2026-09-07 00:00:00

Heart-up 通信 Vol45

BCP.png災害をきっかけに考える中小企業のBCP

数カ月前、運送業を営む顧問先様がBCP(事業継続計画)の策定に取り組まれ、そのお手伝いをしました。
そして先日、福井県嶺北地方では、短時間に300ミリを超える記録的な豪雨となり、一部の地域で浸水被害が発生しました。その後も、台風や線状降水帯による局地的な大雨が各地で相次いでいます。

災害は、いつ、どこで発生するか分かりません。こうした状況の中で、改めてその重要性を感じるのが、BCPです。
BCPとは、自然災害や感染症、システム障害などが発生したときに、事業への影響をできるだけ抑え、重要な業務を継続し、または早期に再開するための計画です。

同社では、「人命を最優先とする」ことを基本方針とされました。
災害発生時には、従業員や来客の避難誘導、点呼・安否確認を行い、負傷者や救助を必要とする人がいる場合には、応急手当や医療機関への搬送につなげます。また、二次災害を防ぐことも重要です。

道路の冠水や通行止めにより、車両を動かせない、予定していた経路で配送できないといった事態も想定されます。
そこで計画では、災害時の指揮命令系統を明確にし、人命の安全確保、被害状況の確認、物流の再開へと段階的に対応できる体制を検討しました。さらに、代替輸送や代替倉庫を利用できるか、荷物に被害がないか、復旧の見通しはいつ頃かなど、荷主様へ伝える内容と連絡担当者についても整理しました。

帝国データバンクが2026年に実施した調査によると、企業のBCP策定率は21.4%となりました。一方、大企業の39.9%に対し、中小企業は18.3%にとどまっています。策定が進まない背景には、知識やスキル、人材、時間などの不足があるとされています。

しかし、最初から大がかりで完璧な計画を作る必要はありません。まずは、
・避難誘導や救助の担当者
・従業員の安否確認方法
・出勤または自宅待機の判断と連絡体制
・優先して継続する重要業務
・顧客や取引先への連絡体制
・重要なデータの保管方法
といった項目について社内で話し合い、決めた内容を従業員と共有することが第一歩です。
また、計画書を作成して終わりではなく、実際に訓練を行い、必要に応じて内容を見直すことが重要です。

従業員の安全と事業を守るため、万が一の事態に備えて、自社のBCPについて考えてみてはいかがでしょうか。

引用:帝国データバンク「事業継続計画(BCP)に対する企業の意識調査(2026年)」2026年6月25日