おしらせ

2018-02-19 08:36:00

合同会社って何?(株式会社とどう違うの?)について

 合同会社の制度が出来上がって10年以上経ちましたが、やっと制度が徐々に浸透してきたのか、個人的には最近合同会社を作られる方が増えてきたような気がします。

 

 この合同会社と株式会社とは、何が、どう違うのでしょうか?

 

1 やはり一番最初にくる違いは、設立費用(設立登記をするために必要な費用)の違いです。これが、倍以上違います!

 最低限必要な法定費用を株式会社でみると、20万円程度となりますが、合同会社は6万円程度。

 仮に、専門家に頼んだとしても、報酬はどっちの会社でも大差なく、最近の相場でいけば5~8万円程度だと思います。ですから法定費用と報酬を足すと、株式会社は25~30万円ほどかかるのにたいし、合同会社は12、3万円でおわることとなります。

 

2 では、それ以外の違いはどこにあるのでしょうか。

 

 この点、実は法律の条文上の違いはたくさんありますが、結局重要なところ(現実に差が出るところ)でみると、ほとんど変わりがなく、一般に言われているところでいえば「信用力」の違いがあるというところでしょうか。

 ただ、この「信用力」はどこまで説得力があるかはわかりません。

 

 実は合同会社はもともとアメリカで発展した制度で、最近日本で活躍しているアメリカ企業(アマゾン、グーグルなど)の日本法人は、全部、合同会社です。

 つまり、最近の外資系の大きな会社は、合同会社を選択することが多いのです。

 

 ただ、そうはいっても、世間的にはまだそこまで合同会社が浸透しているとはいえないかもしれません。となると、たとえば「採用」の場面などでは、そういった「信用力」の違いが出てくるかもしれません(株式会社で募集すれば信用して応募してくるが、合同会社では応募が減るかも)。微妙なところですが。。。

 

3 ちなみに法律上の違いでいえば、合同会社では株主総会に該当する機関がなく、出資者=役員が原則です。つまり、合同会社は、株式会社のように株を発行し、幅広く第三者から出資をつのるのにはむいていませんが、一人二人の人が出資して個人事業に近い形で会社を運営するのに向いているといえます。

(アマゾンやグーグルは、アメリカの親会社がほぼ単独に近い形で会社の全権を掌握し、日本の株式市場で広く出資を募る気がないため、合同会社で運営しているのだと思います。)

 

 となると、本当はこの世の中にある株式会社の多くは、実は合同会社の方が法律的には「向いている」といえるのかもしれません。

 

 ただ、合同会社の機関設計については、定款でかなり大幅な変更が許されており、定款を色々と変えていけば、ほとんど株式会社と変わらない制度に変えていくことも十分に可能だと思います。

 そういった意味では、実際の所、法律的には「ほとんど」差がないとまとめてしまっても、差支えないのではないかと思います。