講師(宗夜)ブログ

2022-12-05 17:35:00

●包む文化

日本には包む文化があります。

包む媒体は紙とは限りません。

長崎の出島を旅した時に紙ではない『包む文化』を目にして驚きました。

 

出島から多く輸出されていたのは有田焼でした。

その有田焼を包んでいたのは浮世絵。

浮世絵の斬新な美しさを見た西洋人が『ジャパネスク』に湧いた…

という説が広く流布されていたので私もそれを信じていました。

 

ところが私の先輩のガイドは、その説に懐疑的でした。

『本当に紙で包装していたのかなぁ?航路ではインド洋を通るんだよ。あの海流はすごく揺れるんだ。紙で包装していたんじゃ、とてもじゃないけど有田焼を守れないよ。』

 

先輩ガイドの言う通りかも知れない。

出島の博物館で思いました。

出島で目にしたのは、紙ではなく『縄』で編み包まれた大きな磁器の展示物でした。

 

縄で立体の物を包んでる!

すごく驚きました。

そして包まれ方がとても綺麗であることも驚きでした。

 

『この包む技術そのものが芸術である』

と西洋国の貿易商が口にしたと説明書にありましたが、本当にその通りでした。

 

その技術に執念も感じました。

何がなんでも壊してはならない。

当時の諸外国との貿易がどのような契約を基にしているのか分かりませんが、破損した場合の違約金がもしかしたら莫大だったのかも知れません。日本人の器用さは身を守る術だったのかも知れません。

 

それにしても芸術的に綺麗でした。

芸術的に包むと壊れにくいのでしょうか。

力学的な法則を包み方の中に見出していたように思います。

 

こういう実践的な研究が、日本人は好きなんだろうなぁ…と思います。

どこか着付けと似ていると思いました。