おしらせ

2018-06-23 20:39:00

外国人の受け入れが拡大(新しい就労資格が創設)されそうです。

 先だって,閣議決定された政府の「骨太の方針」によると,外国人の受け入れ拡大がすすみそうです。具体的には,新しい就労資格が創設されるとのことです。

 

 現状の外国人の在留政策というのは,ごくごく大雑把に言えば①能力の高い優秀な外国人か,②お金持ちの外国人のみを,専門性の高い職種に限定して受け入れる,といったコンセプトであるように思います。(ですから当事務所でも,外国人のビザの取得をするためには,その方が上記の①か②にあたることを必死にアピールしています。)

 今回の,骨太の方針をみたところ,そういった傾向ががらりと変わった,とまではいえないように思いますが,確かにこれまでなかなかビザの選定が難しかった,農業,介護,建設,造船,宿泊の業種で,ビザを取得することがやりやすくなりそうな予感はします。

 もともと日本のビザは,ホワイトカラーの職種だとだいたいどこでも働けるのですが,そうでない職種だと,外国人のコックさんとか,芸能・エンターテイメント関係とか,一部の職種に限定されていて,それ以外の職種では働くことが難しかったと思います。また,認められている職種についても,アルバイト採用ではまずビザはおりませんから正社員採用でなければならず,その給与も最低でも20万前後はないと無理です。(最近コンビニで増えている外国人は,留学生などが「資格外活動許可(原則週28時間まで,職種・給与の制限なしに働ける)」を利用して働いているものだと思われます。)

 そういった意味では,農業,介護,建設,造船,宿泊などの職種で,管理職(ホワイトカラー)以外のポジションでも外国人が働けるようになってくるとしたらば,大きな変化といえるのではないでしょうか。

 

 外国人をめぐっては,「島国」日本だけに,色々な意見はあるでしょう。しかし,個人的には7年以上入管業務に携わってきて,日本に来て一生懸命勉強している外国人の方々には,本当に真面目で優秀な方が多いなと思っています。そして,そういった外国人の方々から「何とか,ビザを取って下さい。お願いします。」と泣いて頼まれたり,色々な泣き笑いの場面に遭遇してきただけに,気持ちの中では,そういったしっかりと技術と知識を身につけた外国人には,きちんとビザが下りるような国になって欲しいと思います。そしてもっと言えば,外国人だろうが日本人だろうが,優秀で実力のある人が伸びて切磋琢磨できる社会になってくれたらいいなあと思います。

 思えば,かつて絶頂を極めた日本経済も,長時間労働が社会問題になりながら(すでに,日本人の年間総労働時間は米国を下回っているというのに。。),一方で生産性はG7で最低レベルという,なんとも哀れな経済になってしまいました。日本人の文化なのか,結果よりもプロセスを重視し過ぎて,「すぐに利益にならないこと」「今すぐ結果につながらないこと」に無駄に多くの時間と労力をかけ,頑張っている割にはたいして「生産」していない(結果を出していない)のでしょう(あるいは,単に「だらだら」仕事をしているだけなのかも。。)。こういった文化は自分たちでは変えることはなかなか難しいと思いますので,現状を打破する一つの施策として,各分野での優秀な外国人の進出が進んで欲しいなと思います。