講師(宗夜)ブログ
所作(47)●茶室で感じる森林浴効果
最近、茶室でのお稽古において森林浴をしたようなスッキリとした気分になることが多くなりました。
これは一体なんだろうと考えています。
森林浴で思いつくのが森の香り。
土からの匂い。シダ類の少し湿ったような匂い。
風に湿り気が帯び出したと思ったら急に霧が湧いて、雲の中に入ったんだと気が付くと、また急に晴れて気温が上がった時の匂い。
ああ、気持ちいい。
自分は自然の一部なんだと感じる時。
炭が焚かれると、そのような森の中の諸々の匂いを微かに感じます。
そしてもう一つは、音。
時々、茶室にいるのに森の音を感じます。
森の中も、茶室の中も静かです。
静かなのですが、静けさの中に厚みを感じます。
静かだけれども無ではない。
虚無の静けさではない。
ふと、どこかで聞いた『ハイパーソニック』という言葉を思い出しました。
人間が耳で捉えられない高周波の音のことで、植物から出る音だそうです。
実は、森はとてもおしゃべりなのだとか。
特殊な機械で録音すると、トラックの轟音と同じくらいの数値だそうです。
人間は耳では森のおしゃべりは捉えられませんが、肌で感じているそうです。
音は空気の振動で伝わります。
そのわずかな震えを肌が感知しているそうです。
生命の息吹を感じることで私たちはリフレッシュできるのですね。
そのハイパーソニックらしいものを私は茶室にいる時に感じるのです。
茶室には木々はありません。
その代わり生徒さまがおられます。
生徒さまや自分が発する足捌きや衣擦れの音などから同じような効果を感じるものと思われます。
音を受け取る時の心情も大切で、茶室に居る時には完全に心を開いています。講師側も開いていますし、生徒さま達も開いています。
心を開いていながら礼儀を失わない雰囲気。
ここにハイパーソニックを感じ取れる余裕があるのだろうと予測しています。
生徒さまの中には、感受性の鋭い方々も多数おられ、入室した際にハッとした顔をなさる時があります。耳よりも目よりも肌で何かを感じているようです。そういう時には瞳孔が開いています。
瞳孔は安心して好意を持っている時に開きます。
心地よく過ごしていただけている。
そう思えて誇らしい瞬間です。