栄月日記

2020 / 04 / 06
15:17

毎日通る道に

【】

 毎日通る道に桜が咲いていた。

 笹子トンネルから大月の市街に至るまでの国道にはいくつもの桜があったことに、今更ながら気づく。この木もあの木も、桜だったのか、と。去年の春にも見ているだろうから、改めて気づかされたと言うべきかもしれない。

 ついこの間まで裸だった木がいまではピンクや白の花をいっぱいに咲かしている。

 道路や川両側をびっしりと埋め尽くす桜並木、はもちろん綺麗であるけれど、道々に点在して咲く桜、というのもまた綺麗だ。

 見れば、山の中腹にも一本だけ白い花を咲かしている木があった。誰かが植えたのだろうか。緑の山にポツンと一本や、橋の脇に密集して二、三本だけ植っているのなんか見ると、木の生命力の感じる。野性味、とも言えるかもしれない。これを見るのが、感じるのが、なんとなく楽しい。

 緑の山や道路脇にパッチワークのようにある桜は、花びらを散らしてしまえばどこにあったかわからなくなってしまうだろうが、それがいいのだと思う。

 

 栄月製菓のすぐ近く、浅利に下っていく坂の脇にも大きな桜の木があり、いままさに盛りを迎えている。桜は満開までではない。桜吹雪も葉桜も、どれもが桜の楽しみのひとつ。咲く期間こそ短いが、まだまだ楽しみはある。

 そして桜は、我々の舌だって楽しませてくれる。

 

 と、長い前置きをして「新発売 桜餅!」とできれば完璧だろうが、そのような予定はありません。

 ……なんだこの“後味”の悪い文章は。(了)

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