることで様々なコミュニケーションが生まれます。
私がTwitterを始めたのは高校生のころでしたが、その当時からいま現在では、その利便性とは別にリスクもあるのが顕在化しているように思います。個人アカウントではなくお店のアカウントとして使っていくうえで、ここのところ考えているのが、「中の人にならない」ということです。
栄月製菓は個人事業主であり、「栄月さん=私」になりますので、そこに齟齬を生みたくないのです。企業がつぶやくのと店主がつぶやくのでは受ける印象も変わってくる気がしています。
そんな考えがあってもともと「栄月製菓」としていたアカウント名を「ヒロキ@栄月の二代目」にしてみました。【今日はあついなぁ】とつぶやいたとして受ける印象が柔らかくなっていればいいのですが、はたして。私としては、そんなくだらないつぶやきをつぶやきやすくなっています。
Instagramの強みは、画像主体の投稿によって視覚的に良さを、文字数制限もないので自由な文章と多くのユーザーに触れられる機会が得られるハッシュタグでの繋がり、といった点でしょうか。
また、利用ユーザーの年齢層がある程度低いのではと思われ、当店のコアな顧客層ではないところにアプローチできそうです。
ただし、これは魅力ある画像や映像が前提となるのがなかなかに難しいですので、私としては別の意味付けとして、映像を毎日投稿(リール)することで回転頻度を無理にでもあげるようにしています。もちろん、魅力的な投稿を上げられればいいのですが、どの写真をどんな文章で、と考え始めるとインスタに見合うような、見栄えがするような投稿が思いつかないことになりかねないのです。使われていない企業のインスタ垢は悲しいですからね。最近では海外のユーザーからフォロー通知が届いて、全世界に開かれていることを実感するとともに、アプローチしたい層に届けられているのかはなかなか難しいところです。
それぞれの媒体ではそれぞれの「文法」が必要だと思っています。どの企業だかは忘れてしまったのですが、ある企業がTwitter、Instagram、そしてFacebookで同じことがらの宣伝をしたんですが、それぞれが違う言葉使いで投稿していました。
コミュニティにはコミュニティの言葉遣いがある、というのが「文法」だと思ったわけです。
5ちゃんねるのスレッドでの言葉遣いとニコニコ動画のコメントは一見、似ているところもあるかもしれませんが、「キリ番」は5ちゃん独特ですし(今現在の姿を知らないので2ちゃんねる当時の文化だった可能性も微レ存)、「888888888」はニコ動でなけれ文脈が捉えられず(弾幕薄いよー)、コミュニティ内での独自性や文脈・文化も含めての「文法」があると考えています。
ただ、「コミュニティの文法」を捉えるのも難しいなと思うわけです。ですのでやったことのないFacebookはやっていません。にわか知識ではコミュニティに馴染めないでしょう。Instagramに関しても私はなかなか使いこなしている自身がありませんので妻に監修してもらいながら回していますし、毎日リール投稿をすることで「文法」から外れてしまわないように立ち回りをとりあえずのところ固定してみました。言葉にしてしまうと情緒がないかもしれませんが、リールに付随する楽曲に関しては毎日頭を使っている部分で、楽しく悩んでいます。
ここ最近、Twitterを更新できていませんが、23年4月を契機に上記の通り個人名のアカウント名にしましたので気軽に気楽に軽率につぶやいていこうと思っています。投稿するとき、「いまどうしてる?」と表示されるTwitterですので、原点回帰ですね。高校生のときの自分に戻る気持ちでいきたいと思います。
そしてブログ「栄月日記」では、こうした考えの整理に使っていくことを「文法」として固定して定期的にまとめていきたいと思います。そしてときどきは「日記」として日々のことを書き出してみたいと思います。もともと書くことは好きなので。
・ブログ「栄月日記」では思いに触れてもらう
・Twitterでは〈私〉を通してお店を知ってもらう
・Instagramでは当店の魅力に興味をもってもらう
そんなことを意識していきたいと思います。
人格を切り替えて構造的・記号的に運営することは、ある種「冷たさ」を感じるかもしれないのですが、家庭では部屋着でだらだらしてプレゼンではジャケットを羽織るように、TPOやコミュニティに合わせて着替えていくことは必要なことでもあるように思います。高校ジャージでゲームしている私も、イオンモールのショップで買った一張羅で交流会に行く私も、どちらも私ですし。
ともあれ、この「栄月日記」を定期的に更新することを、まずは習慣にしようと思います。n回目の宣言。(了