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2023-12-27 12:10:00

【企業目標マネジメント・システム】【4】

「マネジメント計画」を理解したならば、「コントロールの意義」について、理解しなければならない。

[4]コントロールの意義

「コントロール」は、「管理」のためのものではなく、「マネジメント」を活性化するものであり、「企業目標マネジメント・システム」を着実に推進し、「全員参加マネジメント」の「柱」と位置づけるものである。

(1)コントロールのプロセス

  計画実施と評価

「マネジメント」の{コントロール」は、「マネジメント・プロセス」の実施段階において、各「戦略」や各「計画」の「動機づけ」を行う。さらに「逸脱」していなか、新たな社会的経済的環境の変化がないかの動向などのチェックを行い、「調整」「修正」「コントロール」といった「マネジメント活動」を平行して行い、実施活動を「計画」の達成へと「パワー」や「組織力」を発揮させていく。

さらに、「計画実施」「マネジメント計画」と、それがもたらした「実際の成果」とを比較して、「マネジメント計画」のあり方が評価される。そして、次の「計画設定」に「情報」や「課題」を提供し、さらに新たな「マネジメント活動」の「源泉」につなげるものであり、この繰り返しが企業の「活性力」をつけていくものである。

  情報の流れと意思決定・評価ルール

「マネジメント計画」の各段階で相互の調整があり、また情報が共有されることによって、各組織が有機的に結合させるとともに、必要な情報やフィードバック情報が適宜収集・分析・提供されなくてはならない。また、「意思決定・評価」のルールを設定しておき、必要に応じて「計画」のプロセスで適用して、「マネジメント計画」の推進をスムーズに行う。

  コントロールのプロセス

1.マネジメント計画の策定

2.実績測定と評価

3.計画と実績の差異分析

4.修正計画と当初計画の比較

5.修正計画の実施

6.修正計画の実施測定と評価

7.次期マネジメント計画の策定への提言

(2)コントロールの機能

「コントロール」という言葉は、日本語だと「統制」となるので、「支配」というイメージがある。しかし、本来は「マネジメント・サイクル」の「統制化」であり、実際の「マネジメント活動」を計画通りに実行する「機能」なのである。「コントロール」は、当初計画が達せられないと見込んだときに、「修正計画」を行なわなければならないが、その前に「当初計画」にいかに近づいていくかの「施策」を検討することである。

つまり、「コントロール」というのは、実際の「マネジメント活動」の標準を定めて、「計画遂行」に入ったら実際の「マネジメント活動」の状況を調べ、あるべき「目標」との比較を行い、その間に「課題」があれば、修正措置を講じて、実際の「マネジメント活動」を調整して、あるべき「計画」を達成させるための行動なのである。

(3)フィードバックとフィードフォワード

  フィードバック

「フィードバック」は、「乱気流とカオス時代」には、社会的経済的環境の変化が激しいので、修正措置を即実践することが要請されるので、「情報システム」の確立が不可欠である。「マネジメント情報」の「フィードバック」の自動化の範囲が拡大され「コントロール」の特性に適合した「システム」を設計しなければならない。

  フィードフォワード

「フィードバック」は、「マネジメント情報」の即時化によって迅速になったとはいえ、あくまで後追いの「コントロール」である。しかし、「コントロール」は、事後的な「マネジメント情報」の「フィードバック」に加え、「計画」からの「差異」を生じる前に「予防」のために、「マネジメント情報」の「フィードフォワード」が要請されるようになった。

つまり、「実績」が「目標」から逸脱することを示す「事前情報」を収集して、事前の「修正活動」を行うことによって、「当初計画」に合致した「マネジメント活動」を行う「システム」である。

(4)コントロールの方法

「マネジメント・コントロール」は、企業の「マネジメント活動」全体について行うものであるから、次のような方法によって行われる。

  予算制度

「マネジメント・コントロール」を総合的に行う「システム」として、「予算制度」がある。これは「予算」を「編成」し、それを実施していくことによって、「マネジメント・コントロール」をしていく方法である。「予算制度」の「機能」としては、「計画機能」「調整機能」「統制機能」があり、次のように行なわれる。

1.予算方針・目標のコミュニケーション

2.各部門予算案の作成

3.企業目標マネジメント・システムによる予算の決定

4.実績測定・評価

5.計画と実績の差異分析 

6.修正計画と当初計画の比較

7.修正計画の実施

8.修正計画の実施測定と評価

9.次期予算策定への提言

  監査

企業内外の「監査役」や「取締役」によって行われる「コントロール・システム」で、企業全体の「マネジメント活動」の「監査」を行う。特に、「社外監査役」や「社外取締役」の第三者としての「監査」が重要視されている。

「マネジメント活動」は「適正か不適切」か、「目標との差異は」「情報は正確か」「スタッフのモラ-ルは」「全員マネジメントが行なわれているか」「企業目標マネジメント・システムは着実に実行されているか」などについて積極的に「提言」しなければならない。