講師(宗夜)ブログ
●茶道とJAZZ
先日、生徒さまと平点前(濃茶)のお稽古をしていて、思わぬ形で茶道とジャズの共通点を見つけました。
その生徒様はすでにお茶名をお持ちなのですが、一から茶道を見直したいということで平点前からお稽古してくださっているのでした。
改善ポイントは連動性と統一感でした。
連動性とは、全ての動きをつなげることです。
動きを脳で再確認しながら行っていると、どうしても手が一旦お膝に戻ります。
茶筅通しを終えたら、一旦手がお膝に戻ってしまう…といった具合です。
お膝は『ホーム』なのかもしれません。
空中に手が浮いたままでは心理的に落ち着かずに不安定になりやすいのかもしれません。
でも大丈夫。すでに十分なお力をお持ちでいらっしゃるから、そのお力を信じて。
全ての動きを流れるように行いましょうとお伝えしました。
手が流れるように空中を舞うと、驚くほど動きが美しくなられます。
そして統一感。
生徒様の動きにはムラがあり、速いところと遅いところが出来てしまうことを指摘しました。
ムラは美しく見えません。
無意識に起こるからです。出来るところは早くなるし、苦手なところは遅くなる。
メリハリとは異なります。
メリハリとは緩急のことで、全体像を見ながら計算した上で意図的につけていくのです。
それにより統一感が生まれます。
その背後にあるのがリズム。
ここがジャズとの共通点でした。
ワーン、トゥ、1、2、3
ッッ…トゥーン
この最初のリズムをずーっと維持しなさい、とジャズピアノの先生に指導されました。
『あー、ほらほら。出来るところだけ早くなっちゃう。そうすると他の楽器の人と合わなくなっちゃうでしょう?リズムの縦の線をずーっとキープするのよ。』
リズムの取り方は、クラッシックとは全然違いました。
『4ビートの裏に3連符を常に感じよ』
と教えられました。
1 2 3 4 の裏に
タタタ タタタ タタタ タタタ
● ●
更には『2と4の最初にアクセントを感じよ』と。
この3連符がクセモノでした。
クラッシックでの3連符とは異なりました。
『もっと正確に。感情を抜きにして。デジタルに。』
私が習ったクラッシックでの3連符は、曲の途中で音を強調させるために出ることが多かったのでした。
タタタではなくて『ダダダ』と言った具合。
そこだけ少し遅くなりました。
その要領で弾くと、先生から注意されました。
『あー、ダメダメ。そんなところにアクセントないよ。』
そもそも使っているメトロノームが違いました。
クラッシックでは振り子式のメトロノームを使っていました。
『振り子式だと不正確だから電池式のを買って。リズムはジャズの命なのよ。』
『リズムという共通のルールがしっかりしているから突然のセッションが成り立つの。アドリブの小説数も決まっているから全体の流れから把握して。最初のうちはリズムとフレーズから小節を計算するしかないわね。そのうちに感覚が掴めるけどね。』
掴めないうちに私のジャズピアノ歴は幕を閉じました。残念…😢
芸事は難しい。身を以て知ったことが私の財産となりました。
茶道では、お茶室に足を踏み入れた際の足捌きがこの『リズム』に相当します。
右足、左足と踏み入れた音、それがジャズで言うところの最初のリズム。
シュッ、シュッと摺り足の音が響く。
その摺り足のリズムをお点前の最初から最後まで背後に感じましょう。
摺り足は早すぎても遅すぎても良くありません。
お点前の格によって速度が決まっているから努めてそれを一定に保ちます。
帛紗を捌く時も、お道具を清める時も、脳裏に摺り足の音を響かせて。
1、2、3、4、5、6、7、8…
規則的な大きなうねりに手足の動きを連動させていくと美しくなります。
ジャズとのもう一つの共通点『3』という数字。把握の難しい『3』
茶道では空間的に感じます。
風炉の点前畳を0°とするなら、客付きは約45°
健水を下げるときのひと膝下座は、約30°
お客様との問答はお道具正面、約90°
すべて3の倍数。
茶道とJAZZ
達人ほど、いとも簡単に自由に行っているように見える。でも実はきちんとした規則があって、その中で個性を発揮しているのでした。