Heart-up 通信 Vol44
豪雨・浸水により休業した場合、休業手当は必要?
昨日、福井県嶺北地方では、短時間に300ミリを超える災害級の豪雨となりました。ほんの数日前には、石川県と富山県でも記録的な大雨に見舞われたばかりです。
夜中に3回、携帯電話の警報アラームが鳴り、叩きつけるような雨音と雷鳴で、ほとんど眠れないまま朝を迎えました。
早朝、外を見ると、自宅近くのアンダーパスは冠水し、家の前の道路は通行止めに。周辺の道路では、徐々に水かさが増して冠水しましたが、自宅への浸水はありませんでした。
被害に遭われた皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
今回の豪雨を受け、事業所の休業や、従業員が出勤できない場合の対応についてご相談をいただいています。
豪雨や浸水による休業手当の取扱いは、「休業に至った原因」によって判断が異なります。
◇事業所や設備が直接浸水し、営業できない場合
天災等による「不可抗力」に当たれば、原則として休業手当の支払義務はありません。
ただし、不可抗力と認められるためには、
①原因が事業の外部から発生したものであること
②事業主が通常の経営者として最大限の注意を尽くしても、なお避けることができなかったこと
の両方を満たす必要があります。
◇道路の冠水や通行止めにより、従業員が出勤できない場合
会社が通常どおり営業しているものの、従業員が出勤できず、労務の提供ができない場合は、原則として賃金や休業手当の支払義務はありません。
ただし、本人から申請があれば、年次有給休暇として取り扱うことは可能です。会社独自の特別休暇制度がある場合は、その規定も確認します。
◇事業所に被害がなく、出勤も可能であるものの、会社の判断で休業させた場合
「使用者の責に帰すべき事由」に該当する可能性があり、平均賃金の60%以上の休業手当が必要となります。
◇取引先の休業、客足の減少、資材不足などにより休業させた場合
これらは直ちに不可抗力となるわけではありません。ほかの取引先から資材を確保できなかったか、従業員に別の業務を行わせることができなかったかなど、休業を避けるための対応を尽くしたかも含めて、個別に判断します。
このように、豪雨による休業であっても、一律に「休業手当が必要」「不要」と判断することはできません。
また、法律上の支払義務がない場合でも、会社の判断により特別休暇を設けたり、一定額の手当を支給したりすることは可能です。
まずは従業員の安全確保を最優先にしたうえで、被害状況と休業の原因を確認し、それぞれの事情に応じて判断することになります。
豪雨による被害に伴う 労働基準法や労働契約法に関するQ&A
今朝は昨日とは一転し、何事もなかったかのような青空が広がっています。しかし、外に出ると、風の中に泥の匂いが混ざっているように感じます。
ちょうど稲刈りの時期でもあり、水に浸かった田んぼや稲への影響も気になるところです。
自宅から見えるアンダーパスでは、朝から排水作業が続いていますが、通行できるようになるまでには、まだ時間がかかりそうです。
災害が起きると、これまで当たり前だった日常が、決して当たり前ではないことに気づかされます。
まずは安全を最優先に。そして、一日も早く、皆さまがいつもの生活を取り戻せることを願っています。